第38話 ヒーローショーは暑いと思った思い出しかない


『ハッハッハッ・・・私程度で此処まで押されるとなると、ボウゲンジャーも大した事無い様ですねぇ』


『くそっ!!嘘つき魔人ウソツ~キめ!!こうなったら・・・みんなっ!!みんなの力をボウゲンジャーに貸してやってくれっ!!せ~ので頑張れ~!!と応援してあげるんだっ!!せ~のっ!!』


「「「「「がんばれーーーーーー!!!」」」


『声援が遅ぇよ!!だが、よしコレで!!・・・ぐぁぁぁーーーーーーーー!!!』


『フッフッフッ・・・その程度の力で私を倒せると?私の戦闘能力は53万です』


『なっ?!い、今の俺の戦闘能力は22万・・・ち、ちびっ子共っ!!お、俺様にもっとパゥワーを!パゥワーを寄越せ!!』


・・・以上、ヒーロー戦隊ボウゲンジャーのやりとりである

えぇ・・・?何か情操教育に良く無くない?という感想が第一声に出る俺はおかしくないと思う


(とは言え・・・前世でもそういう番組あったしなぁ・・・)


うん結局観る側の問題だろう・・・例えそれが戦隊ものだとしても観る側の心持ち次第なのだ

ただあのボウゲンジャーのパワーの言い方だけはイラっと来るが・・・それも観る側の心持ち次第なのだ


「ボウゲンジャー!!!頑張れーーーー!!!」


・・・


「おいおいっ!!その程度で勝てるのかぁーーー?!!」


・・・・・・


「今だっ!!必殺ボウゲン乱舞だっ!!!ウソツ~キの心を折るんだ~!!」


・・・・・・・・・


そんな事を思っているとすぐ横に居るポッチャリ・・・では無く、かなりふくよかとした女の子がボウゲンジャーをメチャクチャ応援している


(何気にかなりふくよかな女の子を見るのは初めてだなぁ・・・ん?)


保育園でも幼児や先生に拘わらず、かなりふくよかな体形の人は居なかった

それはそれとして否定はしないが、いるんだなぁ~と思っただけだ

が、その脇には雪ちゃんが居て「ししし静かにして下さい」と言っているのを発見した


(あれ?雪ちゃん?・・・って事は・・・あれ?)


雪ちゃんが傍に居るという事は・・・そういう事なんだろうなぁ・・・

俺の視線を感じたのか、雪ちゃんはこっちを向いて驚いた表情を浮かべる


「え?えええ?えええええ?」


「雪ちゃん、こんにちは」


「・・・・・・・・・・・・え?」


「この服じゃ分からないかな?夜だよ」


雪ちゃんに身を寄せて周りに聞こえない様にコソコソと俺だという事を告げる

フッ、周りにバレない様にというリスクマネジメントくらいは俺にも出来るのさ


「っ?!!!え、え、え・・・ええぇぇぇぇぇぇぇぇぇーーーーーーーーー!!!!!」


「むぅ!!」


「ぐぇ!!!」


メチャクチャ驚いた表情で叫び声を上げる雪ちゃん

突如、背後から俺の首を締めあげて来る月姉さん

奇襲を受けて女の子らしからぬ声が出てしまった俺・・・


三者三様の反応をしてしまった為に、周りの子供たちに不審に思われていないだろうか?と思わず焦る


・・・が、周りの子供たちは「頑張れー!!」とボウゲンジャーに声援を掛けていた為にこちらを不審に思う事は無かった


「おいっ!!俺様の下僕にちょっかいを出す不届き者!!お前、俺様のモノに何をした?!!」


・・・さっきまで暴言をボウゲンジャーに吐いていた、かなりふくよかな女の子(?)以外は、だが


【お知らせ】

ストック切れちゃいました・・・明日からは1話更新となります。

出来るだけ更新頑張りますので今後ともよろしくお願いいたします!!

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