第9話それぞれの未来の話①

~side時雨崎京子~



 わたくしは時雨崎京子。第一回種付け配信に応募させて戴いた所、見事当選しましたの。まるで夢の様でしたわ…。あの時の事は今でも忘れません。


「…痛みと共に…刻まれましたもの♡」


 初めてがあんなに痛いものとは思っていなかったですわね…。いつまでも違和感があって、歩き方がぎこちなかったものですわ。


れんちゃんを見るたびあの時を思い出してしまいますわね…」


 あれから月日が流れた。あの時妊娠して出産した恋ちゃんももう十五歳になった。


「今日はお父さんが来るんだよね?」


「ええ…そうですわ」


 彼は妊娠させた女性を気遣い、たまにだけど会いに来てくれますわ。この世界では本当に珍しいです…。それこそ異世界から来たと言われれば絶対信じますわ。それくらい有り得ないもの…。


も待ち遠しいみたい…」


「くすっ…。ホントに待ち遠しいですわね」


「私も種付けしてもらってもいいかな?」


「駄目に決まってますわ!わたくしが愛してもらうんですから!」


「お母さんばかりズルい!私ももう妊娠出来るんだから!」


「イチャイチャする時間が減りますもの…」


「お母さんの馬鹿!私もお父さんが大好きなのにぃー!」


 娘には手を出さないと言ってましたが…わたくしがこうやって誤魔化すのは流石に限界ですわよ?後はお父さんに任せるとしますわ。くすくすくす…。





******

~side白・笙鈴~



 あいや~ビックリしたアル…。あんなの凄すぎアル!駄目元で送ったのに見事当選アル。人生は分からないモノアルネ!私が本気で惚れたから御褒美アルか?神様ありがとうアル!


 あれから3ヶ月後。お腹が徐々に膨らんで来たアル!私の中に新しい命が息吹いてるアル!それにしてもホントに一回でなんて凄いアルよ!少し疑ってたアルけど許してチョンマゲドンアル!


 さらに妊娠5ヶ月目の時点で男の可能性と聞いたアル!マジ半端ねぇ~っすアル!



 さらにさらに時は流れて…


「オギャアーーオギャアーーー!!!」


「産まれましたよ白さん!」


「はぁはぁ…性別は…はぁはぁ…ホントに…男アルか?」


「はい…間違いなく男の子です!中国このくににも希望の光がっ…」


「…良かったアル!」



 大仕事を終えた後、少し眠っていたみたいアル!目を覚ますとそこには…


「大仕事お疲れ様…よく頑張ったね白さん」


「な、なんで…居るアルか?」


「そりゃあもうすぐ産まれると聞いたからね…当然でしょ?」


「わざわざ…来てくれた…アルか?」


「あれだけって…出来ないよ…」


「…中々会えないのに…これ以上惚れさせてどうするアル?」


「短いけど、時間を作るよ」


「…ありがとうアル!次はちゃんとイチャイチャ出来る時に来るアル!」


「了解!」




 本当にこの人に巡り合わせてくれてありがとうアルよ…。幸せアル!





******

~シーダルアバレバル─長いのでカット~



 素晴らしい時間を過ごした!アタイはアタイの全てを出し尽くしたと言っていいだろう。とにかくアタイは漏れない様に蓋をして村へと帰った。



 村に帰るとアタイは英雄として迎えられた。その後、時は過ぎ、


「お母さん!」


「どうした息子よ!」


 私が授かったのは男児。息子は産まれると同時にこの部族の光となった。


「さ、流石に村の子の相手を1人でなんて無理だから!?」


「何を世迷い言を…。お前の父親なんて…」


「そんなの嘘だよ!何回もなんて化け物だよ!そんなの存在するわけ…」


「母が嘘を言うとでも?」


「ひっ…だ、だって…」


「貴様を甘やかし過ぎたみたいだな…。丁度良い。来い!今日は貴様の父親が来る日だ。私と村の女全員を貴様の目の前で相手にする様に頼んでやる!この母を疑ったのだ。本当だったら…分かってるな?」


「ひっ…」


「さあ、この母も今日は獣となろうか…」



~追伸~


 僕の父親は化け物でした…。







 















 

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