第10話つばさの下着

やにわに展示車のエンドパネルまで小走りで駆け寄り、腰を屈め左手をトランクに突き杖代わりにして片方の脚を上げて何をしているか?


と思えばブルーのパンティを脱ぎ丸めて亮一に「ハイ!」


と、手渡すと、また小走りでサービスフロント受付まで帰って行った。


>  つばさが亮一を追い越す刹那、横目でチラリ!と、睨んだ! 


> こ、殺される! 亮一の胸中に警報アラートが鳴り続けていた。


>  気が動転したままリヤクォーターを磨く。


> 何これ?イチゴ模様?


ゲゲッ!

つばさのパンツ!

クシャクシャに丸めてズボンの右ポケットへ潜らせておいた。


>  ストッキング履いてないのか?セクシーなやつ。


と、思いながらカムリ全体を見渡していた。


視界がボヤけ、今何をすべきか優先順位を確認する能力が断た

れていた。

>  展示中の新型カムリには指紋や手垢がベタベタと着いていて昨日のイベント

に来客が触り上から押していたのはショックの硬さの確認の為だったが、手加減

を知らない素人の客は往往にしてフェンダーを凹ませるほどの力でそのまま体重

を掛けて押すバカが居るのは否めない。

>  リヤトランク、リヤバンパー、斜めに賺して見るのは線傷と凹みの確認の為

だ。

> 中古自動車査定士の国家資格を持ちそれをフルに活用出来ている。

>  無心になってウエスでボディーを拭いていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る