500体の中に一つだけ、触ると温かい地蔵がある。その地蔵は、次の日に別の顔に変わっている。五百羅漢という地蔵にはそんな言い伝えがあるそうです。このお話は、そんな言い伝えを見事に物語に落とし込んでいます。自分の妹を殺した相手を知りたい主人公。その事実を隠蔽したい友人。そんな中で発見された温かい地蔵。二人の思惑がそれぞれの視点から描かれ、最後には背筋うっすら涼しくなるようなオチが仕掛けられています。珍しい題材を綺麗に物語化した良作です。ぜひ♪