闇夜の雨宿り

第1話：不気味な店内

夜の帰り道、大雨が突然降り出しました。道路は濡れて滑りやすく、風が吹き荒れる中、私は急いで近くの店に向かいました。どうしても雨に濡れたくない、そして風呂敷を広げて雨宿りをすることに決めました。

その店は、街の片隅に佇む古びた建物でした。薄暗い灯りが暗い夜を照らし、ガラス窓には雨粒が叩きつけられていました。どうやら私以外にも、同じように雨宿りを求める人々がいたようで、店内は驚くほど混雑していました。暖かい空気と薄暗い雰囲気が、不思議と心地良い安堵感を生んでいました。

私はカウンターに座り、店員にコーヒーを注文しました。店員は微かに笑みを浮かべながら、カップを差し出してくれました。私はカップを手に持ち、暖かいコーヒーの香りに癒されました。しかし、その笑顔の陰に、なぜか違和感を感じました。店員の目がどこか奥深い、不可解なものを秘めているように見えたのです。

時間が経つにつれて、店内の雰囲気がますます不気味さを増していくように感じました。他の客たちも、なにやら囁き声を交わしているようで、その声はどこか歪なものとなって私の耳に届いてきました。カウンターの奥には、奇妙な置物やアンティークがズラリと並べられており、どれもが不気味な魅力を放っていました。

やがて、私の隣に座っていた老婦人が、微かな笑みを浮かべて私に話しかけてきました。彼女の声は、何とも形容しがたいほどに不安を感じさせました。彼女は古びた本を差し出し、私に向かってこう囁きました。「これを読んでみなさい。知られてはならないことが書かれています。」

私は本を受け取り、そのページをめくってみました。すると、不気味な挿絵と共に、不可解な文章が並んでいました。言葉の意味がわからないまま、不気味な文字が私の心に深く刻まれるような感覚がありました。その瞬間、私は不安感と恐怖に包まれてしまいました。

気が付くと、周囲の客たちは私にじっと見つめる目を向けていました。彼らの笑みはますます歪みを帯びており、不気味な雰囲気が一気に高まりました。私は慌てて立ち上がり、店を出ようとしましたが、足元がもつれて転んでしまいました。そのまま床に転がりながら、周囲の笑い声が私の耳に響き渡りました。

最後に思い出すのは、彼らの歪な笑顔と不気味な囁き声でした。そして、私は自分がその店に閉じ込められ、永遠にそこで雨宿りをすることになるのだと悟りました。恐怖と絶望が私を包み込み、闇の中へと引きずり込まれていく感覚が、今もなお私の心に残っています。