第15話セレナ対ダロム
私とロバートはメイドと会う為、待合室に向かった途中に、話し声をきいた。
ベラの事は詳しいか?
ベラは母親と仲が悪いのか?
この声はダロム。私は隠れた。
そうなんですか?
ベラのお母様とても親切な人ですよ?
それほど親と仲が悪い人を、そもそもこの国のメイドに指定はしないと思いますよ?
だって危険ですから。色々と。
ふーむ、それもそうだが…ベラが母親の悪口などは聞いた事はないか?
ありませんね。あの人虚言癖なところあるから、ダロム様も気をつけた方がいいですよ。
この私にも嘘をつくと?
それも分かりませんけど、嫉妬させる様な事したら、案外怪しいかも?
そうか、わかったありがとう。さてそこに隠れているのは誰かな?
盗み見聞きですかな?
申し訳ありません。そういうつもりはなかったのですが。と私は謝罪した。
いえ、大丈夫です。お気になさらず、私はあなたがベラに嫌がらせしているのではないか調べておりまして。とダロムが言った。
私はあなたの味方ですので。とダロムが微笑んで言った。
ありがとうございます。でしたら私ではなく、是非夫の味方になってください。と私は提案した。
ふっ、兄にはあなたという味方がいれば充分だと思いますが?
そうですね、でも、ダロム様が味方になっていただければ夫も心強いと思います。
味方は多い方が良いともいいますし。
と私は笑顔で言った。
なるほど、まぁそうでしょうね。とダロムが納得する様に言った。
ですので、わだかまりがあると思いますので、その前に夫にこの前のことを謝罪して欲しいのですが。
謝罪…謝罪は強制されるものではありませんね?
とダロムが聞いた。
それはそうですね。ですが悪い事をしたら、謝るのも当然ですよね?
それは否定出来ませんね。
しかし私は悪い事を兄にしたつもりはありませんね。と彼が開き直っている様に言った。
でしたら私が悪いことであると説明して納得していただければ謝罪していただけますか?
と私は問うた。
ダロムの表情が険しくなった。
さすがに…私が兵士であればあなたをこの場で切っていたでしょう。
私は子供ではありません。その様な発言は、謹んだ方がよろしいかと。とダロムは眉間に皺寄せて言った。
お言葉を返す様ですが、あなたが兵士であれば、前回の事で夫はあなたを切っていたでしょう。と反論した。
それにあなたは私の味方になると仰ってくれました。味方を斬り殺すバカな兵士はいませんよね? と続けて言った。
くっ貴様…図に載るなよ。さっきからペラペラと。後悔させてやるぞ、このダロムに対して、生意気な口をきいた事をな。とダロムが激怒していった。
私の父をご存知ですよね?
私の姉は大国の妻です。2人に頼めばあなたを罰するのは簡単な事なのです。夫とは対等でも、あなたとは対等ではないのです。口を慎むのはあなたの方です。
くっ…虎の威を借る狐め。と悔しそうに言った。
虎の威を借る狐なのはお互い様では?
先に脅しをかけたのはダロム様ですよね?
私は夫を守るために仕方なく言わざるお得なかったのですが。と反論した。
ぐっ…とダロムは深呼吸した。
確かにその通りです。あなたには敵いませんね。
ですが兄に謝罪はどうしても出来ないのです。もう兄に対して失礼な言動をしないと誓いますのでお許しを。
とダロムが冷静さを取り戻した様に言った。
分かります、その気持ち。どうしても謝りたくない人はいますからね。それが私の夫だったというだけ。あなたを信じて、その誓いを
守ると受け止めます。と私は言った。
ありがとうございます。ではこれでご容赦願いたい。失礼いたしました。とダロムが言い去った。
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