第1話
京
「どこだここ…?」
京は暗闇の中に一人ポツンとたたずんでいた。
彼の名前は田辺 京。今年で中学3年生になる。
彼は今、見ず知らずの場所に佇んでいた。
辺りを見渡すが、どこを振り向いても真っ暗で何も見えない。
「やあ」
突然後ろから声をかけられた。
京はビクッとなり、声がする方へ振り向く!
そこには一人の女性が立っていた。
女性は黒いワンピースを着ており、上には赤黒いロープを羽織っていた。
そして右手には大きな鎌を持っており、
その姿はまるで死神のようだ。
京
「誰だ!?」
京は女性に問いかける。
「私の名前はイズ。はじめまして田辺 京さん」
京
「何故俺の名前を…おまえは誰だ!?」
イズ
「私は見ての通り死神です!」
京
「はあ?死神…?」
イズ
「うん!ほら見てこれ!鎌!!」
イズは手に持っている鎌を京に見せびらかす。
京
「……お前まさかコスプレイヤーか何か?」
イズ
「違うよ!ほらこの鎌を見れば、どっからどうみても死神でしょ!?」
京
「そんなもん見たって信じられるかよ!」
「作りもんだろどうせ!」
イズ
「作り物かどうかはこれを見てから言ってよね!」
イズは鎌を振り上げ、そして地面へ叩きつける!
バキィッ!!
鎌の先端に触れた地面に亀裂が入り、
京とイズの足場がボロボロに砕けていく!!
京
「うわああああ!?」
京は足場を失い、落下していく!
イズは京に向って飛び出す!
そして京を片手で担ぎ、そして地面へ飛び上がる!
京
「…な…なんだこれ……」
イズ
「どう?信じてくれた?」
京
「もしかしてこれ…夢か……?」
イズ
「夢じゃないよ。ほら、自分のお腹の傷を見て」
京はハッと気づくように自分の腹を見る。
腹には銃弾が撃ち込まれた跡があり、服には穴があいていた。
京は自分のお腹を片手でさする。
京
「あれ…俺は……確か」
「ッ……ダメだ……思い出せない……」
イズ
「そうか。あなたまだ記憶が戻ってないのね」
「それなら思い出させてあげるね」
イズは右手で京の額を触る。
京
「何を!?」
イズ
「あなたの記憶を呼び起こすわ」
フイイイイイイン……!
イズの右手が光りだす!
そして京は脳内にここに来るまでの記憶が映し出される。
彼の家族と共に豪華客船に乗る場面が映し出されていた。
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