私理想高いので!


結局大雅くんが出かけた後

挨拶回りに行く事に…



――ピンポーン

「近所に引っ越してきた藤堂です、ご挨拶に伺いました」

「おっ、おんnッッッ!?」

――ドンッドガッ、ガシャーン

――ガラガラッ

「は、はひっ!」

「あ、初めまして藤堂です。息子の虹牙とあのエリア境目に引っ越してきました」

「はじめまして!虹牙です!」

「これ、つまらない物ですが…」

「うっ、あ、はぁ…加賀ですよろしくお願いします」

この人虹くん見てうっ、て嫌な顔した!?

うっざ!早く帰ろ!!

「では、お会いできて嬉しかったです失礼します」

「あっ、あの!れ、連絡さきって…」

「ごめんなさい、連絡先はちょっと…」


「虹くん、帰ろ」


すたこらさっさ〜だ!怒ってるんだから私!


その後何件も何件も同じような対応され

気分は最っ悪だが

虹くんが気付かなかっただけ良しとしよう

――○ine♪♪


ん?皇治くんだ

(藤堂さんがなかなか学校に来られない、と学校から連絡が来ました)か……

わすれてたぁぁぁ!!

やばいやばい!

「虹くん虹くん!!学校!」



15時…道わかんないからタクシーで

行くとして…間に合うよね!?

「いっそげー!」


――現在17時…


先生良い人そうで良かった

がしかし!もうへとへと…


「あ!パパだ!」


そうじゃん…パパ問題があったわ…

家が見えてきたと思ったら

向こうの方からダンボール1つ抱えた大雅くんが帰ってきてた


「おかえりなさい大雅くん」

「おかえり!パパ!ただいま!」


「………あぁ、ただい、ま?…おかえり?」


ふふっ言い慣れてない感じかわいっ…

じゃなかった!!


「さ!ご飯にしよっか♪!!」


――――――――――――――


「寝たのか?」

「うん、もうぐっすり♪」

「大雅くんあの荷物、なに?」

「俺の家にあった…私物?あ、あとこれ」


そう言って渡された紙…"婚姻届"

「虹牙の誕生日がきたら、結婚しよ」

…………ん!?

「ちょっ、ちょっと待って!お互いの事も全然知らないのに!しかも学生でしょ!?親は!?」

「虹牙の誕生日まで時間あるじゃねぇか…あぁ、なんか条件があるとかなんとか言ってたっけ?それに学生じゃねぇし親もいねぇよ」


親いないのは分かったけど

いや、制服ですやん……学生じゃないってもう

コスプレですやん……

さすがに制服コスプレが趣味な旦那は…


よ、よし!ここだ!断れ私!

「あの!しゅっ趣味に文句はないけど、さすがに制服の旦那は…ちょっと、あの、えー」


「あ?なに勘違いしてんだ。私服洗濯中で着るもんなかっただけだけど?…くっw断れなくて残念だったなぁ?w」

「〜〜〜〜〜っ」

「とりあえず条件聞かせろよ」

「そっ、そう!条件よ!私理想高いので!」

これだ!ここだ!勝ち確じゃん私!


「んで?」

「まず!浮気不倫なし!」「あぁ」

「DVはお断り!」「あぁ」

「あ、あとは、えーっと」

「ちょっと待て。お前の理想それ?」

「え?うん」

「お前…っw法律、くっw知らねぇ、の?ww」

「女は希少だから大事にされてんだぞ?それをお前っw浮気不倫暴力ってww世の男全員クリアしてんじゃねぇかw」


……………………はっず!!

そうじゃんそうじゃん!!忘れてた男女比!!

「あっ、いや!まだあるし!?」

「おー、言ってみ?」

「えっとえっと…年上で私より身長高くて…えっと、私だけ愛してくれる人!!」

どうよ!?一生の事なんか分かんないし

学生くんには無理でしょう??ふふっ

残念だったわね!学せいさ………………

ん!?あれ!?学生じゃなかったんだっけ!?

え、にやにやして近付いてくるんだけど!?


「全部クリアしててごめんなぁ??奥さん♡」

「おやすみぃ早く寝ろよ〜♪?」


――パタンッ


奥、さん?……奥さんですって!?!?


殺す気か!!!心臓うるさっ!!


ちょろいんかっ!!!

ちょろいんなのかっっ!?!?

もう私好きなんじゃね!?!


えぇぇぇぇぇ……

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る