第17話 昇格戦・天国と地獄

さあ、運命の昇格戦。

果たしてどうなるのか?

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 最終順位は3位だったため、上位リーグの下から3位との入れ替え戦に挑みます。

現在はどうなっているか知りませんが、リーグの上位2チームは自動昇格。同時に上位リーグの最下位2位までは自動降格。下位リーグの上位3位は下位3位と、4位はそれぞれ4位とホーム&アウェイで勝負を着けて、下位リーグは勝てば昇格、上位のチームは負ければ降格です。


 1部違うだけでサッカー協会などから配布されるチーム強化や施設維持等の為の金額の桁が変わってきます。当に天国と地獄。特に4と5部はぶっちゃけアマとプロのライン。試合に臨む誰もがヒリついています。僕はゾクゾクしてましたけどww この降格昇格を懸けた試合は、優勝決定戦並みに運命が別れ、荒れたりもするので、会場もメディアもピリピリですよ。初戦は相手チームのホームゲーム。僕らはアウェイでした。


 イングランド中部のAS・Vという呼び方にしておきましょうかね。相手のデータもしっかり頭に入れて、スタメンからの出場。典型的な守ってカウンターというチーム。先制すれば勝ったも同然。相手は前に出なければならないですからね。そこを今度はカウンター一閃です。これがリードしているときの定石。


「まずは先制点を取れ!」


 というJ監督からの指示もあり、僕らCC・FCは序盤から攻勢に転じました。相手も元名門というだけあってそこそこ大きめのスタジアム。でも僕は味方選手達に、


「アウェイだろうがやることは同じ。会場が違うだけと所詮文句を言って来るだけの烏合の衆が観客席にいるだけ。プレーを直接邪魔してくる訳じゃない。ビビるな!」


 とシーズンを通してずっと言って来ました。僕にとってはブーイングは勲章。文句を言って来るのは自分を怖がっているからだと思う様にしてました(笑) どこ吹く風ですよ。それでも3万人以上の観客数だったので、スタジアム内は異次元の様な雰囲気でしたね。震えましたよ。ワクワクしまくってw もう心の小宇宙は爆発してましたね。


 試合開始、記憶は結構曖昧なので、事実とズレがあるかもですが。開始から僕に2枚のマーカーをべったりつけてきました。まあ当然ですよね、中位以下に燻ぶってたチームを3位に上げた立役者。ゴール数もアシスト数も5部リーグトップのMVP。わかりやすく要注意人物。そりゃマークがつきますよね。でもね、学生時代から常にマンスリーマンを付けられていたんです。2人なんざ軽い軽い(笑) 運動量で振り回して前半終了の頃にはもうバテさせてました。

 試合は意外に相手が押して来て、多少押し込まれましたが、後半に疲れが見えて来たので、一気に攻勢に転じました。左右にボールを散らして、詰まったら貰いに行って、大きく逆サイドに一気にピンポイントのサイドチェンジして相手を揺さぶります。まあ後はラボーナ(※足を交差させて蹴るキック)なんかでクロスを上げたり、コーナーやFK、PKも蹴って、おちょくってましたね(笑)


 このサイドチェンジが僕は大得意だったんですよね。一気に相手のポジションがズレるから崩しやすいことこの上ない。もうマーカーは死んでたのでやりたい放題。5部にちょっと毛が生えた程度だなと、やっててすぐ分かりましたし。後半に入ると、持久力の差でもう僕の動きに着いて来れていませんでした。でもね、危険なエリアに侵入される前にファールで体ごと潰してくるんですよ。失点するよりはマシ、そういう考えはわかるけど、やってられん! そしてペナルティエリア外、ゴールから左約20mの位置で直接FKのチャンスを得ました。通常は右足で壁の上を巻いて右サイドに決めるんですが、僕は両脚蹴れます。左足で巻いてニアに突き刺すことも可能。


 でもどうせならまだシーズン通してやってないスキルを見せてやろうと思いました。左足で蹴る様に右から助走し、右足のアウトサイドで縦にカーブをかけて、右サイドに構えていたキーパーの逆を突き、左サイドに山なりに壁を超えてネットに突き刺してやりました! もうチームも味方観客席も狂喜乱舞。よっしゃ、狙い通り! しめしめと思いながら、相手サポーターに向けて人差し指を突き付けました。もっと取ってやるぜ! という挑発です。ですがやられたサポーターは静まり返る。この感触がたまらない! 性格悪いですよねー(笑) でもいいんです。オフェンスの選手はエゴイスト、ある意味頭がぶっ飛んでなければ極限状態での閃きなんて起こせませんからね。


 もうここで負けたら、アウェイを不利なリードで迎えなくてはならない相手はガンガン攻めてきました。思うツボです。僕のマークも緩んできたので、攻めさせて奪い取ったボールが、スピードがある僕をカウンター要員にしたフォーメーション、前線に残っていた所に飛んで来ました。ラッキー! 胸トラップで、後ろに着いていたマーカーを入れ替わる様に躱し、もう独走状態、かと思ったときその躱した最終ラインのDFが僕の右足に、試合を決められるならファールででも止めるっていう様な、脚を刈るタックルをしてきました。

 踏み出そうとした右足首だったので、思いっきり前にごろんごろんと転倒しました。捻挫、要は靭帯の軽い損傷です。そいつにはレッドカードが出されて一発退場。ウチのチームは怒り狂ってそいつや審判に詰め寄ります。僕はその試合ずっとファールを受けていたし、その時は結構痛かったので、そこで交代を告げられ、担架で退場です。ここで2点目が取れていたらホームゲームはかなり楽になっていた。腹立ちましたね。全治1週間。来週のホーム戦までのギリギリまで、僕はリハビリと上半身主体のトレーニングで過ごすことになりました。


 入れ替え戦初戦アウェイ1-0。次の試合で昇格が決まりますが、恐らくベンチスタート。入れ替え戦の相手の闘志の激しさをその時初めて経験しましたね。


 次週、昇格か残留か、運命の神様は中々の試練を与えてくれますね。


 今回僕が決めたアウトサイドでのFKは中々動画がなかったです。流れの中でのならこんなのですが、

https://www.youtube.com/watch?v=aOKYcMPB7P8


 後、ラボーナはこんなキックです。このクアレスマという選手、動画を見て、当時の僕と結構似てるプレーしてるなあと(この人の方が勿論うまいですよ)思いました。イメージして貰えると嬉しいですね。

https://www.youtube.com/watch?v=nGgPyKh-g7E


 一応ノートにも載せてます。



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さあ大切な試合前に軽いけど怪我。ピンチです!

次の決定戦はどうなるのか?

KAZUDONAストーリーはどうなっていくのか?

続きが気になる方はどうぞコメントを御願いします。

応援してくれると頑張れます!

当時のことを思い出すと、心に来るものがあって、今でも涙が出るんです。

皆様の応援が書き続ける気力になります。

よろしくお願いします。


で、そんな僕が連載しているファンタジーです。良ければこちらも眺めてやってください! お願いします!

OVERKILL(オーバーキル)~世界が変わろうと巻き込まれ体質は変わらない~

https://kakuyomu.jp/works/16817330653523704177


ではまた次回・・・、書きますよ


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