ふたりは40代
佐原
1
今日も朝から暑くなりそうだった。
8時くらいまでだらだらと二人でベッドで過ごし、簡単に着替えて近所のGEOに向かった。今日は漫画をたくさん借りてお籠り(引きこもって飲み食いしつつだらだらすること)をしようと約束していた。
同居人の車で開店直後のGEOに向かう。お盆休み、暇を持て余している風の客が数名いた。
「ねえ、これ借りたい」
と同居人が指したのが『一日外出禄ハンチョウ 著:福本伸行』だった。
いいよーと答えると、同居人はカゴにどんどん放り込んでいく。
まさか全巻?と聞くと「うん」と同居人は頷いた。
ほかにも借りたのは以下。
『上京生活禄イチジョウ 著:福本伸行』全巻
『ふたりソロキャンプ 著:出端祐大』1,2巻
『あやかしトライアングル 著:矢吹健太郎』1~3巻
GEOの隣に原信(地元のチェーン展開するスーパーマーケット)で夕飯の買い物をする。
「いただいたメロンで生ハムメロンしたいから生ハム買おう」
生ハムを人生で購入するのは初だった。
ほかにも炭酸水やアルコールなどを購入。
原信のフロア内にマクドナルドもある。
「お盆だから混んでるかなあ。大丈夫かな、なんか不安」
と同居人はやけに不安がっていた。人込みは得意ではないとのこと。
ハンバーガー3個、ナゲット15ピース、ポテトS1個を購入。
その後アパートに帰宅。
アルコール飲みつつファストフードを食べる。時刻はまだ午前10時半くらい。
「いやー最高だね。最高最高!」
お盆という日に引きこもって飲み食いするのは確かに楽しかった。
食べ終えてから、夕飯用の角煮を仕込むと同居人が取り掛かる。自分は料理の腕は全然だ。助手としてサポートに徹する。
・鍋に湯を入れる
・角煮を鍋に入れる
・だいこんも入れる
・臭みとりのネギの青い部分(冷凍していた)とショウガを入れる
・ペーパーの落し蓋をして2時間ほど煮込む
・煮込んだ後砂糖などを加えまた煮込む
・煮込みをやめ冷蔵庫で冷ます
・(冷ますときに味がしみこむらしく調味料を入れるが内容を把握するのを失念)
ここまで仕込んで、GEOで借りた漫画を二人で読む。
自分は同居人の所有品である『違国日記 著:ヤマシタトモコ』を読みつつ、ハンチョウも時々読む。
同居人はハンチョウ、イチジョウ、あやかしトライアングルを5時くらいまでに読み終えていた。読むのが早い。ハンチョウは特にお気に入りらしい。
そんなこんなで夕飯は6時くらいに始める。献立は以下。
・生ハムメロンのオリーブオイル塩こしょうかけ
・角煮とだいこん煮
・キャベツのごま油とだし粉あえ
・だいこんの皮の甘辛辛辛いため
・豆腐とはんぺんと明太子のふわふわ焼き
アルコールを飲みつつ食べる。昼にいっぱい食べたからか、二人ともほどほどの量を食べていた。
夕飯後に近所の散歩をする。
川べりの土手を手をつないで歩き、折からの酷暑で水量が減った川を見て驚いたり、しかし用水路は管理され多量の水をたたえていることなどを発見しつつ、夕暮れ時の頃合いの近所を歩く。
この日は夕焼けがとても見事で、西の空の沈みゆく夕日と周囲もさることながら、反対方向の空の雲まで夕焼け色に照らされ、あたり一面朱色の世界になっていた。二人ともスマホで写真をいっぱいとった。後で見せ合ったり、X(旧Twitter)に投稿したりするためだ。
「すごくいい夕日。見られてよかった。ありがとう」
と同居人に感謝される。なんのなんのと、手をつなぎながら20分ほど歩いていた。
こんな日々がずっと続けばいい。そう思っていた。
※後日、角煮の作り方について同居人から指摘があったので修正。
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