そういえば

ステーキはまぁまぁだった。

肉は良い物を使用しているのだろう。

しかしソースが無かった、 卓上調味料でご自由に

と言うのがこの店の方針らしい。


「だがデミグラスとか付けて欲しい」

「気持ちは分かるがシーフード中心の店だからな

デミグラスとか作る余裕無いだろ」

「それもそうか」


卓上調味料には拘っているらしくそれなりに美味しく食べられた。


「さてと、 てめぇの情報ネタ出せよ」


今夜はポケットから煙草を取り出す。


「灰皿」

「禁煙です」


仕舞う。


「探偵ですからね、 依頼ですよ」

「誰から?」


恐らく偽装である名義を伝える。


「知らん名だな」

「今夜さんは何で小学を追ってるんですか?」

「それはだな」

「小学さん、 守秘義務があるのではないですか?」


朝子が遮る。


「いやいや、 俺は警官では無く一人の友人として探してるんだよ」

「ですg「おい」


今夜が睨む。


「まさか俺が警官として一市民に便宜を図ったと言いたいのか?」

「い、 いえいえ・・・」

「だよな」

「ちょっと待てよ、 パトカー使って一市民の頼み聞いているのは

便宜を図っているんじゃないのか?」


穴口がツッコむ。


「いやいや、 それに関しては上司からお許しが出ているよ」

「上司?」

「係長だよ」

「・・・・・」


何となく話を察した。

恐らく警官としてでは無く

一市民として行動しているという体裁を取っているのだろう。

万が一ツッコまれたらその係長とやらが首を斬られるのだろう。


「そうですか・・・その一市民とは一体?」

「小学の母親ですよ」

「おもいっきり警察の仕事じゃねーか」

「いやいや、 警察のお偉いさんなのは父親の方、 母親はただの主婦だよ

帰って来ない息子を探して欲しいってさ」

「父親は何も言わないんですか?」

「興味無いんだろうさ、 家の事は嫁に任せて帰ってない

セカンドハウスで悠々と暮らしている」


羨ましい限りだ、 と呟く今夜。


「母親は何故不良息子を探せと?」

「あぁ、 母親の中では”息子は悪い友達に唆されている可哀想な子”らしい」


親ばかの極みだ。

と今夜は呟いた。


「で、 俺はとりあえず小学を探しているんだ

パトロールの範囲を拡げたりしてな」

「学校には?」

「父親には内緒にしておいてくれと言う話だったし

チクられるのも不味いかなって思って行かなかったよ

でも他の小学の取り巻き連中に話を聞きに行ったりはしたよ」

「何か収穫は有りました?」

「ねぇな、 話せる状態じゃなかった」

「話せる状態じゃなかった?」

「知らねぇの? 一人階段から落ちて、 一人交通事故でそれぞれ病院に

最後の一人は家で震えていて話にならない」


事も無げに言う今夜だった。

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