終焉の謳い手〜破壊の騎士と旋律の戦姫〜

第一部 第五章 設定資料 ※ネタバレ閲覧注意（推奨：第五章既読）

用語辞典⑤

　五十音別

　〈あ行〉

　・アイフェの棘（とげ）

　　鍔（つば）は翼を模（も）した造り、柄（つか）に双頭の蛇が絡みつくアディシェス帝国の象徴（シンボル）の意匠（いしょう）が凝（こ）らされたアインの武器。

　穿（うが）たれた者を死へと誘（いざな）う呪詛（じゅそ）が施されている。

　・魔律の加護（アデプト）

　中級魔術。氷属性、強化術。

　マナの伝達率を向上させ、魔術の威力を高める効果がある。

　・イリアのペンデュラム　その②

　小規模な〝慈愛の七つの円環アイアス・メディテイション〟の魔術が籠められたお守り。

　持ち主（ルーカス）の命の危機に発動した。

　・魔術阻害（インヒビション）

　魔術の神秘（しんぴ）はマナによって引き起こされる。

　人体にはマナを循環（じゅんかん）させ動かすための回路があるのだが、この回路が正常に作動しないようにする技術。

　一般的に罪人を捕らえる手錠の魔術器などに使われている。

　魔術での再現は非常に難しい。

　しかしロベルトは強化術の応用で回路の結点（けってん）に楔（くさび）を穿（うが）ち、マナの流れを断ち切る事で魔術の行使を阻害する秘技を会得（えとく）している。

　・荒れ狂う大海嘯（ヴァーグ・ヴォン・フェーン）

　大規模魔術。水属性。

　広範囲に荒れ狂う津波を発生させ、押し流す。

　・流れ星が見せる夢（エトワール・フィランテ・ル・レーヴ）

　ツァディーが新たに習得した能力。

　〝未来〟を、切り取って映写（えいしゃ）する力。

　また他者に夢という形でツァディーの視（み）た未来を観（み）せる事も可能とする。

　・闇の荊棘（オプス・レジュピーヌ）

　中級魔術。闇属性。

　無数の黒い棘を対象者へ放つ攻撃魔術。

　〈か行〉

　・カルディエヌ

　北の大神殿の手前に広がる森、天然の要害（ようがい）。

　道が整備されておらず、木々の合間に生い茂った高密度な茨（いばら）が人のみならず異物の侵入を拒（はば）む構造となっている。

　・氷翼の守護盾（グラス・プロテネージュ）

　中級魔術。氷属性。

　守護結界（ラプロテージュ）をアレンジしたシェリルの結界魔術。

　・神聖なる翼盾の恩寵（グラツィア・クリエール）

　神聖魔術。光属性。

　シンの行使する結界魔術。

　純白の翼を思わせる光の膜が対象者を守る。

　あらゆる災禍（さいか）を阻（はば）むと言われている。

　・慈悲の恩寵（グラツィア・メディ）

　シンの行使する治癒術。

　負傷の度合いに関わらず、一瞬にして治癒する規格外の能力（ちから）。

　・払暁と慈悲の恩寵（グラツィア・リベラルメディ）

　シンの行使する治癒術。

　浄化と治癒を兼ね備えている。

　・門（ゲート）　その④

　空間を繋ぎ、クリフォトより魔獣を呼び寄せる現象。

　アディシェス帝国、魔神（まじん）を心棒（しんぼう）するエクリプス教がこの現象に大きく絡んでおり、皇女ノーチェは易々と多数の門（ゲート）を発生させて見せた。

　〈さ行〉

　・守護聖域（サンクテュエール）

　領域魔術。無属性。

　結界魔術の一つ。【法王】の神秘（アルカナ）を宿した教皇のみが行使可能な秘技。

　展開した領域内の事象を内に留め、外への影響を遮断（しゃだん）出来る。

　戦闘の余波が宝珠の祭壇（セフィラ・アルタール）に及ばないように、とノエルが展開した。

　また結界を通じて浄化の光（ディ・ピュリフュイ）による治療を施す事も可能である。

　・力の加護（ジェアンテ）

　下級魔術。炎属性、強化術。

　一時的に腕力を増強する効果がある。

　・蹂躙せよ（シュトルムアングリフ）

　アイゼンの技。神秘（アルカナ）の力を纏（まと）わせた剣から、獅子を模した青白い灼熱のエネルギー派を放つ。

　・岩石の監獄（ソルス・ジェイル）

　中級魔術。地属性。

　隆起した壁の如き岩石が対象を覆い、最後に粉砕する魔術。

　〈た行〉

　・神の真意（ダアト）

　アルカディア神聖国・首都フェレティより北にある大神殿。

　深淵の地、隠されし神の真意（ダアト）というように、その存在を知っているのは世界の真実を知る者のみ。

　聖地巡礼（ペレグリヌス）の真なる終着点、神聖核（コア）が祀（まつ）られており惑星延命術式の心臓部である。

　地下の宝珠の祭壇（セフィラアルタール）は、ドーム状の広大な空間の一面が銀色に煌（きら）めく魔輝石（マナストーン）に覆われ、まるで森のように生い茂るそれが、俗世とは隔絶した幻想的な光景を生み出している。

　地下を埋め尽くす魔輝石（マナストーン）は、神聖核（コア）となった女教皇（ギーメル）達の命によって形成されたもの。

　・世界（タヴ）を呼び覚ました〝歌〟

　ゆりかごの替え歌、導きの謳（うた）。

　・葬送の神雷翼槍（ディ・フィネライユ・エクレランツェ）

　大規模魔術。雷/光属性。

　〝神翼の聖槍（ディ・エール・ジャベリン）〟と〝神聖なる雷光（ディ・アラージュ・エクレール）〟を掛け合わせたイリアの独創（オリジナル）魔術。

　照準を定めた対象を光の槍で貫き、トドメに紫電を落として焼き尽くす殲滅（せんめつ）魔術。

　・我が正義は此処に在り（ディ・レイヨン・リュミエール）

　ラメドの秘技。極大のエネルギー派を放ち、射線上の敵を消し飛ばす高威力の技。

　溜めに時間を要する。

　・闘気（とうき）

　人体の表皮にマナを纏（まと）わせる技。

　体術を主とする武闘家が好んで使い、拳や蹴りによる打撃の威力が強化される。

　熟練者が纏（まと）うマナは金色となり、テットの闘気は神秘（アルカナ）の力で強化されているのもあって結界魔術のような強度を誇（ほこ）った。

　〈な行〉

　〈は行〉

　・不死鳥（フェネクス）

　イリアとの戦闘でアインが使役した幻影。

　燃え盛る鶏冠（とさか）、反物（たんもの）のように長く伸びた尾羽、躯体（くたい）よりも大きな、炎と見間違わんばかりの翼（つばさ）を持つ魔鳥。

　伝承や御伽話（おとぎばなし）で語られる存在。

　復活を象徴する神鳥でもあり、不死性を持つと言われる。

　・炎の竜巻（フラム・トルネ）

　中級魔術。炎属性。

　渦巻く炎の柱が立ち昇り、対象を焼き尽くす。

　〈ま行〉

　・巨巌の鉄槌（マーテル・ドゥ・フェール）

　下級魔術。地属性。

　巨大な岩石が対象者へ向かって落ちる。

　・惑星延命術式（女神のゆりかご）と神聖核（コア）

　アインの手により宝珠（セフィラ）が失われ、稼働エネルギー不足となり不安定に。

　また疑似宝珠（ぎじセフィラ）に術式を浸食する仕込みがしてあり、瓦解の危機を迎えた。

　イリアが神聖核（コア）となることで当面のエネルギー不足は解消され、再起動時に疑似宝珠（ぎじセフィラ）による干渉も遮断（しゃだん）出来たため、事なきを得る。

　神聖核（コア）となる儀式は、【女教皇（ギーメル）】と女神の血族に伝わる〝歌〟をコードに成立する。

　〈や行〉

　〈ら行〉

　・穏やかな時に（ラ・カルム・ロルスク）

　上級魔術。時空属性。

　対象の時の流れを止めて拘束する魔術。

　術者の力量に左右されるが効果時間は数秒程度と長くない。

　・慧眼の加護（ラクラルテ）

　中級魔術。光属性、強化術。

　視力を強化する。通常では見えないマナやその他の物質の微細な動きまで見えるようになる。

　視覚から取り入れる情報が増える為、脳への負担が大きく長時間の使用は厳禁。

　・治癒の慈雨（ラ・メディ）

　中級治癒術。

　銀色に輝く露（つゆ）のようなマナが傷を癒す。

　・白南風の烈風（ランヴェルセ）

　上級魔術。風属性。

　一点を起点に渦巻く烈風が広範囲に吹き荒（すさ）ぶ。

　・術式改変（リベレイション）

　術式を書き換え、世界中のマナをゆりかごの稼働エネルギーに用（もち）いようとしたノエルの計画の呼称。

　・紅眼（ルージュ）とエターク王家

　エターク王国は魔神（まじん）の権能（けんのう）〝破壊の力〟を奪ってその身に封じた【世界（タヴ）】の子孫が興（おこ）した国であり、王家はタヴの血筋。

　紅眼（ルージュ）は魔神の力の影響で、血によって男子のみが封印＝世界の神秘（アルカナ）を人知れず継いできたという背景がある。

　・黄金眼（レジュードール）　その②

　アディシェス皇族（こうぞく）の象徴（しょうちょう）。

　魔神の祝福を受けた証である。

　・魔防結界（レツェルプロテージュ）

　中級魔術。無属性。

　結界魔術の一つ。魔術の防御に特化した防壁を展開する。

　・復活（レナサンス）

　【審判（しんぱん）】の命を対価に、一度限り使える秘奥（ひおう）。

　病や怪我など、命を蝕（むしば）む全ての厄（やく）を【審判】が引き受けて、対象者を復活させる蘇生術。

　履行（りこう）には多くの制約、【審判】との絆、復活のための器と魂が健在であること、等があり、命を対価にする事もあっておいそれと使える技ではない。

　・烈震せし大地（ロシェルラルム）

　中級魔術。地属性。

　大地を割り、割れ目へ対象者を引きずり込む。

　〈わ行〉