片道

暗い夜道に手を繋ぎ

ルーナを地上に繋ぎ止め

いつでもふたりでいるのだと

互いに互いに言い聞かせ


もしもこの地を離れるときは

ともにあろうと誓い合う

そのときだけは本当に

息をしていてもいいと思えた


十五年目の箱の次

十六年目の箱になる

残酷な春が迫りくる

冬に知ったルーナの行方


十五年目の箱の中

知らなかったのはひとりだけ

真実に取り残されて

ほんとうの絶望を見た


春になればルーナは消える

それは誰にも止められず

それは誰もが追いつけず

あの数々の約束は

慰めにすらなりはしない


ルーナは絶えずうたっている

ルーナは絶えず願っている

となりにひとり ぽつりとひとり

ただのひとりぼっちがぽつり




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