負けの心情

 高校に入って初めての大会はすぐに終わりを迎えた。


 四射ゼロ中。一本もあたらないのがだからそれは当たり前なのだが、問題はそこじゃない。


 負けても『何も思わなかった』。


 悔しさも未熟な自分への憤りも一切感じない。

 

 昔から──小学生のころからそうだった。試合や勝負事でどんな負け方をしても、負けた事実しか心の中にはなく、それ以外が生まれてくることはまったくなかった。


 勝ち負けの世界にいる人間で、それは異常だと思った。

 周りにいる仲間や他校の人たちはみな、やはり勝てないことに悔しさを覚えたりしていたりする。

 納得は出来る。理解もできる。

 それでも尚僕は得ることが出来なかった。

 勝つ喜びは知っているのにね。


 多分最初からあきらめていたんだと思う。

 勝てるわけないって。こんなにも未熟な自分では、いいプレーすらもできないんだって。

 

 自信が持てるようになりたいな。

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