音
身ノ程知ラズ
音
僕は無職だ、強いて言うならコンビニのバイトでなんとか
生活をやりくりしているがまぁ何もしていないただの一般人だ
そんな僕だがとある日を境に奇妙なことが起こり始めた
少し休みをもらった後の久々のバイトの日
外に出るのが億劫に感じたが生きていくためには仕方ない
そう決心して布団から出ようとした瞬間
やかんで沸かした水が沸騰した時のような甲高い音が聞こえた
咄嗟に耳を塞いでもまだ聞こえてくる
なんの音だと家の中を探し回るが音源は見当たらない
耳鳴りか何かだろう、バイト終わりに病院に行くことを決めて
特に気にせずにバイト先へと向かった
久々の出勤とあって店長や同僚にどやされると思っていたが
そんなことはなかった、ただ少し無視されている気がした
僕が何かしただろうか、いや特に何もしていないはずだ
休んだのは申し訳ないと思っているがそこまで酷いことだろうか
気にしても仕方がないので仕事に専念する
その間もずっとその耳障りな音はこびりついて離れなかった
そのせいであまり作業に集中できず、ミスも連発してしまい
今度こそどやされると思ったがお咎めなしだった
不思議に思いつつも給料入るならなんでもいいかと思い帰路に着いた
家のドアの前には数人の警察官がいた
「〜〜さんですね?とりあえず話は署で聞くんで…」
あぁそうだった、この音は元カノ殺した時の断末魔か
まぁなんでもいい、だって俺は何もしていないのだから
音 身ノ程知ラズ @mizoken
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