第四話「戦闘準備」

 Side 緋田 キンジ 二尉


 戦闘準備で基地内が慌ただしくなってきた。


 敵の斥候らしき姿も確認されている。


 ドローンなどもフル活用し、敵襲に備えている。


 施設科(工兵部隊)、特科(砲兵部隊)の連中や機甲科(戦車部隊)、航空科部隊(ヘリ部隊)も慌正しくなってきた。


 通信科部隊も張り切っている。


 まるで基地全体で何かの反攻作戦の準備を行っているようだ。


 それはともかく俺達普通科(一般兵)は武器科、輸送科預かりになっていたこの世界の兵器を引っ張り出し、パメラ主導の元でメンテを開始。


 上の方は部隊編成などで大忙しのようだ。


「ドランタイプとジャンクローダーもこの際使うしかないわね」


 と、パメラが整備しながら言う。


 ドラン。

 横長のレンズと口元の大きな突起物、マッシブなシルエットが特徴の機体だ。

 対弾性能も高く、パワーアシストでガトリングガンを使用可能だそうだ。

 

 ジャンクローダー……世紀末感溢れるパワードスーツもパワーアシストがあるため、防御性能に不安が残るがドランと同じような運用が可能だ。


 中にはドランとジャンクローダーを組み合わせたキメラ型も存在していた。


「てかここ軍事基地よね? パワーローダーとかそれなりの数放置されてたと思うけど……」


 と、当然の疑問をパメラが投げかける。


「ああ、それな。向こうに――お偉方のために持って行ったと思う」


 キョウスケが代表して話すとパメラは「はぁ!?」と驚いた。


「あんたら馬鹿なの!? そんなだからこれだけ軍備持っているのに無様晒して死にかけるのよ!? リオの人の良さに感謝しなさいよ!」


 と、怒られてしまった。

 自衛隊には自衛隊の事情と言う物があるのだが第三者の彼女から見れば自分達はバカの集団に見えてるのだろう。


「たく、条件はいいけど追加で報酬たんまり貰わないとやってられないわ……」


 などと言いながら自衛隊の男たち顔負けであれこれ指示を飛ばしている。



「レーザー兵器は実弾兵器とは違うから」

 

 場所を移し、リオから射撃場でレーザー兵器を含めて様々な現地の超兵器のレクチャーを受ける。


 他にもレールガンとかプラズマガンなども存在していた。


 パンサーはおっかなびっくりで腰が引けてる自衛官達が面白いのか「頑張りなよー」などと大きな胸を揺らしながら声援をしている。


「まさかこんな超兵器使う事になるとは……もっと早く使いたかった」


「まあな」


 キョウスケの言う通りだ。

 もっと早く使えていればどれだけの人間が助かった事か。

 今はともかく戦闘に備えて使い方などをマスターしなければならない。 

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