第13話そこは夢の様な…
目がふと覚めたんだと思う。でもまだ瞼は開かないし意識も朦朧としている。それと同時に右手が何かフワフワ柔らかいモノに触れているのが分かった。ソレを掴むと弾力があるものの指が沈み込む様なそんな感じ…。
ムニュッムニュッ…ホント気持ち良い…。
「……ぁ…っ…」
ん?…何か聞こえた?そう思いながらもムニュッムニュッしていると手の平に柔らかいんだけど突起物があるような?それは例えるならモグラが土を掘り返して地面に出てきて己を主張するように僕には思えた。
「……ゃん………………あっ…」
やっぱり声?が聞こえる。僕はそちらの方へと首を動かし瞼をゆっくりと開く。視界に入ってきたのは布団からちょこんっと顔を出している梓希。その表情はうっすら紅潮してている…。なんだ、梓希かぁ…梓希なら安心…………って、
「梓希ぃぃ!?」
「お…兄ちゃん……んっ/////」
左手で慌てて布団を捲ると下着姿の梓希が居た。右手はブラの中に入り込みムニュムニュしたものがなんだったのかが分かる…。えっ……ヤッちゃった!?ヤッてないよね!?記憶にございませんじゃすまないんだけど!?僕のこの気持ち分かってくれりゅ人おりゅぅ!?居ない!?それに手の平のこの感触…これがホントのボッチ・ザ・ポッチか(※全然違います…)!?
こんな時こそ冷静になり現状把握に努めよう…。ブラの中に入ってる右手をスッと取り出し…「あっ…」…艶かしい声は出さないようにね?
「…梓希…どうしてここに?」
「添い寝…かな♡」
「…何故下着姿で?」
「えっ…お兄ちゃんへのアピール?」
何故疑問系なのかは分からないけど手を出してはいないみたい。すると、モジモジしながら梓希が、
「男性は朝から大変…なんだよね?お兄ちゃん、私と…する?」
その仕草のなんたるや破壊力があることよ…。鋼の精神力でその誘惑を乗りきり…
「………しません」
「お兄ちゃん今、間があったよ?」
「…それよりも…昨日の今日で積極的過ぎない?」
「だって…恥ずかしいけど、こうしてお兄ちゃんに触れられるんだよ?」
梓希は僕の頬にその手をそっ─と添えて、
「お兄ちゃん大好き…」
これ…僕の理性ガリガリと音を立て削られていくんだけど!?梓希が顔を寄せてきてまた頬へとその柔らかい唇を落とす…。
「唇はお兄ちゃんからして欲しいから…」
これで落ちない男おりゅぅぅ!?居ないよね!?神様は朝っぱらから何という試練を与えたもうたのだろうか?梓希がその身をおこしベッドから立ち上がると人差し指を唇にあてて…
「いつでも私に何でも言ってね?このお口も私の体の全てお兄ちゃんのモノだから…ねっ!!!」
そう言った後、部屋を後にする梓希。と、同時に廊下から、
「何で…梓希が…豊和君の部屋から、下着姿で…まさか…」
「あっ…お姉ちゃん」
「ヤッたの!?ヤッたのね梓希ぃぃ!?」
「お姉ちゃん、こ、声大きいから!?」
「私も…ヤる!ヤッてやるんだから!!」
「ちょっ!?まだヤッてないから、お、落ち着いてお姉ちゃん!?こ、こんな所で脱がないで!?」
「豊和く~ん!!!」
下着姿の柚希が現れた…。コマンドを選んで下さい…。
⇨ ヤる
じっくり見る
押し倒す
キスをする
テントをどうにかしてもらう
コマンドを選んで下さいじゃないから!?どうなってんの僕の脳内は!?ヤると押し倒す一緒だよね?しかも録なコマンドがねぇーじゃねぇか!?しかも最後テントって…。そんなの思春期男性なら当然そうなってるからね!?わざわざ言わせないでっ!?
******
まあ、何とか柚希の誤解は解けたんだけれど、かなりヤバかったよね?美少女姉妹2人が下着姿で手を伸ばせば届く距離に、目の前に居るんだから…。しかもその後、騒ぎを聞き付けた凛や風華迄…。その日の提出物はいつもより捗った気がする…。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます