第3話冴嶋さんが天使家にやって来た①
3人共玄関に行ったまま戻って来ない。リビングに戻ってくる様子が全く無い為、何かあったのではないかと不安になり様子を見に玄関へと向かう事にした。リビングを出た所で何やら騒ぎ立てる声が聞こえた…。
「騒がしいけどどうかしたの?」
途中声を掛けながらも玄関に向かっていると、
「駄目よ!来ては駄目!」
「取り敢えず冴子さん出直して!」
「そうだよ、そんな格好はマズイよ!」
─3人同時に何か叫んでいる…。ごめん…ちょっと何を言ってるか聞き取れなかった…。
玄関に着くと、3人がドアを必死に閉めようとしていて……………………………………
……………………………………………………
はっ?……ドアが半分程開いており必死にドアをこじ開けようとするほぼ裸の綺麗な女性の姿が目に入る…。最早服を着ているとは言えず動く度に…正直見えている…。幻か!?
目をゴシゴシ……。居るね?消えないね。確実にそこに存在している女性…。その女性が何か叫んで…あっ…女性と目が合っちゃった…。慌てて目を逸らす……。
「先輩…ま、まさか…そちらの子が…?」
「…はぁ~、そうよ。連絡で伝えた私の息子の豊和君。いいこと?くれぐれも手を出さない様にね?分かった?ちょっと、ちゃんと聞いてるの!」
「……ぁ……っ……は…」
「「「「…?」」」」
「恥ずかし!?恥ずかしい/////!?恥ずかし過ぎるんですけど/////!?あ、あんな素敵な男性に肌を見られるなんて/////」
「アンタが見せてんでしょうが!!」
「…冴子さんが乙女ってるっていうの……?」
「…あの冴子さんが照れてるの!?」
「しぇ…しぇんぱい…ふ、服を…貸してくだしゃい/////」
「…はぁ~…豊和君は悪いけど柚希と梓希とリビングに戻って置いてくれる?私はこの歩く有害女性の変態露出狂に服を着せてからリビングに向かうから…」
「しぇんぱい…言い方!?言い方が悪い!?」
「事実でしょ…?さぁ、3人は行って?」
「…はい」
「さっ…豊和君行こっか?」
「そうそう、お兄ちゃんアレは見たら駄目なモノだからね?どうしても見たいなら私が見せてあげるから/////」
「梓希どさくさに紛れて何言ってるの?断固お姉ちゃんとして阻止するからね…それ…」
「じょ、冗談だから…お姉ちゃん怖いよ?」
「あんたが余計な事を言うからでしょ?」
「ホントはお姉ちゃんも見て欲しいんじゃないの?」
「ななななな、しょんなハレンチな事…でも…どどどどど、どうしても…豊和君が望むなら……私/////」
「えっ…お姉ちゃんこそ何言ってるの?」
僕達はリビングへと戻って円香さんと知り合いの女性が来るのを待つことに…。尚、柚希ちゃんと梓希ちゃんの会話には触れない事にした…。
******
暫くしてスーツ姿の女性と円香さんがリビングへと入って来る。席を立ち向かい合い挨拶する事にした…。礼儀だよね?
「…私は男性管理局の冴嶋冴子です。はじめましてですね?」
「…は、はい…」
「さっきの事無かった事にして話をしてるわ、この子…」
「先輩は黙ってて下さい/////!!!」
「ええと…はじめまして。天使豊和です」
「失礼だけど本当に男性?」
「ええと…はい…男ですね」
「…ちょっと失礼します」
「?」
冴子さんがこちらにスッと近付き…
「えっ?」
「「「なっ!?!?!?」」」
「(さすさすさすっ…)─ほ、ホントに男性だ……つ、付いてるぅぅ!?しかも…」
急に股間を擦られおののき、後ろへと後ずさる僕…。僕と入れ替わりに冴子さんに向かって一筋の光が冴子さんの身に迫る…。
「ふんっ!」
「ぐはっ…」
─ドゴッ!!っと音と共に崩れ落ちる冴子さん。床に膝を付き、見上げるその先には円香さんの姿が…。滅茶苦茶素早い動きからの見事なボディーブローが決まったのだ…。
「…何やってんの?(怒)」
「…すぅぅぅ…確かめてました…」
「もう一度言うわ…何やってんの?」
「…で、出来心なんです…」
「おま…お前は私の息子に何してくれてんの?ビックリしているじゃない!女性を怖がったらどうしてくれるわけぇ!ああん!」
「だ、だって体が動いちゃったんだもん…テヘペロッ!」
「…殺す!」
「お母さん殺っちゃって!」
「冴子さん…流石にそれはない…それはないよ?お兄ちゃんにそんな事するなんて…万死に値しちゃうよ?」
「あわわわわっ………許してちょんまげ~…なんちゃって…あはは…は…は…テヘペロ!!!」
「「「ムカッ!!!」」」
いやいや…皆…流石に円香さんを止めようよ?冴子さんもその状況でテヘペロする勇気は認めるけども、火に油を注いでいるだけだから止めた方がいいですよ?マジで…。
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