エンペラード王国の陥落

 レインクラウズクリア王国・リーフフラワー王国・デザート王国、3つの国がオズマリア王国による電光石火で落とされた。そして、歴代の王の巨像が立ち並ぶエンペラード王国も今落城の憂き目に遭っていた。齢70になる叔父の反乱だ。この叔父に嫁いだのがオズモンド王の娘エンプレス。歳の差50以上である。エンペラード王国では、王の親族は、女性と婚姻関係を結んではいけないというルールがあった。なぜこのようなルールがあったのか単純明快だ。要は、王の直属の家系しか子を成してはいけない。御家騒動を防ぐためであった。だが、これが仇となった。70まで女と縁のなかった男の元に歳の離れたエンプレスが取り入ったのだ。

「ワシなんかを選んでくれたエンプレスのためじゃ。必ずやこの国を取ってやろう」

「流石、ビショップ様。この調子でキングを討ち取りましょう」

「うむ。承知した。エンプレスとの幸せのため。この国を変えてやろうぞ」

 場内では、エンペラード王国を治めるキングが、ルークとポーンと共に、堅守していた。

「ビショップ叔父上が反乱を起こすとは、他の国もオズモンド王により落とされたと聞いた。これがオズマリア王国の狙いだったのだな。トロイの木馬とは、考えたな」

「キング王よ。どうかクイーン様とプリンス様を連れ落ち延びられよ。伝え聞いた話が本当だとしたらオズモンド王の狙いは、キング王の首とクイーン様のはず」

「ここは、我々が命をかけて死守いたします。どうか、今は落ち延びてくだされ」

「すまぬルークとポーンよ。ここは任せたぞ」

「はっ」

「クイーンにプリンスよ。ついて参れ。この安全な地下通路を抜けようぞ」

「父上、怖いよ〜」

「えぇ、今は仕方ありませんね」

 やがて城門をこじ開け、ビショップが城内へと流れ込む。

「ルークにポーンよ。キングはどこじゃ?」

「残念だったな。エンプレスの諫言により、国を貶めた反逆者よ。その身で償うが良い」

「この国のくだらぬ規律には、飽き飽きしておったのじゃ。それに誰であろうと我が妻エンプレスを愚弄することは許さんぞ。貴様ら如きすぐに討ち取ってくれるわい」

「言ったなジジイ、我ら2人で貴様を討ち取ってやる」

 2人を相手取り、互角の戦いを繰り広げるビショップ。

「どうしたどうした若者。ジジイに押されっぱなしではないか」

「ウルセェ」

「流石は、戦場に出れば百戦錬磨と恐れられた男だ」

 ルークにビショップの長槍が刺さる。

「グワァー。キング王よ。どうかご無事で。グフッ」

「ルーク。クソッ、なんとしてもここは死守する」

 ルークがやられたのだポーンで叶うわけがない。突き刺された。

「流石だな。一太刀も浴びせられぬとは。無念。ガハッ」

「フン。たわいもないわい。これで、この城はワシらのもんじゃぞエンプレスよ」

「そうね(キングにクイーンにプリンスを取り逃すなんてお父様にどんな目に遭わされるか。この百戦錬磨と聞いたおいぼれを利用してこの国を手中に収めて、お父様に褒めてもらう予定だったのに、計画が狂ったじゃない。このジジイももう用無しよ。死ぬ前に夢見させてあげたんだから感謝して死ね)」

 エンプレスはビショップに抱きつくフリをして胸にナイフを押し当てた。

「エンプレス、何故?ワシを刺したのじゃ」

「まだ、わかんないの。誰がアンタみたいなヨボヨボのジジイに本気になるわけないでしょ。つまり、オズマリア王国のためにエンペラード王国に滅んでもらう。全てはお父様の謀よ」

「なんと!ワシは愚かであろう。すまぬキングよ」

 絶命したと思ったエンプレスは、ナイフを抜き。後ろを向いた。その時、腹部に槍が突き刺された。

「エンプレスよ。貴様は、ワシの過ち。共に冥土に堕ちてもらうぞ」

「このジジイ。ふざけんな。なんでアタシがお前と死ななければならないんだ。クソックソックソッ」

「キングよ。おまえが城内より無事に逃げ出せていることを願うぞ。ガッハッハ。実に良い人生であった。戦さ場で果てること。最後に愛しいものと出会えたこと。戦女神に感謝しようぞ。グフッ」

「嫌嫌、なんでお父様、助けてよ。こんなこんなのって。うっ」

「あちゃー、エンプレス様死んでんじゃん。どうするよ」

「気にするな。自分を女皇だと言う頭のいかれた妾との間にできた子供だ。認知もしていない。死んだところでオズモンド王に何も影響が無ければ、戦況にも影響はない。ゴミが1人死んだ程度のことだ」

「ひでぇ。この女も顔は良いのになぁ」

「なんだ、やりたくなったのか?安心しろ。この戦いが終われば、オズモンド王様から女を回してもらえるからな」

「マジかよ。最高だぜ。オズマリア王国の兵士として生まれてよかったぜ」

「あぁ、全く同感だな」

 その頃地下通路を抜けて、表へと出たキングの前にオズモンドが現れた。

「待っておったぞキング王よ」

「オズモンド王。やはり貴様が全て裏で操っていたのだな。娘をスパイに使うとは」

「勘違いするな。あんなのは娘ではない。駒だ。死んでも心が痛まぬ駒だ。子供などどんだけ失おうがまた作れば良いだけだからな。そのための女も大量に国を滅ぼせば手に入る。何も問題はあるまい」

「ゲスヤロウが。我が妻は渡さぬぞ」

「安心せよ。貴様をあの世に送った後、目の前で裸にひん剥いて、楽しんでやる。コイツらのようにな」

 息も絶え絶えなイーリス元王妃。気絶しているローズマリー元王妃とナデシコ元第二王妃。恍惚の表情を浮かべながら御奉仕しているウォーター元王妃とキリン。

「ウォーターにキリンよ。もう良い。続きは後じゃ」

「あーん、オズモンド様。もっと愛してくださいまし」

「この年増よりも私を」

「なんてことだ。サウザンド王国の王妃と第一皇子の奥方の姿とは思えぬ」

「おまえの妻も、いずれワシに跪くようになるさ」

「我が妻、クイーンを愚弄するな。外道が。我が刃で、討ち取ってくれる」

「良いぞ。良いぞ。楽しませよ。この滾りを上回れるのであればな」

 キングが勢いよく斬り込んでいくがそれを弾き返すオズモンド。

「フン。つまらぬな。死ね」

 ザシュッと一刀両断に叩き切った。

「馬鹿な!?これでも、この国で最強の騎士なのだぞ。それが一撃など。ガハッ(すまぬクイーンにプリンスよ。父は先に行く)」

 クイーンは近づいてくるオズモンドを前に、すごい匂いがする地下通路の泥で服を擦り付けて、身体からツーンとした臭いを出す。

「貴方のような下卑た男にやられるぐらいならこれで近寄れないでしょう」

「考えたなぁクイーンよ。だが問題ない。ワシは全てを愛そう」

 オズモンドは近づき、クイーンを抱えるとそのまま、情事に及んだ。

「たまにはこんなプレイも良い。ほれどうした。貴様の操はその程度か」

「あぁん(なんてもので突き刺すのよ。しかも、この匂いで関係なく凌辱するなんて、プリンス、こっちを見ないで。こんな母を見ないで)」

「母様を離せーーーーーーーー」

「ダメよ。そんなことしたら貴方まで殺されるわ。母様は大丈夫だから。あぁん」

「命拾いしたな小僧。クイーンに感謝せよ。クイーンよ。息子を殺されたくなければ分かるな」

「はい」

「では、この宣誓文を読むのだ。ワシに愛されながらな」

「あぁん。私クイーンは、あっあん。オズモンド王様に忠誠を誓います。あぁん。だからどうか我が国民たちをお導きくださいませぇぇぇぇぇぇぇぇぇ」

「フン、気をやりおったか。ウォーターにキリンよ。ワシのモノを掃除せよ。そしたらおまえたちにも御褒美じゃ」

「喜んで」

「この年増なんかに負けないんだから」

 2人とも跪き。丁寧にオズモンドのモノを掃除する。そして、それが終わると気をやるまで御褒美を貰い。突っ伏した。

「ハハハハハ。順調よなぁ。さて次は、アダマント王国じゃ」

 征服した各国の王妃や子女を連れて、次なるアダマント王国に歩みを進めるのであった。

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