ＫＡＣ20248 メガネをかけていなくてかんちがい？「押してもらって良いですか？」

第1話 メガネをかけないからだぞ！エレベーターの中の脅迫（きょうはく）言葉って、知ってますか？

　これって、ミステリーな言葉だ。

「押してもらって良いですか」

あなたがエレベーターに乗っていると、高齢者がやってきた。

　「あ、待ってぇ。メガネかけていないから、良く見えないのよねぇ」

何だ、それ。

メガネ、かけてこいよ！

あきれてしまうが、あたたかく迎え入れてあげないと、きっとこう言われるだけ。

「高齢者を大切にしろ！」

面倒、だなぁ。

問題は、その高齢者がこう言ってきたとき。

　「○階（のボタン）を押してもらって、良いですか」

　メガネをかけていないから、目の前が良く見えないらしい。

「閉まる（のボタン）を押してもらって、良いですか」

　「…」

仕方なく、ボタンを押してあげる。

他人に仕事をさせ、お礼を言わない高齢者もいるし。

「やってくれて当たり前」

たぶん、そう思っている。

「…困ったわぁ。メガネ、かけてくれば良かった」

また、それ？

「○（のボタン）を押してもらって、良いですか」

それを、脅迫（きょうはく）言葉というらしい。

「押してください」

そう言われたのなら、フツーに拒否できる。

　「ごめんなさい。できません。手が、ふさがっているんです」

　ほら。

でも、こう言われたら？

　「押してもらって良いですか」

　あれ？

　なぜか、「できません」って言いにくくなるんだな。

　ミステリー、ミステリー。

だから、脅迫（きょうはく）の言葉。

　まわりから大切にしてもらえるのが当たり前だと思っている人が、使いがち。

丁寧な言い方だと思っている人も、使いがち。

　「押してもらって良いですか」

　上から目線にも感じられて、怖い。

　しかーし！

　この言い方も、怖いぞ！

　あなたの目の前に、すっぱだかでメガネを「かけている」高齢者が立っていたとする。

　（そういうことになった理由は、考えずに）

　その高齢者に、こう言われたら？

「押してもらって良いですか？」

メガネ女性が好きな男子なら、どう言い返す？

　高齢者が、あなたの手を握り…。

　「ここを、押すんじゃあー！」

　あなたの手は、高齢者の…。

　ごめんなさい。