第16話 身近な存在 精霊と聖獣

ー 使い魔をこの手に 前編



チームのメンバーが

「「私達も使い魔が欲しいです。(よ。)」」

と揃って言ってきた。

「使い魔か・・良いね攻撃や防御にも幅が出るよね、皆んなで使い魔を探そうか。」

と答えると大いに盛り上がり、皆んなどんな使い魔がいいかキャピキャピと話出した。


それぞれの希望

・ カレン  〜 精霊(魔法支援) ー 火・水・風・土

・ チカ   〜 索敵用    ー 飛行タイプ

・ カミュ  〜 攻撃用    ー 炎タイプ・風タイプ

・ ブルー  〜 回復用    ー 聖属性タイプ

・ アスカ   ?


アスカはアンドロイド2号なので多分使い魔は得られないだろう。

精霊タイプはやはり世界樹あたりが狙い目だろう、聖属性タイプは聖獣辺りかな後はドラゴンあたりで何とかなるだろう。


「先ずはカレンようにエルフが守ると言われる世界序に向かおうか。」

「向かおうかって、そんな簡単に言って大丈夫ななの?」

カレンが即座に反応する

「大丈夫さ、世界樹を同化するわけでは無いんだし自由な精霊と契約するだけだから。」

「そうかな?」

「さあ行動あるのみだよ。転移するよ。」

「え!もうう?」

と戸惑いながらも僕の周りに集まり魔法が発動する。



ー エルフの集落が有る森



転移が終わると6人は、森の入り口に立っていた。

「ここは?」

「ここがエルフが住む森の入り口だよ。」

「大きな森のようね。」

「ああ、この大陸でも1・2を争う大きさだね。」


耳を澄ますと森はいろいろな音で騒ついていた。

大木に巣を作る大型の鳥が警戒の声を出している、地面に鼻をつけて餌を探す猪のような動物の鼻息。

森に這い入れば至る所から「カサカサ」と言う動物の移動音、警戒の声を聞いて反応しながら離れて行く小中型の獣。


その中で息を潜めるように僕らを狙う魔物たちの存在が森の中に混沌んとした気配を醸し出している。


「いつも感じるけど、魔物がいる森はきみが悪いわね。」

カレンがしみじみと言いながら周囲の警戒をする、そして自分たちが魔物に包囲されかけていることに気づく。

「やばいわ!囲まれそう。」

「大丈夫だよ、たかがゴブリンだ。このメンバーならドラゴンが3頭でも群れをなさなければ問題ないよ。」

と言う僕の言葉に思案顔のカレンがその後大きく頷く。


「そうね、多分私達かなり強くなっているから・・・素手でも森の奥に行けるかもね。」

と1人なってくしていた。



ー 森の中



僕は世界樹の場所もエルフの集落の場所も知っているが、あえて教えずに向かう。


ゴブリンたちは姿を現した瞬間にチカの剣のツユとなって消えた。

「女の敵は姿を見るのも最短でいい」

と吐き捨てるように言っていた。


この世界のゴブリンとオークは女性に敵と言う動かし難い二つ名がある、でも密かにコボルトや狼系の魔物も子供や女性を好んで狙うのだが。


そんなこんなで特に危機感もなく森の奥へと進む僕らの目の前に突然

「止まれ!ここから先はエルフの縄張りだ、ここから立ち去れ!」

と言いながら10人ほどのエルフが周囲の樹木の上から弓で僕らを狙っているのが見える。

「ねえ、エルフって人を嫌っているの?」

カレンが小声で聞いてきた

「ああそうだな、閉鎖的なところがあるので好かれてはいないな。」

と答えると

「そうなのね。」

と答えて静かにしていた。


僕らの前に姿を現したエルフは3人、皆若い姿だが年齢はわからない。

「もう一度警告する、これより先は我らエルフの縄張り人間は立ち去れ!」

と威嚇してきたので僕は久しぶりに「麻痺の魔眼」を使い周囲のエルフの自由を奪っていった。


「何だ・・身体が・・動かない・・魔法なのか・、」

身体の自由を失い地面に膝を落としエルフたちが慌てていると、次々に木から麻痺したエルフ達が転落し始めた。


「君たち警戒感が低すぎないかい?この森の奥にハイキング的な感覚で移動している僕らが弱いわけないだろ。」

と言いながらエルフ全員を1箇所のに集めると魔眼の効果を消してやった。


「!・・・お前たちはここに何しに来たのだ!」

と1人が警戒感を高くして聞いてきたのに

「精霊に会うために世界樹の近くに向かっているんだ。」

「精霊!世界樹!・・おなえ達は危険だ、どうせ世界樹には辿り着けない帰るなら今だぞ!」

とから元気を出して威嚇してきた

「あ、世界樹の場所は僕わかるので心配なく。」

と言い残すと僕らは森の奥に歩き出した。


「先回りして集落に連絡するぞ」

と言いながら少々ふらつきながらエルフ達は集落へ逃げ帰った。」


「ねえ、さっきのどうやって自由を奪ったの?」

チカが僕に聞いてきたので

「あれは僕の魔眼だよ。色々できるんだ。」

と答えるとそれを聞いていたカミュやカレンが

「「信じられない(れん)、魔物みたい(だ)。」」

と呟いた。



ー 世界樹の元



エルフの結界を問題なく超えて僕らは世界樹に向かっていた。


「本当に巨大な木ね!」

カレンが感動しながら空まで聳える大樹を見ながら呟いた。

「そりゃそうだよ、高さは1000m以上という話だからな。」

とちょっとした情報を伝えながら、より大きくなるエルフの気配を探る。


もう少しで世界樹の元に辿り着くと思った時に100人以上のエルフが壁のように僕らの進行を塞いだ。


「信仰もない人族よここから去れ!去らなければここで死んでもらう。」

と戦闘予告をするエルフの言葉に

「人数をかけたからどかなると思うのは浅慮だと思うよ。」

と言いながら僕はまたしても魔眼を使用した。


手を上げて注目を浴びながらスキルを発動する僕の魔眼は、耐魔法の魔道具やスキルでは防ぐ事が出来ないのだ。

全てのエルフがその場に崩れるように倒れる、その後も数十人単位で襲ってくるエルフを1人の怪我人も出すことなく退ける僕らにエルフが根を上げた形で、最後には姿自体を見せなくなった。


「鬱陶しい気配が消えたわね。」

「ああそうだなもう直ぐ目的地だ、準備はいいかいカレンお嬢様。」

「勿論よ、でもどんな精霊がいるのか果たして私に見えるのかすらわからないわ。」

と若干心配気味のカレンの肩に風の精霊が顕現してとまった。

「え!これが精霊?とても可愛らしいわ。」

どうやら精霊達はカレンの魔力を気に入ったようだ。


「エネルギー体が居るのは分かるのですが私には姿が見えません。」

アスカがそう報告する、やっぱり精霊の精神に干渉する力を受けられないようだ。


その後も、土の精霊や水の精霊、火の精霊がカレンと契約をしたが最後に聖属性の精霊が現れてカレンの体験は終了した。



ー 聖獣を探せ!



次に向かうのは聖獣が住む森だ、この世界の聖獣といえば

・空の聖獣   〜  フェニックス又はキングバード

・地の聖獣   〜  ビッグタートル又はフェンリル

・水の聖獣   〜  ドルフィン又はフライングホエール

の3属性の6種類だ。


それぞれ棲家を持ちしれじれに属性を監視している主がいる、それ以外は意外と自由で人と行動を共にする聖獣も少なくはない。


「ここいらで野営の準備をしよう。」

僕は収納からキャンプ道具を取り出しながら声をかける。


周囲は森の中でも岩山があるような場所、ここにはどんな聖獣がいるのだろうとブルーが考えている。


「気になるようだねブルー、ここはフェニックスがいるんだよ。フェニックスは聖属性や炎属性も有りながら強力な再生能力も有るんだ。」

と説明すると俄然やる気を出したようだ。


次の日岩山に登ると頂上付近に一羽の大きな鳥が見えてきた。

近づくとその鳥の羽は真っ赤に燃えているように見える、警戒しながら僕らを見つめている。

僕はブルーに

「ここ方先はブルーだけの仕事だよ、あのフェニックスと心を通わせるんだ。」

と言いながらブルーだけを先に向かわせて僕らはその場で待機する。


「大丈夫かしら?」

カレンの質問に頷く僕。







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