拾った人のもの!

「ただいまぁ、と」


起きた時誰もいないと不安になるよね

リビングにベッド出すかな

――ポンッ


「よいしょ、と」

「やっぱ獣人、よね……死ぬほど可愛いんだが!」


ベッドに下ろし眺めれば眺めるほど

可愛いしかないこの子…

3歳?とかかな?捨てられたんかな?

家出とか?傷だらけだし…

てかあれよね、可愛いって事は

この世界だと醜いって事…?

え、じゃぁ捨てられた可能性高くない!?

え、じゃあじゃぁじゃぁ!!もらっていいのかなこの子!!?

はっ!


「ご飯食べる…よね?いやここはやっぱり手作りじゃないと!!」

「の前に、たばこ吸ってから〜」


前世でもかなりヘビースモーカーだった私

たばこの事思い出したら

吸わずにはいられないのだ!どや!


「ん〜、うどんでいっか」

――グツグツグツ

「いいにおーい♡」



――獣人男の子side


いい匂い…暖かい…

「ん……」


「あ、起きた?」


「だ、れ?」


「私はえ〜っと、あ!君のママ!」


「まま?」


「そう!君の事拾ったの!だから君のママ!」


この人なに言ってんだろう

よく分からない、けど

「痛いこと、する?」


「えっ!?しない!しないよ!?!」

「あ!ごはん!!ご飯食べない!?」


「食べ、る」


とりあえずいい人?なんだろうか

僕は一緒に住んでたあの人しか知らないから…

外にはこんな人もいるんだな…



――自分side


めっちゃ焦ったぁぁ

急にママだよ、って……

不審者すぎるッッッ!


とりあえずご飯食べて

お風呂入ってからまた話そう、うん

落ち着け私


「はい、どーぞ」

「フォークにしたから食べられる、かな?」


「う、ん」

――ズルズル


「お、いし…………ぐすっ」


泣くほどおいしいのか私のうどん…

良かった良かった……!?

「え!?なっ、泣かないで!?」

「た、たたタオル!!」


タオルどこだっけ!?

焦りまくってタオル探し回ってる間に

食べ終わってるし泣き止んでるし…

なんなら魔法でポンだろうが!!!

だっさいなぁ私!!もう!!


「ご、ごちそ、さまで」

はっ!

「そのままで大丈夫だよ!?あ!お風呂入ろ、一緒に!」

「……え〜っと、いいかな?」

「う、ん」


本当に咄嗟に言葉が出るって怖い!!

焦るとほんっっとにいい事ない…ぐすん


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