(二)-14
坂を上がり二ノ丸の方へ行くと、兵舎がある。そこでも侍たちはすでに獲物を狩っていた。
熊本鎮台第十三歩兵連隊の兵士たちの多くは、奇襲を受けた時、兵舎で寝ていた。襲撃を知らせる声で目を覚ましたものの、まさか自分たちが襲われる立場になるとは夢にも思っていない兵士たちは、並べて置かれた寝台の上に寝間着姿のままで、ねむけ眼でぼんやりしているところに闖入してきた時代遅れの侍たちに次々と斬られていった。
刀で突かれ、斬られる音と叫び声と血しぶきと血の匂いで、事態をようやく把握して兵士たちは立ち上がるが、入口に近い者から律儀にも順番に斬られていく羽目になった。そのため、兵舎の部屋の奥にいる者たちから、そのままの姿で兵舎の窓から外へ抜け出して行くことになったのだった。
(続く)
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