超カオスな時代・高校、ユース時代

第5話 意識の違いの断層

高校時代、ここからが血反吐を吐いたなあ。

キツかったなあ

色々と大きな変化が起きました。


----------------------------------------------------------------------------------------


 公立に入学して、まあT先生の高校の指導者への声かけもあって、練習初日から僕は「超スーパールーキー」、「特待を蹴ってまで来た全国経験者」と言われ、グラウンドに人が押しかけてきていました。同じ中学の先輩たち、そこまでのレベルではないけど、もいたので、比較的すぐに馴染めました。

 GWの合宿にはもうレギュラーチームで10番でした。自分の調子もよく、まあ順調かもなあとか思ってましたが、中学にサッカー部がないとか、初心者とか、へったくそな先輩、だが威張る、そういう連中との付き合いがクソウザかったです。ああー、T先生の教えを受けた自分のレベルはここまで上がっていたのかと、感謝する一方、サークル感覚でプレーしている腐った連中とかから、いきなり10番でレギュラーになったやっかみが、もう凄かったです。


 僕はずっとKAZUとあだ名で呼ばれてきていましたが、雑魚先輩が


「なあ、KAZUー」

「なんすか?」

「って日本代表で活躍してるよなー、お前じゃなくて(笑)」


 キングカズを引き合いに出して嫌がらせをしてくる小物がいっぱいいました。そいつらは僕のことを絶対に名字で呼んで来ました。ぶっちゃけどうでもいいけど、何が楽しいのかさっぱり分かりませんでした。そして練習や試合、他校の選手とはここまでの技術やメンタルの差があるのか……、それを痛感しましたね。まずまともなリターンパスが帰ってこない。視野が狭すぎて大声で呼んでいるのに見えていないから獲られる、僕が出したパスが速過ぎると文句を言って来る。後は、ピッチでの僕の態度が気に入らない、試合中は時間の無駄なんで先輩だろうが呼び捨てしますし言いたいい指示も文句もタメ口。T先生の時代から染み付いていましたし、それが当然だった。僕も後輩には「試合中には呼び捨てでいい。時間の無駄だからな」と言って来ました。


「ピッチ内に上下関係持ち込む程低い意識でやってねえんだよ! そんなん気にしてるからおめーら下手なんだよ! 言われるのが嫌なら練習しろ、腐れ共が!」


 呼び出されて文句言われたときにそう言い切ってやりました。兎に角仲良しサッカーサークルみたいなノリなんですよ、そりゃ勝てんわwww 愕然としました。

 ですが自分自身が高いレベルのパフォーマンスを維持していれば、必ず道は開けるはず! そう信じて、自分に高い意識と負荷を掛けて、まあきっと無理してたんでしょうね。負けてもへらへらしている連中が見てられない、多分悔しくもないんだろうな、殺してえ、負け癖がつくとこうなるのか……、意識の違いって大きいなと。


 そしてそんな負荷が自分の体にダメージとして反動が返って来ました。夏前くらいの練習中、当時は体格差とか考えずに適当に組んだ、明らかにウエイトが違う相手と筋トレしたり、まだ根性論の時代でしたから。成長期だった自分は、突然両膝がとんでもない焼ける様な痛みが襲ってきたことに違和感を感じました。パートナーの同じ中学だったやつが、


「KAZU、お前顔真っ青やぞ! どうしたんか?!」

「ああ、何か急に両膝が焼ける様に痛くなって、動けないんよ」

「顧問に言って来るから座っとけ!」

「悪い……」


 その間もどんどん痛くなってきます。膝下の成長軟骨なので、オスグッドかなと疑いました。でも骨が隆起して飛び出してきている様には見えない、そして兎に角吐きそうなほど痛い。ピッチに寝転びました。起きてたら痛みで意識が飛びそうだったので。

 そしてみんなに運ばれて、呼ばれてきた救急車に乗せられて、顧問同伴で大きな、いつも自分がかかっていたスポーツドクターのところにいきました。この時の記憶はもう膝が痛すぎて、冷や汗が止まらなくて、あまり覚えてません。曲げたら痛いとかじゃなくて、常に痛いんです。何もしなくても痛いんです、発狂しそうでした。夜、痛くて寝れないんですよ。膝が焼け付くみたいで。


「オスグッドならまだ救いはあるが、KAZU、お前の成長軟骨は隆起どころか、キックの時のインパクトの衝撃が強すぎて、ここ以外もだが骨格自体が筋力に耐えられてない、膝の成長軟骨が疲労骨折も含め、剥離はくり骨折(骨が剥がれていた)の症状だ。成長期が終わるまで最低半年はボールに触るな。本来なら入院して即手術だが、お前には学校がある、入院したら高校の単位とかに響く。しかも両脚だ。おそらくこれ程の剥離骨折、伸長が止まる可能性がある程の重症だ。手術して釘で無理矢理結合させることもできるが、それをやると、成長が確実に止まる、だから通って電気治療を受ける方法で治そう、それなら学校の単位は取れるしな」


 確かこんな感じでしたかね、麻酔、痛み止めを打ってもらい、薬も貰って、その日から、いきなりリハビリの日々になってしまったんですよ。新人戦で入学直後に県内優勝し、トップチームでも勝率は8割くらい、毎日ノートに記録してましたからね、課題とその強化、練習内容、自分の出来などなど。ものすごい数が多分まだ実家にねむっているかも…? 毎試合ゴールは決めてアシストもして、攻撃に守備に一試合の運動量は選抜で測ったとき平均10㎞以上、高校は40分ハーフ80分です。一試合やった後、3㎏平均で体重が減ります。成長期でまだ体が出来上がってなかった自分は、そういう自らの激しいプレーで体を、膝をぶっ壊しました。膝だけでなく、肩、脚の付け根の腰骨、気が抜けた自分に一気に今迄の負荷がし掛かってきました。全身が、骨格が悲鳴を上げたんですね。確かにハードなスケジュールだったし。


 次の日から、毎日松葉づえです。痛くて階段も登れない。痛みに耐えながら冷や汗ダラダラ流しながら階段を昇ってました。たまに居合わせた友人が負ぶってくれましたけどね。そしてそれが漸く落ち着いてきて、高校選手権予選の少し前に復帰しました。高校選手権は、僕はこの時の一年生の時しか出場してません。それまでに何とか闘えるコンディションを作って、キツかったなあという記憶しかないですねw そしてこの選手権が一つのポイントでした。


 コンディションは何とか間に合わせましたが、テーピングまみれ、ミイラ男ですよ(※ノートに写真を載せてます)。それでも顧問は僕を使います。僕はまだ最高とは言えないコンディションで、これまで怪我もなく練習して来た部員の出番を奪うことになりました。決勝で負けました。出場したら何十年ぶりの快挙と言われていましたけど、準決勝で、相手の悪質な膝蹴りがアバラに入り、骨折しました。無酸素運動、要はダッシュはできるけど、有酸素運動、ジョギングする度に折れた肋骨が肺を傷つけるんですよ。息ができないんです。また救急車ですよ。ドクターの先生に、


「お前は本当によー怪我するなー、プロになる前に体イカレるぞ」

 

 まああんまり栄養状態も良いとは言えない家庭でしたからね。もう母子家庭だったし。仕方なく決勝で0-1、同じ中学出身の先輩達はかなり頑張って守ったと思います、でも自分があのピッチにいたらなあ……、思い上がりかも知れないけど、少なくともあそこ迄追い込まれることはなかった。攻撃も機能したはず。でももう机上の空論ですね。


 レギュラー陣はほとんどウチの中学の先輩だったので、逆に


「勝てなくてすまんな、お前を全国に連れて行けなくて悪かった」


 と、逆に僕に謝ってくれました。僕の一度だけの高校選手権は終わりました。そして、決勝で勝てなかったのは、その前に怪我をしたアイツのせいだ、そういう声が1,2年の連中からは挙がり始めていました。

 また怪我をした自分は病院通いです。でもある程度治ったら、直ぐにトップチームに選出される。まあ毎日部活やってる連中からは、「あいつは絶対に出してもらえる、不公平だ」そういう妬みやら嫉妬の感情が自分に向けられる様になってきました。気持ちはわかりますよ。自分でもきっとあいつはいいなあって思うでしょう。

 でも拒んでも顧問が出ろって言うんだから出るしかないんですよ。コンディションが悪くても。この頃は捻挫や肉離れやら、立て続けに怪我に見舞われていました。特別扱いを受けている自分に対して不満が出るのは今となれば当然だったんでしょうね。そんな非生産的なこと考えるなら自分の実力上げろって話ですけどww


 そうして僕は部活内で孤立していくようになっていきました。最初からトップチームで練習してたから、同期と一緒にあんまりプレーしてないんですよ。コミュニケーション不足でしたね。それでも僕が活躍してた時にはゴマ擦って来た連中です。同じ中学で全国経験者の連中だけは、それまでの僕を知っているので、味方になってくれましたが、T先生の指導の格差にやる気を失ってどんどん辞めていきました。


 高校一年目、ちゃんとプレーできた時間はほんの数か月でした。でも腐りませんでしたよ。腐ったら終わりですから。家で筋トレとかしながらサッカーのセリエA(※当時はイタリアリーグが世界最高峰のレベルでした)の試合やマラドーナのビデオを何度も見て、常にイメージトレーニングはしていましたから。


 そんな時、病院帰りに中3の時に結構好きだったSちゃんに偶然再会しました。実は結構家近かったんですよね(笑) あ、どうでもいい? すみませんw



------------------------------------------------------------------------------------------------ 


一年目からこういう酷い感じで、プロへの道はどうなるんだろう?

先が気になる方や、色々と感じることがあればコメントを頂けると、

当時の自分も報われますw 相当悔しかった時期です。

よろしくお願い致します!


んで、そんな僕が連載しているファンタジーです。良ければ眺めてやってください!

OVERKILL(オーバーキル)~世界が変わろうと巻き込まれ体質は変わらない~

https://kakuyomu.jp/works/16817330653523704177


ではまた次回・・・、うん多分書くかなあーきついんだよなこの時期がww










  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る