12月15日
タイトルを見て「今は8月なのに、なぜ?」と思われた方もいらっしゃると思います。この日は祖父の命日なんです。祖父は7年前の12月に亡くなりました。
その日は塾の帰りに新しい靴を買いに行く予定で、塾の授業中に「どんな靴を買ってもらおうか」とワクワクしていたのを覚えています。テンションが上がりつつ、迎えの車に乗った時でした。母から「危篤やって」と告げられたのです。
それから母は祖母を拾って、祖父が入居していた老人ホームへと車を飛ばしました。法定速度を完全にオーバーしているスピードでした。道すがら、私はずっと、手を組んで「間に合え」と祈っていました。組んでいる手が汗ばんできた感覚は、今でも覚えています。
老人ホームに着いた時には、祖父はもう亡くなっていました。誰も死に目には会えませんでした。
ここまで湿っぽい話をしてしまいました。祖母は霊感があるからか、時々祖父が夢枕に立ちます。祖母が聞かせてくれた話によると、あの世には個人の家があり、飲めるお店があり、通貨まであるそうです。しかも飲み屋さんは、小銭で飲めるそうです。
こうして見てみると、違いはあの世かこの世かというだけで、暮らしぶりは変わらないのかもしれません。
祖父は亡くなって7年がたった今でも、たまに私の家にいます。祖父がいる時は、何らかのサインがあります。誰も帰ってきていないのに玄関のドアが開く音がする、「カチッ」と100円ライターで火をつけた時のような音がする(タバコを吸う人だったので)などです。しかも、なぜかそういう時は「あれ? 今のなんだ?」から「あ、〇〇だ!」と分かるまでが速いのです。
それはそうと、祖父がこちらにいるということは、祖父は天国に行けたのでしょう。だって地獄にいたら、お酒を飲んだりこの世に遊びに来たりはできないでしょうから。
いのち短し 感ぜよ乙女 卯月みお @mio2041
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