≪第四章≫

 ★第四章



 ・船上での告白


 これもルーカスの暴走が原因。

 予定ではパール神殿での出来事の後、世界の真実を知ってそのまま告白の流れだったのですが、「真実を思い出して、弱っている彼女に付け入るのは卑怯ひきょうだ」とルーカスに言われました……。

 結果的にこのタイミングで良かったと思います。

 イリアの想いもちゃんとルーカスに向いてましたし。

 そしてこの二人、要所で「うん」を「ん」と言い合うのですが、砕けた感じがまた良いですよね。

 記憶喪失の時にはなかった距離感。

 髪型は独占欲丸出しです。




 ・彼は私を光へ導き、光をもたらす者。


 ルーカス/Lucasラテン語で光。光をもたらす者、光を運ぶ者。

 リュカとも読めます。Lukeも同一の意味を持ちますね。

 物語を、そしてイリアを光へ導く者として命名しています。




 ・(ナビアでの任務を終えて、公爵家の邸宅へ帰ったら……その時にでも)


 フラグです。叶う事はなかった。




 ・「少しくらい良いじゃないすか。ね、イリアさん?」


 二人のロマンスを聞きたがるハーシェル。

 短編で追加したルーカスの暴走を経ての言葉だと思うと、異様にイリアが取り乱しているのも納得かと。




 ・イリアの詠唱歌に呼応して、瘴気しょうきとなったマナが銀色の輝きを取り戻すシーン


 太陽の神秘アルカナが持つ浄化の力で、瘴気を浄化出来ることの伏線です。




 ・宝珠の祭壇セフィラ・アルタール前の壁画


 何が描かれているのかまで描写してないのですが、この先第二部への伏線だったりします。




 ・宝珠セフィラの数


 全部で十としていますが、実は神の真意ダアトの物と合わせると十一あります。

 何故、数に差異があるのか?

 これも第二部への伏線ですね。




 ・惑星延命術式、アルカディアとクリフォト


 頂いたコメントで説明不足だったな、と思ったのでこちらでも補足を。

 惑星を守る結界は魔神の侵略=クリフォトに融合させられそうなアルカディアを守るために張られたものです。

 マナが魔神の力に汚染されて変じる瘴気から人々を守る役割もあります。

 瘴気を過剰に取り込んだ動物は魔獣になる。

 そして人が取り込んだ場合は、少し先のアイシャの例ですね。

 瘴気に体が蝕まれてマナの流れが淀み、臓器が機能不全を起こして死に至ります。


 アルカディアに住む人々にとって、瘴気は毒でしかありません。

 結界がないと存続不可、故に〝延命〟と命名されているのです。


 魔神をどうにか出来れば良かったのですが、女神様の力では討滅する事は叶わなかった。

 苦肉の策として結界を展開した、という流れです。

 このシステムを約千五百年維持してきたのは凄いですね。




 ・イルディリア・フィーネ・エスペランド


 イリアの真名まな

 フィーネ→音楽で、楽曲の終始を表す用語。

 エスペランド→スペイン語、光輝、栄華などの意味があります。




 ・「君こそ俺にとっての光」


 イリアにとってルーカスが光であるように、ルーカスにとってもイリアは光。

 お互いがお互いにとっての希望の光なのです。

 一方に依存するのではなく、支え合う関係というのは素敵ですよね。




 ・「関係ない。イリアへの想いは、いつわりなく俺のものだ」


 使徒の本能、女神と女神のへいだ忠誠ちゅうせい敬愛けいあいの感情。

 イリアは自分が女神の代理人であると思い出し、ルーカスが自分へ向ける感情が使徒の本能から来るものなのではないか、と不安になった。

 けれども、ルーカスはそれすら含めて自分の想いである、と言い切りました。

 実際、本能の影響はあります。

 イリアの事になると周りが見えなくなり突っ走るのはいい例ですね。

 でも、イリアの事を好きになったのは本能が働いたからではなく、彼女の行動と心根にルーカスは惹かれたのです。




 ・真に想い合った相手としか子孫を残せない女神の血族


 少数民族である理由の一つ。

 そして血が薄まると血族であると認識されない。

 そんな訳で、近親婚が普通でした。

 何事もなければ、イリアはノエルと結ばれていたかも。




 ・先代の教皇ルキウス様


 イリアだけでなく、ノエルの事も気にかけていました。

 二人にとって祖父のような存在ですね。

 実際に血縁だったかは不明。




 ・「ううん。私が頼んだ事だから。〝鍵〟は無事?」


 イリアの言う鍵とは果たして?

 第二部で明らかになります。




 ・会敵時に見せる化物じみたルーカスの身体能力


 ルーカスの身体能力が異様に高いのは、彼の中に眠るもう一つの神秘アルカナ【世界】の恩恵です。




 ・イリアの覚悟


 この時にはもう神聖核コアとなる覚悟は出来ていました。

 ですが、葛藤も大いにあったのですよね。

 ルーカスと出会う以前の彼女なら、使命だからと自分自身を生贄にする事を何の疑問もなく受け入れていましたが……。

 使命なんか忘れて、ただのイリアとしてルーカスの傍で生きたいと思うようになってしまった。

 それでもイリアが神聖核コアになると決意したのは「大好きな人達が生きる世界を守りたいから」です。




 ・「狂餐きょうさんうたげの開幕だ! 踊り、まどい、狂え!!」

 

 ジュリアスの台詞。

 アインとリンクさせてます。

 関係者、兄妹であることを匂わせていました。



 

 ・「せ……か、せいか、せいかあぁあ! わ、我らは、奴にだまされたのです!

 どうか、どうかッ! おゆるしを、ご慈悲をおぉ……ッ!!」


 粛清の場でジョセフが口にした言葉。

 苦し紛れの言い訳にも聞こえますが、アインの事を指しています。

 隷属れいぞく呪詛じゅそを彼らに教えたのがアインですからね。




 ・雲隠れした【隠者ヨッド


 第二部で出てきます。重要人物。




 ・ノエルがイリアへ向ける重く、深く、純粋なる〝愛〟


 方向性ベクトルが違うと言いつつ、ルーカスはノエルがイリアへ向ける愛が異性へのそれである事に薄々気付いている節があります。

 

 


 ・女神のゆりかご、後半部分の歌詞


 これは主にゆりかごの事が歌われています。

 注釈なくてもまんまの意味ですね。



 『いとし子よ お眠りなさい


 私の愛が 満ちる世界で



 この手を合わせて こいねが


 どうかいとしい子らが 幸福しあわせでありますように


 つばさをはためかせ 想いをつなごう



 耀かがやいて 神秘アルカナ


 強き心に 祝福を


 願いを叶える 奇跡となれ



 揺蕩たゆたえゆりかご 私の愛をいだいて


 まもりましょう 永久とこしえ楽園アルカディア


 いつか眠りから覚める その日まで』




 ・紳士に振舞うルーカス、引き留めるイリア


 ルーカスは自制心の塊ですね。その分、タガが外れた時が怖い。

 イリアは何か起きるかもしれないという予感を抱いていました。

 そうでなくとも、大事の前には大切な人と一緒に過ごしたいと思うのが乙女心です。




 ・ガーデニアの描かれたカップ


 初夏に真っ白な花を咲かせる、ガーデニアの花言葉「とても幸せです」。

 イリアからルーカスへのメッセージが込められています。




 ・イリアの話を頑なに聞こうとしないノエルと使徒達


 これはアインの精神操作の影響です。

 ノエルの策が正しいのだと、それ以外に方法はないと思わされているんですよね。




 ・イリアがルーカスへ贈ったペンデュラム

 

 大事な伏線です。

 今後もこのペンデュラムは意味を持ってきます。




 ・番外編・イリアの受難、ルーカスの暴走。やらかしたー。その②


 ナビアへ向かう船内での出来事。

 酒は飲んでも飲まれるな。

 大事なファーストキスが……。




 ・番外編・女神の降誕祭デア・アドラティオ、「私を愛して、ノエル様」


 アイン、ディアナの本音です。

 歪んでいるものの、ディアナがノエルへ向ける感情はまさしく愛なのですよね。

 ノエルの愛がイリアではなく、ディアナへ向いていれば……。

 この先の悲劇は起こらなかったかもしれません。

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