エグザイル・デヴィルクイーン ~魔界追放女魔王様、勇者を育ててみるのこと~
べいちき
序話 女魔王の追放劇(イルディアナ視点)
「……して? 何が
私は。
「
なるほど、クーデターというワケか。そう言う頃合いかも知れんな、と。私は思い始めた。
私が魔王の座についてから2000年以上の時が経っている。完全なる中央集権、王政下の魔界の統治にも限界が来たという事か。
それに、魔界宰相のアフルギアスの野心も
私は、アフルギアスに問うた。
「自信はあるのか? 魔界を治める自信が。
その問いを受けたアフルギアスは、角の生えたこめかみに青筋を立てた。
「陛下の
「ふむ。確かに、貴様に落ち度はない。わが命令と決定を実行するのみだからな。だが、命を降し決定や決断をする能力が貴様にあるかな?
「お
ふむ。
なにしろ、私は。
この魔界を治めることに飽き飽きし始めていたのだから。
「その玉座を空け、
くくくくく……、と。してやったりといった感じのうす暗い笑みを浮かべる魔宰相アフルギアス。私は、奴の
「……気に入りませんな。大いに気に入りませぬ。何ですかな? その余裕の表情は?」
汗を僅かに頬に浮かばせながら、アフルギアスは私に刺すような
「いや……。そうだな。この玉座と王冠か。欲しければくれてやる。ただし、交換条件が1つある」
私はアフルギアスの瞳から目を逸らさずに睨みつけたまま、言葉を放った。私の瞳から発せられる魔力によって、アフルギアスは身動きが取れなくなっている。
「交換……条件とは……?」
「なに。私も魔王の座を引退するのは構わぬのだが。だが、あるマジックアイテムが欲しいと思ってな。この城の
「ふん……。我らが軍勢に恐れをなして、玉座と王冠を譲られるか。今までの貴女に対する私の持っていた
「そこらへんは承知の上だ。魔界の強力な武器を持ち出されたら、貴様らも
「ふむ……。この魔王城の宝物殿に収められている武具や防具の中には、天変地異レベルの魔法術を発効する武具や、ほぼあらゆる攻撃を受け付けないというとんでもない防具も含まれます。最早魔王でない貴女には、そのようなものは渡すわけにはまいりません」
「分かっている。承知の上だといったろう。私が望むのは、『
私の問いに、アフルギアスは「その程度ならば」と言って、許可を下した。
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