異世界転移したけど神様と一緒に居るので問題ありません!

柏陽シャル

第1話 まさかの転移

 「ゲーム楽しいなぁ、やっぱりオープンワールドゲームとソシャゲ要素を組み合わせたこのゲームは最高だ!でも、この前爆死したな…」

私が今ハマっているのは初神、古参って訳ではないが二年はやり込んでいる。

 私は何時ものように学校をサボってゲームをしている、いじめが原因で不登校になった私は親とは縁を切られ高校生ながら一人暮らしだ。

 ゲームをやり込んで早二年、私には最強の環境が出来ていた…強いて言うならば親から貰うはずの愛情、友から貰う友情、そんなものは無いただそれだけが心残りだった。

 「あっ!また爆死した!何でかなーまたすり抜けだよ〜」

椅子にもたれかけた時、私は視界が暗転した。



 「ん…?ふあぁ、流石に五徹は不味かったかな…って、ここどこ!?」

目が覚めたらそこは知らない場所、私のゲーム達はどこ!?何百万と課金したあのデータはもう無いってか。

「これは、あれか?よくある異世界転移とか言うやつか?いいやそれ以外有り得ないね」

そんな事を言いながら私は自分の持ち物を確認する、あるのはポッケに入れてたスマホと服に掛けてたメガネ…金は無い、まず日本円は使えないか。

「スマホ…ネット使えるのか?」

画面を開くとネットは繋がっていた。

「繋がってるのかよ、あるのかよネット、いやおかしいだろ…ここは技術でも進んでるのか?」

異世界なのかも怪しいが、異世界なのだろう。

「魔法とか使えんのかな、異世界恒例の魔法、使ってみたいなぁ」

『使えますよ』

「は?」

『だから、使えますよって』

「いや、あんた誰だし」

『私ですか?私はこの世界の神、全能神ファムルと申します』

でたよ、お得意の神様。そういや、魔法使えるって言ってた?全能って…全知全能では無いんだな、流石にゼウスは超えれないか。いや、侮辱はしてないけど。

「でも、魔法ってどうやって出すの?」

『魔法はこの世界にあるマナと身体の中にある魔力が合わさって出すことが出来ます。相性が良ければ魔法が使いやすいです』

「ほぇ~、でも呪文とか知らないよ。」

『ご安心下さい、貴方様のスマホに呪文を全て書いておきました、メモ帳をご覧下さい』

私は神様の言葉通りにスマホのメモ帳を開くと、呪文が広辞苑かと言うくらいに書かれていた。

「うげ、これ全部…あれ?でも相性が良ければって全部相性が良いわけではないでしょ?」

『そうですね、一般の人はそうです。でも貴方様は全属性使えますよ。勿論禁忌魔法も』

「おぉー、流石異世界。何でもありやな」

私は呪文を今から読もうと思い、メモ帳を見ると…何も分からない!何だこれは!何語!?

日本語にしてくれや。

「神様、これ読めないんだけど」

『服に掛けてある眼鏡を掛けてみて下さい。読めるようになりますよ』

「はい?いや、これ伊達眼鏡だし…てあれ?レンズがある!?」

お洒落で伊達眼鏡にしてたのに…レンズがあるだと。

私は眼鏡を掛けてスマホを見ると日本語になっていた、すっごい便利。

「読める…すげえ」

『この世界の住民との会話も日本語に聞こえるようになっています。話す時は相手の言葉と同じになりますよ。書く時も勝手にこの世界の言葉になりますのでご安心を』

「何だそのチート性能、めっちゃ便利ぃ」

異世界って案外楽?いやホントはそんな事無いんだろうな…

「神様、私の名前ってどうすればいいの?」

『日本のような国もありますが…ゲーム名でも問題ありませんよ』

「ほぉ、ならゲーム名のイルにしようかな」

『ええ、それでいいと思いますよ』

よーし、ある程度分かってきたぞ。ひとまず私はこの世界での適応能力は有るということだ。

「神様!」

…………………………………………………………………………………………………………………………

「え?神様どっか行った?」

まじかよ、神様どっか行っちゃった。話したいことまだあったのに…ううむ、仕方無いか。忙しいよなそうか忙しいもんな。

………それはそうとして、目の前にいるこのちっこい動物には触れたほうがいいのか?

私の目の前には異世界で言うフェンリルという生物に似たような動物がいた。さっきまで居なかったよね?

「えーと、お腹減ってるの?」

「………イル様!私はさっきまで話していたファムルですよ!」

「え、は?」

おいおい、神様来ちゃったよ。神様降臨ですかいマジかよ。

相棒が神様って私さてはこの世界の頂点に立てるのでは…?よくある、魔王討伐みたいなのやらされるんですかね、楽しければ良いけど…この世界はリスポーンは出来ない現実だと思わなくては。

「神様がオトモって普通にヤバいでしょ」

「問題無いですよ!私はただのフェンリルに見えるようになっているので!」

「はあ、にしても何で私の事、様呼びしてるの?」

「こちらでは神様という地位では無いので…まあ一つの国を破壊することは容易いですが」

「全能の神こえー」

何でもありだな異世界。

「にしても、全能って全知の神様は居るの?」

「勿論、おりますよ!私の妹です、それと此方に来ているので後で合流すると思います」

わお、あれ?私ってもしかしてこの世界で誰よりも強くね?おいおい楽ちん異世界かよ。私だけでも強いのに全知全能神様でもう最強じゃないか。

 これが私の異世界生活の始まりだった。

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