邂逅。そして打ち解ける
第一夜 同じベッドで寝たい
少女を拾った。本来連絡しなきゃなんだけど……やめとこ。
二人の分岐点はそこだと知るのはほんとずいぶん先になる。
目の前にいる少女の名前は
第一夜 開幕
彼女、生活困窮してるみたいだから居候させてあげた。昨夜、あ、ほぼ今夜か。出会ったときはもうそりゃおびえてて、疲れも相まって半ば気絶みたいな感じで眠りについたもんだから急いで体に異常にないか調べた。案の定、栄養失調と過労はあったんだけど命に別状はなかった。
で、まあ今に至るわけなんだけど、私、一つやりたいことがあって…自分でもニヤついてるのが分かるくらい罪深いこと。
そう、それは「誰かと一緒のベッドで寝ること!!」
だってないんだもん。誰かと一緒に長めの旅行に行ったこともあるし、家に友達を読んだこともある。でもなんだかんだ親友とお互いに呼べるやつにさえ、やっぱり言うのは恥ずかしい。だからこそ今がチャンス。
一宿の恩とはよく言ったものだ。泊めてあげたんだし、イイよね?
金剛、行きます。
そこは大衆が思っている以上に乙女の神聖な場なのだ。ベッドインの時に大和のサラサラの髪が自分の腕に当たる。フウ、起こしてしまわないかとハラハラする。傍から見たら今の私はただの変な人だろう。
次に大和の整った顔に目が行く。大和のことはテレビで一目見た時からだがそれ以上に生で見ると……
「やっぱり超可愛い!」おっと、おもわず声にだしてしまった。
それにこの匂い。大和の身にまとっているものはみすぼらしくて風呂にもほとんど入れていない様子だったけど思ってたより臭くない。何ていうかそこにかわいらしい生き物がいると全身から主張しているみたいなにおい。
お風呂に入れてないと男の人は俗にいう獣臭みたいなものがするって聞いたことがある。まあ女でもぶっちゃけそうなんだけどさ。とにかく今はこの時間を楽しませてもらうことにしよう。
一つ誤算があった。寝ているとき、人は温度や湿度を調整するため、ストレッチのためなど様々な理由である行動をする。
「チュッ」
大和の唇が彼女の方を向いていた金剛の唇に直撃。金剛はあまりに多くの感覚により成仏。死因が寝返りとはこれまたなんて滑稽なことだろうか。
結局その夜は一睡もできず、早朝に起きて大和の口にパンを運ぶことになりましたとさ。
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