第17話 私とシエナ・ミュラーとハンナ・ウエアーとエマ・ラトナーとでの、インタビュー動画収録
「・・アドルさん・・昨日より格好良いですね・・」
カーツ女史が頬を少し染めて言う。
「・・ありがとう・・少し慣れてきたからかな・・?・・」
そう応えて、昨日座ったのと同じ席に座る。
メイクが終ると、また髪型が丁寧に調えられて、ヘアスプレーで仕上げられる。
状態を手開き鏡で確認させて貰い、リサさんも確認してOKを出してくれたので、メイクアップシートから立ち上がる。
収録スタジオも昨日と同じ5階だ・・案内されると、セカンドディレクターのデザレー・ラベル女史が出迎えてくれたのだが・・私を観て驚いた様子を見せる。
「・・アドル・エルクさん・・すごく格好良いですね・・見違えました・・」
「・・ありがとうございます・・馬子にも衣裳ですね(笑)・・」
そのようなやり取りをしながら、控室に案内される・・。
控室では既に3人がスタンバイしていた。
細かく描写する事はとてもできないが、何と言えば良いのか・・ミディアムクラスのイブニングパーティーに出席する際の装いのように観える。
そして何よりも・・本当にものすごく美しい・・トップクラスの女優の存在表現と言うものを・・初めて目の当たりにさせて貰っている・・しかも適度に力を抜いて魅せる余裕と言うのか・・それが美しさの潜在力をも示しているように観える・・。
「・・3人とも、すごく綺麗ですよ・・」
「・・ありがとうございます・・アドルさんも、とても素敵にキマっていますよ・・」
と、赤を基調としたドレスのシエナ・ミュラーが言う。
「・・やっぱりアドルさんは、とても素敵なイケメンですよ・・イイです!・・」
と、青を基調としたドレスのハンナ・ウエアーがサムズアップをキメる。
「・・私もそう思います・・とっても素敵で・・すごく格好良いです・・」
と、オレンジ色を基調としたドレスのエマ・ラトナーが上目遣いで私の顔を観る。
「・・皆さん、すっごく素敵で綺麗です・・あの・・写真、撮っても良いですか・・?・・」
「!・どうぞ、どうぞ!・あっ!・アドルさんは私達の後ろに立って・・好い写真が撮れるわよ・・」
と、ハンナ・ウエアーが私に指示して後ろに立たせ、リサ・ミルズに撮影させた。
何枚か撮らせた上に、携帯端末のカメラアプリをリモートシャッターにセットして、リサ・ミルズも私と一緒に後ろに立たせて、2枚、撮影した。
「・・皆さん、お待たせしました・・こちらも収録の準備が整いましたので・・そろそろスタジオセットへの移動をお願いします・・」
と、デザレー・ラベル女史が控室に入って来て告げる。
控室から出るとリサ・ミルズ女史は、用意されていたテーブル席に先に座って待っていたハル・ハートリー等4人と合流して、席に座った。
私達4人はラベル女史に促されて、低いステージ上に置かれた4つのソファーに、既に設置されているカメラから観て、右から私、シエナ・ミュラー、ハンナ・ウエアー、エマ・ラトナーの順で座る。
マスターディレクターのアランシス・カーサーと、ファーストディレクターのハイラム・ケラウェイが歩み寄る。
「・・アドル・エルクさん・・連日のインタビュー動画収録にご協力を頂きまして、ありがとうございます・・昨日は私が質問致しましたが今回は、アランシス・カーサーが質問させて頂きます・・」
ハイラム・ケラウェイがそう言って3歩退がる。
「・・アドル・エルクさん、シエナ・ミュラーさん、ハンナ・ウエアーさん、エマ・ラトナーさん・・弊社マスターディレクターのアランシス・カーサーです・・今回のインタビューでは、私が質問致しますので宜しくお願い致します・・動画は、皆さんの応答の部分を撮影して収録致します・・勿論、お答えは任意で頂きますので、答えたくない場合や答えられない場合に於きましても、遠慮なくその旨を仰って頂いて結構です・・何かご質問はございますか・・?・・」
私も彼女達も口を開かなかった。
「・・ありがとうございます・・それでは今一度、姿勢の調整をお願いします・・背を背凭れに付けずに、上体を直立させて深くお座り下さい・・」
昨日、インタビューの前に言われた事を思い出して姿勢を整える。
アランシス・カーサーが右手を挙げて合図をして、スタイリストとメイクアップアーティストを呼び寄せる。
2人の女性スタッフがステージの外から直ぐに来て、私達4人の周りを素早く動き回りながら、細かい身嗜みとか着こなしのバランスとか、髪型やメイクの細かい調整を行い、終わると直ぐに退がった。
「・・それでは、ライト!?・」
「・・ライト、OK!・」
「・・カメラ!?・」
「・・カメラ、OK!・」
「・・サウンド!?・」
「・・サウンド、OK!・」
「・・それでは皆さん、宜しくお願い致します・・深呼吸をして、リラックスして参りましょう・・もう少し顎を引いて頂いて、微笑みを絶やさないようにお願いします・・それでは参りましょう・・」
ハイラム・ケラウェイが右手を拡げて見せて5秒前・・一本ずつ指を折って見せてカウントダウン・・最後に残った人差し指で、キュー!
「・・『ディファイアント』のアドル・エルク艦長・・再びインタビューにご協力を頂きましてありがとうございます・・宜しくお願い致します・・」
「・・こちらこそ、宜しくお願い致します・・再びインタビューを受ける事が出来て光栄です・・」
「・・受け答えに卒が無いわね・・アドルさんて・・底がどれくらいの深さにあるのか・・ちょっともう解らないわね・・」
少し離れたテーブル席で、リーア・ミスタンテが小声で言う・・他のメンバーは無言で頷く・・リサ・ミルズは、「・・そうですね・・」と、更なる小声で言う・・サウンド集音システムは非常に洗練されているので、周囲の雑音は先ず拾わない・・拾ったとしても、後でいかようにも分離・削除できる・・。
「・・それでは先ず、アドル艦長のお隣の御三方をご紹介下さい・・」
「・・分かりました・・先ず私の右隣の方ですが・・『ディファイアント』の副長に就任して頂きました、シエナ・ミュラー女史です・・そのお隣が・・カウンセラーに就任して頂きました、ハンナ・ウエアー女史・・そのお隣が・・『ディファイアント』のメインパイロットシートに座って頂く事になりました・・エマ・ラトナー女史です・・」
「・・分かりました・・ご紹介頂きまして、ありがとうございます・・アドル艦長・・『ディファイアント』のメインスタッフとサブスタッフは、既に決定されているのでしょうか・・?・・」
「・・はい・・メインスタッフは既に全席が決定しておりまして、『ディファイアント』の司令部として完全に成立しました・・が、サブスタッフが全席決定する迄には・・今暫くの時間を必要としております・・」
「・・分かりました・・お答え下さり、ありがとうございます・・では、シエナ・ミュラーさんにお伺いします・・アドル・エルクさんからのオファーを受けた時に、どう思われましたか・・?・・」
「・・私を含めて多くの女性芸能人の皆さんが、このゲーム大会に参加する事を望んでいましたので、オファーを頂いた時には率直に嬉しかったです・・アドル・エルクさんの為人も・・彼が私に副長のポストを望んでいる事も・・その時には知りませんでしたが・・」
「・・それでは、アドル・エルクさんに初めてお会いした時と・・副長のポストを提示された時には、それぞれどう思われましたか・・?・・」
「・・初めてお会いした時に彼は、最初の面談は私とすると決めていたと言いました・・その理由を訊いた時にアドルさんは・・私に副長をやって貰いたいからと言ってくれました・・副長の人事は艦長の専任事項でもあるから、とは仰いましたが・・アドルさんは私に副長として最も必要とされ、期待されている統率力が備わっていると言ってくれました・・これまで私にそんな事を言った人はいませんでしたので、アドルさんにも副長と言うポストにも、強い興味を持つようになりました・・」
「・・艦の中で最も統率力が必要とされるのは、艦長なのでは・・?・・」
「・・私もそう思ったのでそう訊いた時にアドルさんは・・艦長は頂点なのでメインスタッフとは言えない・・メインスタッフの中で最も統率力が期待され、リーダーシップを必要とされ、求められるのが副長なのだと説明されました・・」
「・・それでシエナ・ミュラーさんは・・どうして副長への就任を諒承されたのですか・・?・・」
「・・私に・・私自身も知らなかった初めての側面を見付けてくれて、教えてくれたのかも知れない・・その側面を磨いて・・育ててくれるのかも知れない・・そう思った時に・・アドル・エルクさんを信頼して、引き受けてみようと思いました・・」
「・・成程・・そうでしたか・・分かりました・・では、シエナ・ミュラーさん・・現在の心境について、お伺いします・・今貴女は、アドル・エルクさんをどう思っていらっしゃいますか・・?・・また『ディファイアント』の副長としての抱負もお願いします・・」
「・・今私はアドル・エルクさんの事を、最高の上司・・或いは先生と思い、そう観ています・・彼を支えてメインスタッフとブリッジをまとめ上げ・・力と意思を集め合わせてこのゲームに参加し・・可能な限り長く戦い抜き・・出来れば上位に食い込むのが、今の私の抱負です・・」
「・・アドル・エルクさんは・・男性として魅力的でしょうか・・?・・」
「・・はい・・非常に魅力的だと思います・・」
「・・シエナ・ミュラーさんが・・アドル・エルクさんに対して恋愛感情を持つ、と言う事は有り得るのでしょうか・・?・・」
「・・今は持っていませんが・・将来的には分かりません・・有り得るのかも知れません・・ですが、もしも持ったとしても・・私は副長ですのでその感情に呑まれたり、流されたりはしないで・・艦長を支え、クルーと艦を守って戦い抜くための力を・・その感情から引き出したいと思います・・」
「・・貴女以外のクルーがアドル艦長に対して恋愛感情を持つようになり・・艦長に対して恋愛的なアプローチをし始めるようになったと観えた場合・・貴女は副長としてどうされますか・・?・・」
「・・やはり副長としてそのクルーと対話し・・先程に申し上げた自分の場合に於いての対処法を伝えて・・艦長と艦とクルーを守って戦い抜くための力を・・その感情から引き出して欲しいと言って、説得するでしょう・・」
「・・成程・・分かりました・・貴女が副長に就任された事を、クルー以外のどなたに伝えられましたか・・?・・」
「・・通話ででしたが、父母と弟と妹と・・あとは私の会社の役員2人と、劇団の役員2人でした・・」
「・・どの様な反応がありましたか・・?・・」
「・・皆喜んでくれて激励されました・・弟からは、優勝して欲しいと言われました・・」
「・・分かりました・・お答え下さり、ありがとうございます・・では、ハンナ・ウエアーさんにお伺いします・・アドル・エルクさんからのオファーを受けた時に、どう思われましたか・・?・・」
「・・私もシエナ・ミュラーさんと同様に、このゲーム大会の中での、こちらのリアリティ・ライブショウに参加する事を希望し、その意思を表明して自分を登録していましたので、オファーが掛かったと知った時には率直に嬉しかったです・・まだ、アドル・エルクさんの事は何も知りませんでしたが・・」
「・・では、アドル・エルクさんの事はどのようにして知りましたか・・?・・」
「・・実はシエナ・ミュラーさんと私とは以前からの友人同士でして・・このゲーム大会への参加希望も彼女と話し合って決めまして、2人で一緒に登録しましたので、アドル・エルクさんからオファーを頂いたのも彼女とほぼ同時でした・・只私と彼女のスケジュールが少し合わなかったので、アドル・エルクさんとの面談は彼女の方が先になりました・・シエナ・ミュラーさんはアドルさんとの面談直後に私に連絡してくれまして・・色々と教えて頂きましたので、私はアドル・エルクさんの為人に興味をそそられました・・」
「・・アドル・エルクさんと初めて会われた時の、印象と感想はどのようなものでしたか・・?・・」
「・・まだお会いする前でしたが、アドル・エルクさんがシエナ・ミュラーさんに副長への就任を求めたと言う点に、人を観てその人の適性を的確に観て取れる、素晴らしく適確な観察力を高いレベルでアドルさんは持っていると感じました・・初めてお会いした時の印象ですが・・総合商社営業課の係長さん、と言うような印象は殆どありませんでした・・理論物理か理論科学の学者さん、と言うような印象が50%ほどで・・マシンエンジニアかシステムエンジニア、と言うような印象が40%ほどでした・・」
「・・アドル・エルクさんからカウンセラーへの就任を要請された時には、どのように思われましたか・・?・・」
「・・先ず感動して感激して、アドル・エルクさんのスゴい所を一つ観ました・・私は女優ですが心理学者でもありまして、ご存知の方もおられますが・・所属する心理学会派の中では複数の論文を発表してもいます・・アドル・エルクさんは私が発表した論文の幾つかを挙げて、その有用性や先見性や先進性を称揚して高く評価して下さり・・その上で自分が指揮を執る艦の中で、カウンセラーとして私の知識と見識を活かし・・自分と艦を支えて欲しいと強く願われましたので・・鳥肌が立つほどの感動と共に、要請を受諾させて頂きました・・」
「・・アドル・エルク艦長はカウンセラーとしての貴女に何を望み、求めていると思いますか・・?・・」
「・・その時点に於ける全クルーの心理動向と心身の状態・・特にストレスレベルと士気について、助言を求められるだろうと思っています・・また・・他の艦のクルーと接触する場合に於いて・・対象者の心理動向や感情の流れとか動きについても、助言を求められるだろうと思います・・」
「・・艦のクルーがアドルさんに対して恋愛感情を持ち、恋愛的なアプローチをしようとしていると観て採れた場合や若しくは、そのような相談を貴女が受けた場合・・カウンセラーとしての貴女は、どのように対処しますか・・?・・」
「・・それは先程にシエナ・ミュラーさんが答えられた対処法と、全く同じになると思います・・」
「・・今の貴女にとってアドル・エルクさんの存在とは、どのようなものでしょうか・・?・・」
「・・まだアドル・エルクさんにお会いしてそれ程に時間は経過していないのですけれども・・彼のスゴい所を観せられ続けていますので・・今の私にとってのアドル・エルクさんは・・高い・・高い憧れの存在です・・年の離れた・・とても敵わないお兄さんのような・・」
「・・アドル・エルクさんは、貴女にとって魅力的な男性ですか・・?・・」
「・・とても・・魅力的な男性ですね・・」
「・・恋愛感情を持たれるような可能性は・・?・・」
「・・もう既に持っていると言っても、決して過言ではないかと思います・・」
「・・どうされるのですか・・?・・」
「・・これも、先程にシエナ・ミュラーさんが答えられた対処法を・・採るしかないかと思われます・・」
「・・貴女がカウンセラーに就任された事を、どなたかに伝えられましたか・・?・・」
「・・残念ですが、クルー関係者以外ではまだ誰にも、伝えられていません・・」
「・・どなたに伝えたいですか・・?・・」
「・・父母と姉と・・私の出身大学の恩師と・・あとは芸能界以外での古い友人達に伝えたいです・・」
「・・分かりました・・どうもありがとうございます・・では、エマ・ラトナーさんにお伺いします・・エマ・ラトナーさん、『ディファイアント』のメインパイロットに就任されたそうで・・おめでとうございます・・」
「・・どうもありがとうございます・・このゲーム大会には、メインパイロットとして参加する事が第一希望でしたので・・率直に、本当に嬉しいですし・・アドル・エルクさんにも本当に感謝しています・・」
「・・どうしてメインパイロットに就任する事を、第一希望としていたのですか・・?・・」
「・・私は車と飛行機は操縦した事があるのですが、船はまだ無いのですね・・本当は宇宙船の操縦をやりたいのですけれども、これはほぼ無理ですので・・このゲーム大会には、メインパイロットとして是非とも参加したいと思いまして、自分を登録しました・・アドル・エルクさんからオファーを頂き・・メインパイロットに就任して欲しいと望まれた時には・・感激と感動と感謝を最大限に感じました・・本当に有難かったです・・」
「・・アドル・エルクさんに対して感じられた第一印象とは、どのようなものでしたか・・?・・」
「・・こう言うと失礼になるだろうと思いますので、申し訳ないのですけれども・・ちょっと恰好の良い・・普通の男性と言う印象でした・・」
「・・今ではどのような印象を持っていらっしゃいますか・・?・・」
「・・アドル・エルクさんのスゴい所・・素晴らしい所・・好感ポイントは・・直ぐには分かりません・・一緒にいて話を聴いたり会話したり・・同じ事に一緒に取り組む中で・・次々と見せ付けられます・・それで印象は次々と換わっていきます・・今の印象は、本当に素晴らしいリーダー・・と言うものですね・・」
「・・今のアドル・エルクさんを、どのように想っていらっしゃいますか・・?・・」
「・・今のアドル・エルクさんは、私にとっても本当に高い・・憧れの存在ですね・・」
「・・貴女は『ディファイアント』のメインパイロットとして、どのように操艦したいですか・・?・・」
「・・とにかく求められる操艦をスピーディーに・・解るのであれば、先回りしてでもやります・・小回りの効く軽巡宙艦ですから・・最短距離で移動できるように・・最小半径で旋回できるように、心掛けて行います・・デプリの多い宙域ですので・・デプリを戦術に巧みに利用できるように・・デプリの存在をも味方に付けて操艦できるように・・心掛けて行います・・」
「・・アドル・エルクさんは、貴女にとって魅力的な男性ですか・・?・・」
「・・はい・・私にとっても本当に魅力的で・・素敵な男性です・・」
「・・貴女はエクセレント・フォーミュラ・クラスに属する国際スピードポッドレースチームのマスターパイロットですが、このゲーム大会にはどの位の頻度で参加できるのでしょうか・・?・・」
「・・最優先でこのゲーム大会の全日程に、可能な限り、出来得る限り参加します・・私が所属するレースチームの関係者には既にこの事は報告して、新しい契約条項に合意して締結する為の協議に入っていると、私の代理人から報告が届いています・・レースチームの関係者・・監督もオーナーもこの件には協力的でして・・ゲーム大会の開幕までには新しい契約条項に、合意して締結できるものと見込んでいます・・」
「・・そうだったのですか・・よく理解が得られましたね・・?・・」
「・・このゲーム大会は既に世界中で注目の的でして・・初めて話をした時に監督やオーナーも、それはすごいビッグチャンスじゃないかと・・こっちの事は気にしなくても良いから、思いっ切りチャレンジするべきだと・・そこまで言ってくれたので・・私も最初から最後まで思いっ切りチャレンジし続けようと思っています・・」
「・・メインパイロットへの就任は・・もうお二人には伝えられたのですか・・?・・」
「・・はい・・家族よりも先に伝えました・・2人とも物凄く喜んでくれて・・何があっても生配信は、絶対に最初から観るからと言ってくれました・・」
「・・ご家族の反応はいかがでしたか・・?・・」
「・・とても喜んでくれて・・お前なら誰よりも速く艦を動かせると言ってくれました・・」
「・・アドル・エルクさん・・昨日と今日で連日の撮影セットの見学でしたが、如何でしたか・・?・・何か気が付いた点はありましたか・・?・・」
「・・今日の見学で知ったのは、私が選抜したクルー達の優秀さです・・初めて観るセットの初めて触れた機器・パネルであるにも関わらず、彼女達は臆せず動じず冷静に触れて操作し、確認作業を行いました・・その様子を観て、私の彼女達に対する信頼度は益々向上しましたし・・私の選抜が間違いでは無かった事を強く確信できました・・」
「・・シエナ・ミュラーさんに伺います・・初めて撮影セットを見学されて如何でしたか・・?・・気に入られたデッキはありましたか・・?・・」
「・・はい・・初めて撮影セットを見学させて頂きましたが・・素晴らしいセットですね・・只の模造品でも張り子の設備でも装置でもない・・まるで本物と見紛うばかりの精巧さで・・本物と同じような感覚で操作もできる・・ビューワーも含めて総ての表示装置は本物ですし・・コンピューターも本物ですね・・勿論、食べ物も飲み物も本物と言う事で、非常に助かります(笑)・・私が気に入ったのは個室とフィットネスデッキは勿論ですけれども(笑)・やはり、ブリッジとバーラウンジですね・・ブリッジシートの座り心地は最高ですし、固定端末の使い易さも最高です・・副長控室は個室と同等に気に入りました(笑)・バーラウンジは、何も無ければ毎日入り浸りそうな程の居心地良さですね・・あそこでやって観たい事が20種類はできました・・」
「・・詳しくお答えを頂きまして、ありがとうございます・・続きましてハンナ・ウエアーさんに伺います・・同じ質問になりますが、宜しくお願い致します・・如何でしたでしょうか・・?・・」
「・・やはり、素晴らしい撮影セットでした・・規模も、精緻な造り込みも、使い易さも、本物と見紛うばかりの機能も、居心地の好さそうな雰囲気も、本物と同じ機能・性能で使える一部の機器や施設も、水準以上のレベルであると思いました・・気に入ったデッキはやはり私も、個室・フィットネスデッキ・バーラウンジ・ブリッジですね・・何も無ければ私もバーラウンジに入り浸ってしまうだろうと思います・・勿論、何も無いなどと言う事は無いのだろうとは思いますけれども・・只、私はカウンセラーとして乗艦しますので・・私の個室には、カウンセラーのオフィスとしての機能と・・カウンセリングの際に使えるような落ち着ける部屋があれば好いな、とは思いました・・」
「・・ハンナ・ウエアーさん・・また詳細な感想と共に、貴重なご意見と言いますか、尤もな要望をもお寄せ頂きまして、本当にありがとうございます・・今お寄せ頂いたご要望は直ぐにでも検討するべき案件と思われますので、まだ時間もありますし・・我々にお任せを頂きたいと思います・・より善い形でお応えしたいと思います・・それでは続きまして、
エマ・ラトナーさんに伺います・・こちらもまた、同じ質問になってしまうと思いますが、宜しくお願い致します・・如何でしたでしょうか・・?・・」
「・・撮影セットの全体についての感想でしたら・・先のお二方が仰られた感想と全く同じです・・本当に素晴らしい・・どのような側面から観ても、水準以上の撮影セットであると私も思います・・私は水泳が好きですので、プールがあるのは嬉しいです・・また歌う事も好きですので、バーラウンジの奥にステージがあるのは嬉しかったです・・でも特に気に入ったのは、ブリッジでのメインパイロットシートとシャトルです・・あの操舵パネルの洗練されたデザインには感激しました・・操作性も利便性もショートカットも水準以上であると感じました・・そして、シャトルはその総てが気に入りました・・早くフィールドの中を自分の手で自由に操縦したいです・・あと、もしも許されるのであれば・・シャトルの中の1機は、私の専用機とさせて頂きたいです・・でもご無理でしたら、この要望は撤回します・・最後に、出航後24時間以内に親睦パーティーを開催する、と言う事ですので・・そのパーティーの中で3曲は歌わせて欲しいです(笑)・・」
「・・ありがとうございます・・エマ・ラトナーさん・・大変に詳細な感想を頂けて、私も感動しております・・操舵席とシャトルを特に気に入って頂けて、ありがとうございます・・保有するシャトル8機の中の1機をエマ・ラトナーさんの専用機とすると言う案件については・・アドル・エルク艦長に相談されれば、決裁が得られるのではないかと考えます・・如何でしょうかね・・?・・アドル・エルクさん・・?・・」
「・・そうですね・・メインスタッフが全員揃った時に、協議しようかと思います・・まあ、特に問題は無いだろうと思いますけれども・・」
「・・分かりました・・善い協議結果が出ますように、お祈りします・・では、アドル・エルクさん・・ゲーム大会開幕までのご予定についてお伺いしましょう・・」
「・・そうですね・・開幕までの予定と訊かれましても、既に決定されている2つの大きいイベントには、最大限の人員で参加しようと考えています・・それ以外にもそちらからの参加要請があれば・・その都度考慮して、適切な人員数で参加させて頂きたいと考えています・・それらと同時進行で連絡・対話と面談を重ねながら『ディファイアント』の乗員を組織立って決定し、配置していきます・・ああ、1つお願いがあるのですが、宜しいでしょうか・・?・・」
「・・何でしょうか・・?・・お応えできる程度のものであれば良いのですが・・」
「・・私の職場で同じプロジェクトチームの同僚として、お互いに支え合いながら業務を遂行している仲間の何人かに・・ここを観せてやりたいと考えていまして・・既に開催が決定している2つの大きいイベントも含めて・・一緒にイベントにも参加しながら・・撮影セットも見学させてやりたいと考えているのですが・・宜しいでしょうか・・?・・」
「・・そうですねえ・・既にリサ・ミルズさんも見学されているのですから・・高名なアドル・エルクさんからのご要望でもありますので・・こちらとしても吝かではありません・・何人程度になりますでしょうか・・?・・」
「・・リサ・ミルズ女史は除いて、多くても3人です・・」
「・・そうですか・・分かりました!・アドル・エルクさんだけに、特別に許可しましょう・・リサ・ミルズ女史は除いて頂いて・・3人までです・・観た事は口外無用・・ネットへのアップも厳禁です・・撮影も許可できません・・守って頂けるようにこちらから随伴警護者を就けます・・それで宜しければ・・?・・」
「・・結構です・・全面的に承認致します・・」
「・・合意形成に至る事が出来て善かったです・・ゲーム大会の開幕まで通用する、フリーネーム・スペシャルパスを3枚・・直ちに発行してお渡ししますので紛失されないように、宜しくお願い致します・・1枚でも紛失されたら3人とも入れません・・そして、弊社施設に入る直前の時点で、pidメディアカードの提示をもお願いします・・そこまでご了承下さい・・」
「・・総て諒承させて頂きます・・そして、ご配慮に感謝致します・・」
「・・それではアドル・エルクさん・・シエナ・ミュラーさん・・ハンナ・ウエアーさん・・エマ・ラトナーさん・・長時間に渡り、インタビュー動画の撮影と収録にご協力を頂きまして、本当にありがとうございました・・収録させて頂きました動画は・・今回弊社が制作致します・・リアリティ・ライブ・ゲームショウの番組宣伝用のプロモーションビデオの1部として活用させて頂きます・・現在、最も注目を集めていると言っても過言ではない、アドル・エルクさんとそのメインスタッフの皆さんのお話が聞けた事は、貴重でもあり幸運でもあり、光栄でもありました・・改めてお礼を申し上げます・・ありがとうございました・・・・カット!!・・OK!!・・お疲れ様でした!・ありがとうございました!・・」
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