第2話慰めと対話
あれから3年か色々あったな。と私は月日の経つのは早いなと感じた。
お花あれからあまり変化なし。花が動いたり、喋ったりするのかもと思ったけど、何もなかった。
やっぱり駄目スキルなのかな
トントンドアを叩く音がした。私ライナ。
はい今開けます。ガチっとドアを開けた。ライナ姉様が立っていた。目にした瞬間あまりにも綺麗なお姉様にドキドキした。
いつも見かけるのに、ほんとライナ姉様は綺麗。と私は感じた。
ちょっと話し出来る?
とライナ姉様が聞いた。
もちろん。
夜風が涼しいですね。私は少し窓を開けていた。
そうね。私ね政略結婚結婚する事になったみたい。
ええ?
姉様が…お父様には前から知らせられてました?
いいえ、いきなり勝手に進めていたみたい。
それでちょっと愚痴りに来た感じ。
そんな酷い。と私は呆れながら言った。
仕方ないのよ。そう言うものだと覚悟していたわ。
私の能力が欲しいのでしょう。向こうはね。
でもこの能力のせいで、私人間不信になって今は結婚考えたくない。まだ恋愛も…したい。ライナ姉様は泣き崩れた。
私は姉様を抱えこむ様に包んだ。
ライナ姉様と私は他に言う言葉が見当たらなかった。
私…あなたの能力が羨ましい。あなたのスキルだったら過去を見て、自分のこと悪く言われたシーンなんて見れないもの。
政略結婚だって、あなたのスキルなら誰も欲しがらないもん。
うーん私の能力貶されてるけど、今の雰囲気じゃ、何にも言えない。
けど私も本音を言う。
姉様のスキル羨ましいよ?
私のスキル何にも役に立たないもの。
まるで魔法使みたいに色々な事解決できるしさ。
そんな事ない…使えば分かるけど、聞きたくない事いっぱい聞いて、精神的におかしくなるよ。とライナ姉様は泣きながら笑った。
姉様私…お父様と話し合いしてくる!
それで政略結婚取り下げてもらう。
絶対取り下げて貰うから、姉様は絶対立ち直って。
ライナ姉様の元気な笑顔見たいから。そう言い私も涙が溢れた。
しばらく2人で泣きあっていた。
ライナ姉様を介抱して、姉様の部屋に連れて行った。
そして私は決意して、お父様の部屋の前にきた。
トントンお父様夜分遅くにすみません、ちょっとお話があります。
まだそんなに遅くはないだろう?
これから紅茶来るし、それまで話してやっても良いぞ。
まぁ入れ。そう言い私を中に招き入れた。
お父様は何故それほど名誉を欲しがるのですか?
もう充分ではありませんか?
といきなり本題に入った。それは一刻も早く姉様を安心させたいからであった。
名誉が有れば、他の国の人間にペコペコ頭を下げなくて良くなるのだ。その為には名誉や権力が必要なのだ。
いいえそんなもの、もうお父様には、必要ありません。
そんな物を持ちすぎると独裁者の様に、自分の命令に背いた者を、平気で追放したり、果てには死にまで追い込むではありませんか?
それに、天狗になって慎重さをなくしたり、驕り昂り、破滅します。
程よい、今の状態が丁度良いのです。
人に頭を下げることによって自分の身のほどを、弁えるのです。
頭を下げたからと言ってお父様の価値は決してなくなりません。
全く口だけは達者だな。とお父様は笑って言った。全くさっさと嫁に行って欲しいものだ。
しかしその観点は間違いだ。私は自分の為に名誉を欲しているのではない。
この国の国民の自由を守る為、また国を安定させる為なのだ。
その為には名誉や権力が有れば、それが可能なのだ。
奴等に頭を下げる必要がなくなった事で、民が安心して、私に全てを任せられるのだ。
それが果たして国民の皆さんに分かるでしょうか?
いいえ自分の名誉の為に娘を嫁がせ、権力で思いのままにすると、その様に見ると思いますが?
と私は反論した。
それでも構わん。よいか、帝国の歴史に於いて支配される国とされる国があるのだ。
その支配される国になれば最後、おちぶれていくのみなのだ。
我々は支配する国にならなければいけない。もしくは、支配されずに住む側にだ。
支配されている国が亡くなった時、その国もまた滅亡していくのだ。
それは歴史が証明しているのだ!
とお父様は語気を強めて行った。
お父様の言うことも一理あります。ですが…
その時トントン、ドアをノックする音がした。失礼します。
紅茶を持ってきました。
よし入れとお父様が言った。
永遠にお父様と議論が続くかと思った。
ちょうど良いタイミングね。
良い香りがする、とお父様が言った。
目を瞑らせ、鼻筋を透き通るほどその香りは気持ちを幸せにさせた。
白いカップに入った紅茶の赤とオレンジが混ざり合った色は食欲を誘うほどに綺麗。
私はリラックスできたと感じて、話の続きをし始めた。
ですがお父様、自分の娘を奴隷の様に国に売って民が幸せになるでしょうか?
なる!
とお父様は断言した。
それで富がその国から入り、国民の税を下げれば幸福になるのだ。
それは私の父が善王と崇められたが、他国に金をばら撒き、他国を富める国にし、自分達の首を絞めることになった。
それを辞め、税を国民に還元するつもりだ。
娘がそれが嫌ならそれはわがままだ。
国民の為に尽くす、星の元に生まれたのだ。
それが嫌なら亡命すれば良い。受け入れてくれる国はないだろうがな。
お父様、まず言いたいことがあります。
他国をお祖父様は助けたのです。それは、ばら撒きなどではありません。
それは善行であり、巡り巡ってわが国に帰って来るのです。
それにわが国も、他国から昔援助されて来たではありませんか?
あんな他国と比べるな。わが国は自力で頑張ったのだ。あんな国どもとは違う!
お父様私はそうは思いません。私は支援してくれた事に感謝しています。
お父様の意見の通りであれば、それは他国も同じ様に受け止めているのでは?
支援してくれたからではなくて自力で頑張ったと。お父様のような考えの人が増えたら、誰も助け合いせずに、世界は混乱します。
ですのでお父様のその意見は間違っています!
私は、強めに言った。
わしの意見が間違って…るだと?
お父様は苛立ちを見せながら言った。
まぁまぁ両方の意見とも正しいと思います。
とエレノアが仲裁する様に言った。
でも言ってる事よく分かんナイケド。
とエレノアは、恥ずかしそうに言った。
分からないなら口出しするな!
メイド風情が。とお父様はエレノアに怒鳴った。
申し訳ございません。と彼女は謝った。
ちょっとお父様、私のエレノアをいじめないでくれる?
とエレノアを抱きしめて私は言った。
お嬢様すみません。私が至らないばかりに。
そんな事ないよ。頭を撫でながら言って、おじさんって若い子に説教したがるから嫌よね。と言った。
何を言ってる。全く…これじゃわしが悪者じゃないか。とお父様は呟いた。
エレノアも一緒にお話ししよう。第三者がいた方が、視点が違うから、新しい意見とか出て来るかも。
分からない事あれば私に聞いて。彼女に言った。
エレノアと出会ったのは幼少期の頃。
仲良く姉妹と一緒に遊んだ。
彼女は人柄が良く、忠誠心もあり、私がお母様に2年前に推薦した。
エレノアはとても愛らしい。歳は彼女のが上ではあるけれど、私をいつも立ててくれる。
私が男に生まれていたら、エレノアと結婚したのは間違いない。
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