赤いランドセルの子

20代の女性が小学生の時に体験した話です。


ある日の下校中に通学路を通り家に向かっていました。

私の住んでいる町はいわゆるベッドタウンで、大通りとは言いませんがスーパーや飲食店などが建ち並ぶ主要な道路を歩いていました。

すると数十メートル先に赤いランドセルの子が立っていました。

この道路は歩道が一段高くなっているタイプの道路で、その歩道ギリギリの所に車道側を向きうつむいて立っていました。

危ないところに立っているなぁ、などと思いながら十数メートルのところまで近づくと1つ違和感を覚えました。

あれ?あの子って男の子じゃない?

今どきランドセルの色は各々好きにしていると思いますが、当時は大体男子は黒で女子は赤、たまに青系のランドセルの男子、パステルカラーのランドセルの女子がいるくらいで少なくとも赤いランドセルの男の子は見たことがありませんでした。

男の子で赤いランドセルの子初めて見るなぁ

そんなことを考えながらその子から数メートルのところまできたときになんとなく怖くなってきました。

その子はうつむいたまま全く動かず、なんだか理由はわかりませんがどうにも生きているように感じないのです。

私は霊感はありませんし、たまたま幽霊を見た的なこともありません。

理由も何かはわかりません。

ですがその子が生きていないという強い感覚を覚えました。

怖くなり駆け足でその場から離れて家へと帰りました。


それからその子を見ることはありませんでした。

あの子は誰だったのか、何のためにあんなところに居たのか不思議でなりません。


赤いランドセルの子 完

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