ゆび
日本語破綻者
第1話ゆび
道に指が落ちていた。
どう見ても人間の指である。
僕はここが遺体遺棄現場だと思い、警察に通報することにした。しかし証拠隠滅で逃げられたらたまらないから指を持って帰る事にした。
警察にそれを届ける為に歩いていると指が少し動いた。
「え」
もしかして指に寄生虫でも住んでいて指を動かしているのかもしれない。
とかおもっちゃったりした僕は怖くなったけどよくよく観察してみたら指の付け根から根っこが生えていてもしかしてこれは植物なんじゃないかって思ったんだ。
警察に届けるのはやめにして家で指植物を育ててみる事にした。
植木鉢に指を一本立てて水をやる。このまま水を上げたら指が育っていき、手になり、やがて人間が生まれるんじゃないかって思ったから頑張って育てる事にした。
だんだんと指は育っていき五本指にまで成長した。そして手首あたりまで育ったらそれからは成長しなくなった。
僕は花が咲くのを待った。しかし花は咲かずに指が動いた。中指が。
育てた指は僕にふぁっきゅーしていた。
ニュースを流したら、深刻そうな顔で植物の品種改良の人が呼びかけていた。
「ふぁっきゅー植物見かけたらどうぞこちらまでお知らせください」
ゆび 日本語破綻者 @mojiuchisyuukann
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