第6話あの人と

「お待たせしました」


「ん…問題ない」


「じゃあ…宜しくお願いします」


「んっ…」


 僕が車の助手席に乗り込むと彼女は目的の場所へ向けて車を走らせる。お気付きかも知れないけど彼女は総理から僕に派遣された護衛の女性で白峰瑠璃しらみねるりさん。いつも僕を助けてくれる頼りになる三つ年上の女性。先祖代々総理の護衛を務めている家系らしい。


 もうすぐあの配信から1ヶ月になる。多分また忙しくなると思い、いつも助けてもらっているので今のうちにお礼をと思っていたところ、瑠璃さんからキャンプに誘われたんだ。そして今に至る訳なんだけど…正直目のやり場に困っていた。瑠璃さんはミニスカートでミッションしゃを運転しているんだ…。後は言わなくても分かるよね?


「ん…私の太ももに釘付け…」


「…すいません」


 そりゃあ流石にチラチラ見てたらバレるよね…。だ、だってこれは仕方ないよね?男性なら分かってくれるでしょ?ミッション車のギアを切り替える度、ミニスカートの裾が少しズレ…後少しで下着が見えてしまいそうという、あのギリギリの攻防戦。絶対に気になって見てしまうでしょ!?見るなら今でしょう!みたいな感じ…。


「ん…ここから先は夜」


 そう言った瑠璃さんの表情はかなり妖艶に見えた。


「…瑠璃さんは僕でいいんですか?」


「ん…君がいい…君じゃないと…嫌」


 今日はキャンプなんだけどメインはどうやらみたいなんだ。元々誘われた時も「ん…お礼はいらないから私と子作りして欲しい。私は君に夢中」と、言われたからね…。


「は、話は変わりますけど…」


「ん…照れた?」


「…そこはそっと流して下さい。キャンプする場所はどんな所なんです?」


「ん…ホント自然の中…。誰も来ないから…存分に私の喘ぎ声堪能出来る…」


「…返答に困る事は言わないでもらえると助かりますけど?」


「ん…処女だから…優しく…ね?」


「…聞いてます?」


「くすっ…」



 ─そんなやり取りを繰り返しながら目的の場所へ辿り着いた。ホント自然の中。山の中だから当然なんだけどね…。近くには川もあり、魚が泳いでるのが分かる…。


「ん…魚釣って、それを食べる」


 手渡たされたのは釣り竿。


「どっちが多く釣るか勝負しましょうか?」


「ん…面白い…。私に勝てるとでも?」


 力では女性に勝てないけど釣りはそうじゃない。特に川釣りの場合は魚が居そうな場所を見極め、合わせが肝心の筈だ。


「勿論です」


「ん…本当に勝つつもりなの?」


「フッフッフッ…。釣り吉○平と呼ばれた(呼ばれてない)僕の実力…お見せしましょう」


「ん…見せてもらう」




 ─魚が居そうなポイントポイントは─っと、んっ?あそこだ…。木の枝が川へと向かって伸びていて、それが水面に影を作っている。いけぇぇー!俺のウキよ!フィン○ァンネル!


シュッ……ポチャッ……


 ウキが川の流れに乗り、狙っているポイントへと流れていく…。


ピクッ…


 ウキが少し反応している…。まだだ…まだ早い…。


ピクッピクッ…


 エサをつついている…。僕には見える!見えるよ、ラ○ァ~!


スゥッ~~~…


 ─ウキが水中へと姿を消した!当たりを合わせるならここだっ!竿をシュッと立てるとぐぐっと魚の当たりを感じる…。ふふふ。もらったなママン…。魚の引きを楽しみつつ仕掛けを上げると…釣れたのはヤマメと言う魚。川魚の中でも有名でしかも美味しい魚だ。そして釣った魚を針から外して網に入れそれを川へと放り込む。この網が優れもので魚を生かしておけるのがまたいいよね!


「ん…やる」


「負けを認めるなら今のうちですよ?」


「ん…勝負はまだ始まったばかり…」


「今日の僕は不思議と負ける気がしません」


「ん…フラグ」


「失礼な!?」



*****


 一時間程釣りを楽しんだ。僕が釣った魚は三匹…。瑠璃さんは………くっ…18匹…。


「ん…余裕」


「ぐぬぅぅぅ…」


「ん…こっち来る」


 何やら手招きされ、瑠璃さんの元へ。セミロングの黒髪が風に靡いている。左手で風に靡く髪を押さえながら僕を待つ瑠璃さんの姿に目を奪われる。


「ん…今…私に見惚れてた」

「…ですね」

「ん…嬉しい…じゃあ…ヤる」

「えっ…ここで!?」

「ん…私…準備出来てる」

「…さいですか」

「ん…いっぱいおかわりしてね?」



 しっかりを満喫した2人だった…。


 

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