(二)-2

 玄関で誰かがそう大声を上げた。そして半分の者たちは正面の階段を駆け上っていく。別の者たちは廊下を右手の方へと駆けていった。

「残った者はこっちだ!」

 仲間にそう言われて、二見は抜いた刀の背を右肩に乗せて一階の左手の方へ、仲間数名と駆けていく。

 階段のすぐ隣の扉を仲間が開ける。深夜なので灯りはついておらず、部屋は真っ暗だった。しかし、真っ暗な部屋の真ん中に細長く白いものが見えた。テーブルクロスだ。そこには長いテーブルが置かれ、その上に敷かれているのだ。よく見ると長い食卓の向こうとこちらにそれぞれ椅子が合計六脚置かれている。ここは食堂だった。


(続く)

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