魔物合成術師さんと妄想偽勇者パーティー

はぁ……死ぬかと思った


『貴方の体力残り1ですよ……瀕死じゃないですか』


俺のステータス低すぎ?


「でそんな瀕死の人を助けたのは誰でしたっけ〜?」


……えっと誰だっけ


目の前の少女はさっきまで煽っていた顔から真顔になった。表情豊か


『忘れたんですか?アレですよ、趣味が下層の人間を見下すのが趣味な性悪情弱賢者様』


この剣切れ味良すぎだろ。物理じゃなくて精神攻撃で傷エグってくるタイプだ、剣だけど刃がない癖にこの人でなし!何者だよっ


『あっ後誘拐に自白剤も飲ませていたんでしたっけ恐ろしいさっさと自首した方が良いんじゃないですか?さぁ行きましょうコケさん』


おっと二回攻撃、お前だって人の体使って脅したじゃんとか言ってはいけない。


「貴方だってボクを脅したでしょ!貴方の方が捕まるべきじゃないんですか?」


いや俺は脅してない!……?えっとタンマ。お前の声って皆に聞こえるの?


『いや持ち主にしか聞こえない様にしてます。それがお約束なので』


お約束とか言うな……いやさっき普通に会話してたよね?声聞こえてんじゃない?


『聞こえてます?』


「はい」


『はい?』


ほらポンコツじゃん


『あーもうどうでも良いです』


「賢者さんは何か用?」


「事情は大体は分かっているつもりです。でも完璧じゃない……ボクは全てを理解したいんです。だから貴方に付いていって全てを理解したい、貴方がクロかシロかはっきりさせたくて何から言われたら監視役って事にしときます」


訳分からない。本当に分かんない……魔王の肩入れしてるんだったら黒だろ魔王二代目名乗ってるなら黒だろ。アウトだよ


「で良いですか?」


……もし駄目って言ったらどうする?


少し考える仕草をした後笑った。それは可愛らしい方では無くニタァって言う効果音がつきそうな悍ましい方だった。怖い


「その場合は後ろからこっそり付いていきます」


成程……非公認ストーカーか公認ストーカーか今選べって事か、いやまずストーカーするなよ。法を犯すな


『面白そうだし(味方にした方が色々良さそうだから)良いんじゃないですか』


「やったー!」


いや俺は何も


「多数決って知ってます?」


いやだとしても一対一だろ?だったら


「何言ってるんですか……ボクは勿論自分の方へ入れるので二対一でこれからよろしくお願いします!」


『賢者が仲間になった!』


「仲間じゃないですよ?今一番気になる推しです。少しは頑張るつもりなので末長くよろしくお願いしますね」


『プロポーズじゃんそれ……うっわやっば』


遠い昔の表現で蛇に睨まれた蛙と言う表現がある。それは嘘でも何でも無いんだって事をその時に理解した。後魔王様化けの皮剥がれてますよ


『いっそ勇者の未来の仲間寝取ってこっちの仲間にして偽勇者パーティーとしていずれ勇者達と戦うのも良いですね』


恐ろしい考え……流石魔王だ。悪い考えが容易く浮かぶ


『左腕ですよ今は物理的に』

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