第11話 目黒ダンジョン配信(2)
「ようやく、部屋が見えてきました。では、部屋に入ってみます」
”キター”
”わくわく”
”どんな敵がでるか?”
”オークあたりか”
”牛さんカモーン”
「ミノタウロス5体。ハズレですね」
”ハズレじゃねえしwww”
”これをハズレっていうのひでおだけwww”
”いや、強すぎてハズレの可能性がワンチャン”
”ふつうの探索者だったらそうなんだけどなw”
”ひでおなら、そんなはずないwww”
「変身するまでもないですし、たいした見所もないので、スルーしますね」
”ファッ!?”
”ファッ!?”
”ファッ!?”
”た い し た み ど こ ろ な い wwwwwwww”
”スルーってwww”
「ということで、次の部屋に行きましょう」
”なにが起こった?”
”なんで部屋を通り抜けてるのw”
”ミノタウロス、どうなった?”
「ミノタウロスですか?」
視聴者様のリクエストに応えて、僕は振り返る。
バラバラになって、死んでしまった5体のミノタウロス。
「通り過ぎるときに倒しました」
”いやいやいや”
”誰か、見えた?”
”まったく見えなかった”
”なに?”
”どういうこと?”
”??????”
「えーと、歩きながらこの剣でスッと両断しただけです」
剣を見せて説明したのだが――。
”説明になってねえええwwwww”
”こりゃフェイク動画って言われても当然だわ”
”人間卒業のお知らせ”
まったく理解してもらえなかった。
俺の配信がフェイク動画扱いされてた理由が分かった気がする。
「やっぱり、マズかったですか?」
”いや、この前のオーガ戦見たから疑ってはいないけど……”
”ひでおはひでおだ”
”後でスロー再生で観るから問題なし”
”これはこれで、すげー楽しい”
コメントを読む限り、そんなに否定的ではないようだ。
ちょっと安心した。
「では、引き続き探索していきます。目黒ダンジョンは敵を探す手間がないんですが、ハズレばっかりなんですよね」
”いやいやいやwww”
”高難度ダンジョンだぞ”
”そんなサクサク進めないよ普通”
モンスターを探しながら歩いて行くが、オーガやミノタウロスばかりだったので、さっきと同じように瞬殺していく。
”これフェイクですか?”
”こんなの不可能”
”どうせ切り抜きもフェイクだろ”
”途中から来たやつらビビってる”
”咲花リリスのアーカイブ見てこい”
「フェイクじゃないです」
”アーカイブ見た。すまんかった”
”フェイク呼ばわりしてごめん”
”俺は信じてた”
「よかったです。じゃあ、引き続き進んでいきます」
一時間近く歩き回ったけど、変化ナシ。
できるだけ視聴者さんを飽きさせないように話そうと心がけているが、だんだんと話題も尽きて、無言になりがちだ。
「ごめんなさい。なに話して良いか……」
”気にすんな”
”コメ欄で会話してるから平気”
”ここのコメ欄おもろい”
”コメ欄だけで十分楽しめる”
”むしろ、コメ欄がメイン?”
”それは言い過ぎw”
そう。視聴者のみんなは退屈にならないように、コメ欄で盛り上げてくれる。
以前のお通夜みたいな僕の配信とは天と地の差だ。
「うーん、ハズレばっかです。同じようなシーンばかりで退屈させてしまい申し訳ないです」
しばらく探索したけど、どれも見栄えしないようなモンスターばかりだった。
「次で出なかったら、終わりにしようかと思ってます」
”止めないで”
”もっともっと”
”夜までやって”
”明日までやって”
皆さんの気持ちはありがたいけど……。
「あっ、良かったです。ようやくアタリです」
アタリ部屋をひけて、ホッと一安心。
「お待たせしました。ようやく、ダンジョンヒーローの出番です」
”うおおおおお”
”待ってた!”
”キター”
”キター”
”わくわく”
◇◆◇◆◇◆◇
【後書き】
《補足説明》
ダンジョンモンスターは倒すとアイテムを落とす。
探索者はこれを売って収入を得る。
通称、ドロップアイテム。
《ダンジョンガジェット》収納袋
見た目の何倍ものスペースを持つ。かたちは様々。
モンスターを倒すとドロップアイテムは自動的に収納袋に入る便利機能。
《ダンジョン素材》ミノ肉
ミノタウロスのドロップアイテム。
脂が甘くて美味しい高級肉。
テンポ良くいきたいので、設定や説明などは今回のように後書きにて。
気になること、わかりにくいことがあったら、感想欄で教えてね。
次回――『目黒ダンジョン配信(3)』
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