第15話気が付いたら…
「んっ…………っと………僕は?」
「気が付いた?」
「…円香…さん?」
─現状を認識…。僕は今円香さんに膝枕をしてもらっている…。どうしてだ?
「そうだよ…豊和君の円香だよ?─なんてね…。とにかく豊和君はお風呂場で気を失ったのよ?」
「…あ~…なるほど…」
(そうだ。僕は柚希にキスされて…)
今でも触れているんじゃないかと思えるような柚希の唇の柔らかさを思い出すだけで頬が熱くなる…。
「ふふっ…柚希とのキスを思い出したのかな?」
「!?」
(柚希…もうみんなに言ったの!?)
「大変だったのよ?濡れたまま柚希が裸でリビングへと駆け込んできて、事情を聞いて皆でここに運んで…濡れた体を拭いて…皆で服を着せて…」
「…ありがとうございます。んっ、服を着せて?」
「いつまでも裸でいさせる訳にはいかないし…ね/////?」
円香さんの頬が赤みを帯びていく…。皆と言ってたから皆に見られたみたい…。でも…しょうがないか…。この季節じゃ下手したら風邪ひいてしまうし…。
「コホン…。とにかく看病というわけではないけれど、私が豊和君の様子を見たかったの…。娘2人にリードされてるしね?」
「リ、リードって…」
「私が一番年上だし…豊和君は柚希と同じ年だし…母親代わりに何でも出来る事はするけど…私も1人の女性として見て欲しいと思ってるわよ?」
「─それって…」
「私も豊和君が大好きよ…」
そう言って円香さんは僕の額に唇を落とした…。
「ま、まだ…た、耐性がないから…これが今の私の精一杯/////」
そう言って照れる円香さんの顔は凄い破壊力を持っていた…。ただでさえ若く見えるというのに…。慌ててティッシュで鼻を押さえるのも本当に可愛く見える。それなのに、3人もの女性に気持ちを伝えられたというのに僕はまだ何も言えずにいる…。
「それと…焦らなくてもいいからね?すぐに答えを出そうとしなくていいの。私達はただ…あなたの傍に居て、こうして話したり触れ合ったりするだけでも幸せだからね?」
「…円香さん」
「さてと…豊和君も起きた事だし…お風呂途中だったのよね?」
「ええと…そうですね」
「じゃあ…私と入りましょうね…」
「ふぇっ?」
「家族だし…お風呂位一緒に入らないと…ね?」
「あ…え…それは…」
「いっぱい洗いっこしましょう!そうと決まれば行くわよ豊和君!」
「ちょっ!?待って!?円香さん!?」
この後、大変だったのは男性なら分かるよね?スタイル抜群で大人の色気って言うのかな…。とにかく凄かった…。まさか本当に洗いっこする事になるとは…。お互い鼻血を出しながらも何とかやりとげる事が出来た僕を誰か褒めてくれ…。
******
~男性管理局精子検査室~
「…局長。質問なんですけど、これ、何ですか?」
「何言ってるのあなたは?ここに持って来たって事は豊和君のアレに決まってるでしょ?」
「…局長。とうとう頭おかしくなったんですか?」
「ぶっ飛ばすわよ?」
「信じられるわけ無いじゃないですか!?何スかこの量!?」
「3回分よ…」
「…はっ?」
「だ・か・ら・3回分!分かった?それでも減らしたのよ!」
「…減らしたってところが気になりますが…どうせならもっと減らして持って来て下さいよ!これ普通の男性の下手したら一年分の量ありますよ!?」
「それだけじゃないわよ?しかもその量が毎日出るんだから!」
「…………はっ?」
「ヤバいわよね…」
「どんだけ規格外なんです!?」
「しかも非の打ち所がないのよ?」
「と…取り敢えず…検査しますけど…」
「宜しくね…。後は検査結果がどうなるかね…。どの位掛かる?」
「明日迄には…」
「じゃあ宜しくね…」
「分かりました…」
いよいよ結果結果が出るわね…。心配は無いと思うけど…。とにかく私も今までよりももっと彼の身の安全を確保しないとね…。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます