第4話

 ついに小三次が復讐を決意したのは、仲間たちに企てを聞かせてからちょうど10年ほどが経過してからだった。裏切りを計画していた仲間とともに、ごまかして隠しておいた財宝を回収し、お頭を倒して逃亡する。

 宝を持った先発隊は既に逃がしてあったので、残る仕事は、山の屋敷で眠るお頭の暗殺のみだった。満月の青白い光の下、仲間たちに見守られながら、小三次は、自慢の刀を、眠っているお頭めがけて高々と振り上げた。


 お頭に斬りかかる瞬間、小三次は新たな生活を夢に見た。この男を倒したら、俺たちは自由の身になる。遠くへ逃げて、誰も自分たちを知らない場所で、殺しや盗みとは無縁の、清らかな人生を、一からやり直すのだ...

 彼の決意は鋭い一撃となって、お頭の首から胸までを容赦なく切り裂いた。青い月の下、恐ろしい獣の叫び声が響き渡る。そこに現れたものを目にしたとき、小三次は恐怖して、一目散に逃げ出した。

 彼の目の前に現れたのは、10mから15mはありそうな、大きな白蛇だった。首筋には刀で切りつけられた醜い傷痕が残っており、その赤い瞳は、憎しみのため激しく燃えていた。お頭は、本当に、人間ではなかったのだ。

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