第4話
ついに小三次が復讐を決意したのは、仲間たちに企てを聞かせてからちょうど10年ほどが経過してからだった。裏切りを計画していた仲間とともに、ごまかして隠しておいた財宝を回収し、お頭を倒して逃亡する。
宝を持った先発隊は既に逃がしてあったので、残る仕事は、山の屋敷で眠るお頭の暗殺のみだった。満月の青白い光の下、仲間たちに見守られながら、小三次は、自慢の刀を、眠っているお頭めがけて高々と振り上げた。
お頭に斬りかかる瞬間、小三次は新たな生活を夢に見た。この男を倒したら、俺たちは自由の身になる。遠くへ逃げて、誰も自分たちを知らない場所で、殺しや盗みとは無縁の、清らかな人生を、一からやり直すのだ...
彼の決意は鋭い一撃となって、お頭の首から胸までを容赦なく切り裂いた。青い月の下、恐ろしい獣の叫び声が響き渡る。そこに現れたものを目にしたとき、小三次は恐怖して、一目散に逃げ出した。
彼の目の前に現れたのは、10mから15mはありそうな、大きな白蛇だった。首筋には刀で切りつけられた醜い傷痕が残っており、その赤い瞳は、憎しみのため激しく燃えていた。お頭は、本当に、人間ではなかったのだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます