第13話

「さて…どうしたものか」


ウルハを仲間にいれた京たちは、その場で佇んでいた。


「門を開けないと先に進めなさそうだね」

「やっぱカギを取り返さないと先に進めないみたいだな」

「あの化け物から取り返すしかないのか?」

「他に進める道があればいいけど……」


「左の道は化け物が二人いて、その先は行き止まりだったよね……」

「この後ろは崖だしな……。」

「どうする?もたもたしていると奴らがまた戻ってくるぞ」

「どちらにしろあの化け物を倒してカギを奪い返さないといけない。」


ドッドッドッ……

崖の方への道から足音が聞こえてくる。

「やばい…1体戻ってきやがった」

「とりあえず洞穴に戻ろう」

京たちは小さな洞穴に入り、身をひそめる。


化け物が京たちのいるエリアまで戻ってきた。

そして化け物は分かれ道の前に立ち止まる。


「スンスン……」

化け物はにおいをかぎ始めた。


「何してんだアイツ……」

「早く行ってくれ……」


ドッドッドッ


化け物が京たちの方へ歩いてくる。


「まずい…こっちくるぞ!?」

化け物が京たちの前までやってきた!


「くそっ!!」

京は洞穴から飛び出し、化け物に蹴りを入れる!!

化け物は蹴られた後、京の足を手でつかむ!


「離せ!!」

かぎ爪で化け物の腕を突き刺す!


「グオッ!?」

化け物は京の足を掴んでいた手を離す!

化け物が怯んだところを手越が盾で化け物の頭を殴る!

そして京もかぎ爪で化け物の体を斬っていく!

京と手越が化け物と戦っている背後からもう一体の化け物が襲ってきた!


「もう一体来やがった!?」

背後から来た化け物が愛海たちへ襲い掛かる!

手越が愛海たちの前に入り、化け物の攻撃を防ぐ!


「あれは!?」

ウルハは化け物の腰にカギがついていることに気づく!

ウルハは走り出し、化け物からカギをとろうとする!

化け物がそれに気づき、ウルハを腕でたたく!!


「があッ!?」

「ウルハ!?」

手越は倒れたウルハの前に立ち、盾で化け物の攻撃を防ぐ!!

ウルハの頭からダラダラと血が流れていく……。

愛海は倒れたウルハへ近づき、即座に薬を飲ませる!


一方京は化け物の攻撃を何とか避けていくが、押されて劣勢になっていた。


「くっ!?」


京はワイヤーを投げて、壁にかぎ爪をかける。そして壁の方へワイヤーで進んでいく!

化け物は京を追いかけて走っていく!

それに気づいた京は、またワイヤーを別方向へ投げて、壁ににかぎ爪をかけてその場を移動する!

うまく化け物の背後をとり、かぎ爪で化け物を斬りつける!!


「グガアアアア!?」

化け物は倒れ、京は手越たちの方へ向かう!


手越が盾で化け物に応戦しているところに、京が背後からワイヤーで化け物の首を絞める!!

「アギャアアアア!!」


京はぐいぐいとワイヤーで化け物の首を絞めていく!

化け物が弱ったところに手越が盾で化け物の脳天を叩く!

化け物は失神し、その場で倒れる!


「何とか…なったな。」

「二人とも大丈夫!?」

愛海は薬を京と手越に渡す。


「大丈夫だ。ケガはない」


ウルハは倒れた化け物からカギを取り出す。

「カギ、取ったぞ」

「お…まじか。やった。」

「また化け物が来るかもしれない。早く門へ向かおうか」

京と手越は薬を飲みほし、立ち上がる。


「すごいな…体力も戻ってきた。」

「疲れにも効くんだな。万能すぎる!」

「二人のお役に立てて何より。さ、行きましょ!」

京たちは門に向かって歩き出す。

それから何事もなく、門にたどり着いた。


手越が鍵を持って門の前に立つ。

「よし…開けてみるぞ」

手越はカギを門のカギ穴へ差し込む。

「入った……!」


ガチャッ!!


門のロックが解除された。

京と手越は力を合わせて門を押す。


ギギギ……


門が開かれていく……!

門の先は外であり、一本の道が続いていた。

そして一本の道の先には大きな塔が一つ見える。


「水晶はあの塔の方向を指しているな…」

「あの塔へ行けってことか」


京たちは目の前にある塔へ進んでいった。

塔にたどり着き、中へ入っていく。


塔の中は広く、真ん中に大きな階段あり。

階段の先にはドアが一つ。そしてその真上には巨大なモニターが設置されていた。

階段を上がると、扉の両側面に牢屋が二つ並んでいた。

そして牢屋には何人か人が入っていた。


「出してくれー!!」

牢屋にいる人間たちが京たちを見ては騒ぎ出す!


「なんだ!?」

「牢屋に人が…」


牢屋にいる人間たちはガシャガシャと鉄格子を両手で揺らす。

「お前らカギは!?カギは無いのか!?」


「カギ?もしかしてさっきの扉の鍵が必要なのか!?」


タタタ……

「ん?」

ウルハは後ろからの足音に気づき、後ろへ振り返る。

そこには別のプレイヤーが6人この塔の中に入ってきた。


京たちは後ろへ振り向くと、そこには1人見たことのある男がいた。

「お前は!?」

「なっ何故生きている!?」

その男は京と愛海を橋から崖へ落としたメガネの男だった。


「この野郎!!」

京はメガネの男を見てはすぐに殴りかかる!!

「メガネの男の前にガタイの良い男が京のこぶしを受け止める!」

「何!?」

「いきなり殴ってくるとは…野蛮だな」


「野蛮もくそもあるかこの野郎!!」

「お前に殺されかけたんだぞ!!」


「なんだこいつは?」

メガネの男の隣にいたマッチョな男が口を開いた。

「なあに…途中で出会ったプレイヤーたちだ。変な因縁をつけられているみたいだ。」


「こいつ!!離せ!!」

大男に掴まれた京のこぶしは一向に抜けない。


「ここで仁と喧嘩するのは辞めろ。さもなくば、この腕ごとへし折るぞ?」

「なんだと!?」

「やめて!!」

愛海が叫ぶ。


しかし、大男は握る力を徐々に加えていく!!


「ここでプレイヤー同士が争って何になる?ここまで来たのだからその意味はわかるだろ?ん?」

「ッ…」


「もうその手を離してやってくれないか」

手越が大男の肩をポンと叩く。

「お前も京の腕をへし折ることに意味は無いだろうよ。」

「……」

大男は京の手を離し、京は後ろへ転ぶ。


「京!大丈夫!?」

「大丈夫だ……」


京と愛海の前にメガネの男が立つ。メガネの男の名は仁。

この6人グループの頭を張っていた。

仁は京たちを見下ろす。

「……ここで争うことはお互いにメリットは無い」

「過去のことは謝るよ二人とも。ここは協力してここを突破しようじゃないか。」

「なあ?京君」


「てめえ!!」

「やめろ京。落ち着け。」

手越が京を背後から捕まえて抑える。


「くっそおおお……」


「フンッ……」

京とメガネの男がにらみ合っている中、突如、

扉の上にある巨大なモニターが光りだす!


フィイイイイイン!!


「なんだ!?」

「モニターがついたぞ!?」

モニターには死神イズの姿が映し出された!


「ハローハローえぶりわん!」

「あいつは…イズ!?」


モニターには京が遭遇した死神イズの顔が映し出されていた。

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