イングランド時代・上位リーグへの道

第19話 プロとしてのステップアップ

初年度で果たした上位昇格。

ですがこれからがプロとして本当の勝負。

お待たせしました、どうぞ!

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「数十年ぶりの上位昇格」

「KAZUDONAがカミカゼを起こした」

「来シーズンへの期待も大きい」


 とまあ、欧州メディアは大げさで気が早い。苦労話はいいんですが、こう褒められるのになれていない僕にとってはこの文章を書いていて、自画自賛してるみたいでちょっと恥ずかしいですね。

 欧州のリーグ戦は大体が9月半ばから6月半ば。日本の様に真夏の炎天下にリーグ戦をする様な酔狂なことはしません。それを考えるとJリーグのスケジュールはかなり異常。

 このオフシーズンを使って、欧米では代表の国際大会、オリンピックやWCが行われる時期です。オフとは言えども、きついシーズンを過ごして来た各国の代表選手達はそこに駆り出されるわけですからね。WCにシーズンの疲れを引き摺って参加する。前評判が高くても良い活躍ができない選手が数多くいるのはそういう理由です。

 まあ僕は日本のメディアから見向きもされていませんでしたし、4部程度では代表選手になれる訳もない。シドニー五輪や欧州選手権、2002年には日韓WCでの同期の闘いをTVで見ていましたね。


「何だろなあ、この格差は」


 とまあ複雑な気分でした。いつかは代表に、そういう夢はJのユース時代までは描いていましたが、当時は漸くプロの扉を開けたばっかりのぺーぺーですから、現実の厳しさを体感しましたね。

 そういうことで、オフはヨーロッパ旅行です。フランス、ベルギー、オランダ、スイス、イタリア、ドイツ等オフには夢のヨーロッパを堪能しました。こうした旅行記はまた番外編とかで、ネタ集みたいに公開しようと思っています。スペインも行きたかったけど、当時は移民が合法化されて治安が乱れまくっていました。日本大使館からスペインへの旅行は控える様にと言われていました。ちょっと残念でしたね。

 それぞれの国に違った特色があって面白かったですね。旅行と言っても僕は各国の有名クラブのスタジアム、所謂聖地巡りでしたけど。まあナイフを持ったチンピラに絡まれたりしましたし、スリのグループに囲まれたりもしましたねー(笑) 全員ぶっ飛ばしましたけどwww


 9月後半からのシーズン開始前、約1カ月前から来シーズンに向けたトレーニング開始です。僕は合間の夏にも自主練は欠かさなかったので、オフでだらけて太ったりしたチームメイト等よりはすぐにトレーニングに順応しました。

 基本的にフィジカルトレーニング、肉体強度を上げる反復練習に走り込み。オフで鈍った体を苛め抜きます。このトレーニングでシーズン後半に、肉体の強化成果がピークになるように整えるんですよ。ここでしっかりやっておかないと、シーズン途中に失速してコンディションを崩したり、疲労から無駄な怪我をします。実際キツかったですよ。でもこういう情報はサッカー雑誌とかで腐る程知識として知っていたので、その世界に自分も入れたことが嬉しく楽しんでやってました。


「KAZU、君はなぜこの時期にそこまで動けるんだ?」

「オフはちゃんと休んだのかい?」


 と、まあバテバテのチームメイトが聞いてきます。まあ自主練は公園とかでやってたし、ボールで遊んでたらみんなが集まって来るので子供達とミニゲームしたりしてたしね。それに短い夏の暑い時期(※欧州は北海道よりも高緯度にあるので、本当に暑いのは2,3週間ほどです)にしっかり着込んで、厚着で15㎞くらいかな、約2時間ほどずっとランニングをやるのが僕のこれまでの日本でのルーティン。体を絞るのにはもってこいなのです。てことで、朝晩、学校が休みなら一番暑い時間に外に走りに行きます。今の温暖化の進んだ夏では無理ですよ。真似したら死にます。昔は夏が大好きでしたけど、今は生死に関わるので嫌いですw

 オフの間も自主トレに勉強と結構忙しくしてました。語学学校でケンブリッジ国際英検のPET、FCE、CAEという上から二番目までの資格まで取りました。その上のPFCだったかな? このプロフェッションシーという資格は英検1級よりむずいです。ネイティヴでも落ちます。これだけは取れませんでしたね。種目はリーディング、リスニング、ライティング、グラマーにスピーキングという『読む・書く・聞く・文法解く・話す』という5科目を全て試験するという世界で一番歴史のある英検です。CAE(※Certificate Advanced English)まで持っていれば、海外で英語を使って仕事ができるというアドバンスという資格です。


 僕の留学の成果を英語の検定、それをお伝えしましょうか? 自慢ですよ、事実ですから(笑)


・ケンブリッジ国際英検 PET FCE CAE

・日本の英検 1級

・国連英検 特A級

TOEICトーイック 950点以上


 TOEFLトーフルIELTSアイエルツは忘れましたw でもかなりの高得点評価だったはず。準ネイティヴ(※ネイティヴスピーカーではないが、それに準ずるレベルの英語能力)の評価まで貰いました。

 常にネイティヴ達の中で試合などもバチバチに英語でやり合ってますからね、大学もですが、そりゃ伸びますよ。でも努力しないと絶対に伸びないですよ。『留学すればできる様になる』という勘違いをしている人がよくいますけど、それははっきり言って完全な嘘です。自分から積極的に行動しなければ、努力しなければ絶対に伸びません。

 僕よりも長い期間滞在している人もいましたけど、全く英語できない人なんてザラにいましたから。以下に僕が向こうで受けた英語学習についての取材文がありますので、リンクを載せておきますね。

https://kakuyomu.jp/users/kazudonafinal10/news/16817330662225472443

https://kakuyomu.jp/users/kazudonafinal10/news/16817330662197036458


 もう廃版になっています。帰国したときに実家に届いていたものです。あら、採用されたんかよーって思いましたね。

 海外で活躍できない日本人選手は、決定的に言語習得に問題がある。キングカズや中田ヒデなんかはそういう点でかなり優秀。逆に言語習得ができなくて海外リーグで干された選手は多いです。宇佐美、大久保、城、マンUのときの香川など、挙げればキリがないですね。戦術理解がその国の言語でできない奴が試合に出れるわけがねーだろって思います。舐めてますね、ハッキリ言って。プロじゃない。プロの自覚が足りてない。


 さて、こうしてオフの終わりから徹底的に身体を苛め抜き、負荷を掛けて鍛え上げた肉体を武器に新シーズン、4部リーグに挑みます。プレシーズンマッチは1部や2,3部リーグのチームとの試合など、格上とやって自分達の戦術や選手の出来を確認します。4部に昇格したことで資金も潤い、新戦力も加わりました。でも完全に僕の役割ができる選手は皆無。多少似た様なプレーができる南米の選手を獲得していたので、そいつが僕の交代サブやシャドーに入ったときのトップ下みたいな役割でしたね。


 こうして僕のCC・FCでの2シーズン目、気力も体力も体の仕上がりも絶好調状態で開幕します。ですが『2年目のジンクス』と言うやつにこのシーズンは苦しめられることとなりました。



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オフの過ごし方から勉強、

そして開幕までの練習、新戦力も加わって4部リーグ開幕です。

ここからが本当のプロリーグ!

遂に始まったKAZUDONAストーリーはどうなっていくのか?

続きが気になる方はどうぞコメントを御願いします。

応援してくれると頑張れます!

当時のことを思い出すと、心に来るものがあって、今でも涙が出るんです。

皆様の応援が書き続ける気力になります。

よろしくお願いします。


で、そんな僕が連載しているファンタジーです。良ければこちらも眺めてやってください! お願いします!

OVERKILL(オーバーキル)~世界が変わろうと巻き込まれ体質は変わらない~

https://kakuyomu.jp/works/16817330653523704177


ではまた次回・・・、書きますよ!

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