友達を守るためにくすぐりを受け入れる宮本さん
宮本さんだけでなく吉浦さんまでくすぐられてしまったあの日から数日、僕は再び演劇棟の2階に身を潜めていた。また同じようなことが起きると予想したからだ。
吹き抜けから覗き込んで待っていると、やはり宮本さんは来た。しかし、予想とは異なり男子二人を伴っていた。
「ねえ、本当に約束守ってよ?」
「分かってるってw宮本さんが大人しくくすぐらせてくれる内は吉浦さんには手を出さないよ。」
どうやらそういう取引のようだ。これで無理矢理襲ったりせずとも宮本さんをくすぐれるわけか…。
宮本さんは端の方に連れて行かれ、この間吉浦さんが縛り付けられていた十字架のような形をした重そうな道具(?)のようなものに紐で縛り付けられてしまった。腕を横に広げさせられて動けなくなった宮本さんの背後と正面に男子達が立って、宮本さんに手を伸ばす。
「うふふっ!うふふふふふふ!」
まずは背後の男子に脇の下をくすぐられ始めた宮本さん。もう何度も見ているせいで感覚が麻痺しているが、宮本さんほどのかわいい女子が男子に脇の下をくすぐられているなんてとんでもないことだ。しかも、宮本さんは望んでるわけでもなくむしろ嫌がっているというのに。
「うふふふっ!やっ!うふふふん!やだくすぐったい〜!」
「やはっ!やっ!いやっ!あはははは!?やめて〜!やはははは!」
「相変わらずくすぐってるだけなのにやらしい反応しやがってw」
「いやっ!あははは!だって!やはははは!そんなことするからー!あははははははん!」
脇の下をこちょこちょとくすぐられる合間にもつんつんと突かれたり、ぐりぐりとほじくられたりしてしまう宮本さん。反応からするとまだそこまで強くはくすぐられていないようだ。しかし、正直、女子が男子にこんなことされてるのはいやらしいと僕は思う。
「やっ!やっ!あひっ!あひゃははは!あっ!はっ!あははははん!はあああぁ〜ん!!」
「やははははん!やだ〜ん!やはっ!やはははは!いや〜!あははははああああ!はあっ…はあっ…はあっ…」
背後から脇の下を散々こそばされた宮本さん。ようやく止まったと思ったが。
「ひゃっ!?やははああ!?なんでまた!?やははははん!」
今度は正面にいる男子に宮本さんはまたも脇の下をくすぐられ始めてしまった。
「あははは!あははははは!やめてえ!やはははははん!」
「あはん!やはあん!いやははははは!」
宮本さんは長い髪を振り乱して必死に身体をすくめようとしたり左右に捩ろうとしたりするが動けない。
「あははは!あはっ!…!?えっ!ちょっと!何してるの!?」
突然叫んだ宮本さんは後ろを振り返ろうとして身体を捻っていた。背後にいた男子はしゃがんでいた。
「白か…」
「…!?最低っ!なんでこんな…あはははっ!?ちょっと今…あはははははは!」
責める宮本さんをよそに、今度は二人が同時にくすぐり始めた。前から脇の下を、背後から脇腹をくすぐられる宮本さん。
「あははは!あはははは!ちょっと!あははは!もう!あはっ!あははははははは!」
前後を入れ替わりながら宮本さんの身体をくすぐり続ける男子達。
「あはははは!いやはははは!あっ!ちょっと!」
最初に正面にいた男子が今度は背後でしゃがんでいた。
「ほんとだw白だw」
「ちょっとやだ!見ないで!やははははははん!」
恥ずかしい思いをした宮本さんの声はさらに上ずっていく。
「やはあ!やははははあああ!いやあ!やはははは!」
「あはああああっ!やはああああっ!いやあ!やはあああんっ!いやははははああああああ!」
ひたすらにくすぐられ続けてようやくくすぐりが止まった。
「やべ、委員会の会議始まるじゃん。」
「はあー、だりー。しゃーねえ。また一時間後に戻ってくるか。」
「また戻って来たらくすぐってあげるから、宮本さん待っててね〜w」
そして、二人は出て行った。
チャンスだ。僕はこの時を待っていた。
彼らが去ったのを確認して、僕は静かに1階へ降りる。
ぐったりと項垂れた宮本さんの背後に慎重に忍び寄った────
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