(二)-18

 ただ、一つだけ全員同じ装備をもっていた。それは陸軍のスナイドル銃であった。

 兵士たちは侍たちの目の前五十メートル程のところへ来たところで、前列の者が膝立ちになった。そして前と後の列の者が銃を侍たちに向けて構えた。

 侍たちはそれを見て、兵士たちを口汚く罵り始めた。

 二見は、危険を感じて逃げようとしたが、散々兵士たちを斬った侍たちは、昂奮しているのか、銃を向けられても何も感じていないらしく、誰もその場から逃げようとはせず、相手を罵り続けた。

 一人だけ逃げ出す訳にもいかず、二見は事態を見守っていた。


(続く)

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