愚かなる

ルーナの羽はやはらかく

ルーナの笑みはあたたかく

亡くした涙を蘇らせて

絶え間なく降らす

いつまでも降らす


やがて憤怒は流されて

慈しみに満ち悲しみに満ち

喜びに満ち楽しみに満ち

精神という自我に満ち


器をおもうく引きずって

ルーナのそばへ

駆け 駆け 駆け


何より愚かな自我の果て

ルーナに告げたひとことは

底つくことのない愛に

溶け込まれ飲み込まれ


穏やかな沈黙が去ったとき

ルーナが歌った死をめぐる

泡沫と消えゆきたい感情


となりでルーナが寂しげに

瞬きするのが映ってる

こんなにすぐそばにいたこと

今までずっとわからずにいた


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