KAC20243 物流のリアル①フリードライバーの痛みを知らないと、コンビニの箱が!

冒険者たちのぽかぽか酒場

第1話 あの箱も、ホラー。「コンビニで買い物ができることに、感謝しなければならない!宅配の現場は、命の宅配なのかもしれない」それを知れ!

 「配達ドライバーは、つらいよ」

 異世界も、悩んでいる。

 「また、コンビニから呼び出しだ」

 大忙し。

 コンビニも、大忙し。

 「店長?」

 「何だ?」

 「全部、売れました!」

 「何?まずいぞ!」

 なぜまずいか、わかる?

 売り切れは、欠品が発生したということ。

 店全体の売り上げが落ち、風評被害がくるかもしれない。

だからなんだ。

「あの店、商品少ないよな」

 「あんな店にいくのは、やめようぜ」

 SNS世代に、注意。

 トラックなどが、ちょこちょこ、店にやってくるでしょ?

欠品が怖くて、商品を補充しているんだ。

異世界でも、コスト削減の目的もあってか、企業にしばられないフリーの労働者が増加。   

 フリーって、聞こえは良いかもしれないけれど…。

 プルルルル…。

 「はい。フリードライバーの、タカクラです」

 「おや。元気ありませんね?箱は、届けたの?」

 「あの…。発熱があります」

 「それで?」

 「もう、運転ができません。明日は、休ませてください…」

 「ダメです」

 「え?」

 「認めません」

 「え?」

 「休みたいのなら、交代を探して。できなければ、罰金」

 …何?

フリーのドライバーには、電話相手がだれなのかもわからず。

配達の箱が、悪魔にも見えてくるだろう。

再配達は、特にいや。

再配達をさせるのは、シングル(単身者)か共働きの夫婦が多い。

 日中に在宅している場合が、少ないからね。

 「持ち帰った荷物は、どこに置いておけば良い?」

 事務所のスペースは、翌日や翌々日に再配達する予定の物で、埋まっている。

 いくつか、こんな工夫はされているんだけれどな…。

 「事業所への荷物の引き取りなら、少し安くする」

 「ポイントをつける」

 「メールで知らせる」

 「宅配ボックスを設置する」

 「コンビニで受け取れるようにする」

 でも、間に合わない。

 「あなたが買物をできるのは、だれのおかげ?」

 それをわからないやつらに逆襲してやろうと、今、タカクラは、配達魔法使いに転職しようと思っている。

異世界ドライバーは、負けない。

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