第16話宇宙は真空じゃない!

我々は、1億7000年前から出来立ての地球に住み着いた。


やがて、地球が分裂して、月が生まれたわ?」


センセーショナルだった。「人類じゃないのか?」


我々の種族は科学が発展していて、米軍のF35なんて話に為らない。


人類に見つからない様に米軍と協定して、エリア51に定住したわ?孝さんは知っているでしょう?


「知っているよ?」としか答えようが、無かったが、八代の柔らかい肌に溺れ、何も考えられなかった。

「地球に衝突する軌道だと初めから解りきっているのだし、地球自体をワープさせてしまえば良いのだよ八代ちゃん?」


モウッ!と言いながら立ち上がった八代はここから長々と、宇宙についての解説を始めた。


「もう、アニメ的な事を言わないで孝さん!?」


「あなたは時空間を歪ませて時間の頂を狙って飛ぶだけと思っているでしょう?」


胸前で腕組をして、尚も続ける八代は「この世は相対性原理で成り立っているわ?」


「時間を飛び越す速度はどうやって作るの?」「時間を飛び越えるのだから光速が望ましい。」


両手を腰に手を宛がい人差し指を孝に差し「大宇宙は何も無い真空状態だと思っているでしょう?」


でも・・・と話を続ける八代の表情には、苦渋に満ちて諦めの境地に達していた。


「宇宙には素粒子や塵が漂っていて、紫外線も有るのよ!?」


星が爆裂した時の欠片も有るわ?


と続けた。「それを光速で飛ぶのよ?」


「現実に塵が当たると摩擦が生じるし、紫外線が光速で人間にも届くわ!」


「我々の周りの空気にも摂氏100℃に至るわ!」


もう声高に叫ばざるを得なかった八代は両手を床に叩き付ける様に振り下ろしていた。




八代はクールビューティだよね!?


と、囈言の様に繰り返すばかりだった。


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