第49話だ、だけどここは最深部
「ダメージ・コントロール!」
魔王フアトロはスキルを使い必死の形相で駆逐飛空艦、奇城
攻撃役たるジャックがいなければもはや逃げるしかない。
「2番修復、4番修復、ふふふっ。まだまだぁ……」
どうにか退避できる目途が立とうとしたとき、急にフアトロは寒気を感じた。
フアトロは何事かとシステムメッセージを見た。
見てしまった。
システム:
システム:
システム:
システム:
システム:魔王フアトロは何者かにDOT攻撃を受けました。
システム:
システム:魔王フアトロは何者かにDOT攻撃を受けました。
システム:
システム:魔王フアトロは何者かにDOT攻撃を受けました。
システム:
システム:魔王フアトロは何者かにDOT攻撃を受けました。
システム:
システム:魔王フアトロは状態異常、悪寒が発動しました。
システム:魔王フアトロは何者かにDOT攻撃を受けました。
………………
………
…
そんなメッセージが延々と続き、今もなお継続中だ。
まさか……、ただの艦に萌えているというのか?
一体誰が? さすがに駆逐艦に萌えるとかHENTAIすぎるだろう。
フアトロは思い出す。ヤツしかいない。
それは、あのHENTAI以外にあり得ない。
やつの≪視姦の魔眼≫以外には――
このままではまずい……
だが逃げおおせれば何とか――
ここは駆逐飛空艦、奇城
DOT以外の攻撃など食らうはずもないのだ。
逃げることなど容易なはず――
(しかし、一体どこから――)
駆逐艦の魔導カメラを回すと、街の中心部で魔王リナの参謀たるサピエがスコップを手に何かを詠唱していた。
スコップ――
それはドイツ人であれば塹壕を作らずには入れられない愛と勇気のアイテムである。
「有象無象の区別なく――
あんまりない――」
大きくサピエはそのスコップを振りかぶる。
そこに自励された大量の魔力の光が現れる――
それは、オーダの三段落ちの最後を飾る3段目のオチにふさわしいほどの威力を秘めていると容易に理解できてしまう。
大次点魔王が三段オチ――。その最後を持って2x3=大六天魔王となす。そんなフィナーレを飾る攻撃だ。
(あれは、あの光は――まさか――)
あんなものを投げつけてどうなるというのだろうか。
だが、それが
『掘る』ことに特化したそのアイテム、スコップ。
そして、おっぱい揉みくだし師というクラス。
「……だ、だけどここは最深部、ここまでたどり着くことなんてそう易々できるわけ……」
しかし、フアトロを思い出してしまった。
人類を新世界に導く白い悪魔という称号――
すべては、あれがキケンだということを雄弁に語っていた。
(あぁ……、もしあれが繰り出されたら……)
フアトロはあのHENTAIにおっぱいを揉みくだされたことを思い出した。
思い出しながらフアトロの瞳の瞳孔が小さくなる。目の前が真っ暗になる。
「あぁ、あぁぁぁぁ―――」
サピエの詠唱は続く――
「そうあんまりない、あんまりないのだ!!
喰らうがよい! これで終わりだ!
おっぱい揉みくだ師がぁぁ、
ほるすぅぅ~☆ カリバーぁぁぁ!!
ミ===卍(┌^p^)卍」
放たれた弾丸はまさにBOMというべき恐るべき威力を誇り、駆逐飛空艦、奇城
あのおぞましい体験は、実に――――新世界だ。
「いや……いや、いやぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
その声が、魔王フアトロの最後であった。
本日の汚い花火、ケツからファイヤーが炸裂する。
≪傲慢之魔王たる魔王≫フアトロ、撃破!
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