妄想好き高校生が満員電車で偶然つけた能力《チカラ》の正しい使い方が悩ましい

ちゃとぴ

第1話 プロローグ (通学編)

 海谷貴史ウミタニタカシは東京近郊から私鉄を使って都内の私立京邦高校に通っている2年生だ。

毎朝、自宅から徒歩10分の浦宮駅から上り電車に乗車し、1回の乗り換えの後、急行を使って高校のある黒込駅まで1時間ほどの道のりを通学している。

 季節は4月中旬、この時期の朝7時台の上り電車は、新入学生や新社会人が多く乗車しており、最も混み合っている。

朝のこの混雑もGWを過ぎれば通学通勤に慣れてくるためか、時間帯が分散して少しは空いている日がでてくるのだが、特に今日のような月曜の朝は、学生も社会人も早めの時間帯に集中し、隣りの客と密着して身動きがとれないほど混み合っている。

 タカシは去年、地元の公立中から受験して京邦高校に入学し、この4月から電車通学2年目になったが、去年まで苦痛に感じていた朝の混雑が今は全く苦にならず、むしろ楽しささえ感じている。

なぜなら、タカシにはその密集状態を楽しみに変えるだけの習慣ができたから・・


※この後のストーリー中には登場人物の心のつぶやきや妄想が多く入ります。

 実際の発言と区別するために、実際の発言は「」や『』で表現し、発言されていない心の呟きや妄想は()で表現することにさせて頂きます。

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