第59話 おしおき?

かなりやらかしたレイさん、反省を込めて⋯


〖レイ、絶~対っ!目を閉じるなよ〗

〖その石から力が溢れないように少しずつ入れてください〗


『は、はい』


〖集中して、石も自分の体の一部だと思って下さい〗

〖レイ、自分の体を覆う魔力も乱さないようにね〗


『はい⋯』


左に武神様、右にに工芸神様、背後に女神様、正面に魔神様、上から睨まれ完全な四面楚歌⋯

完全に信頼を失ったレイさん、四人の神様が張った結界の中で座禅を組んでいます。

完全に目を閉じることなく、無の境地で取り組めるのでは?と、自分から座禅を組んだのだが⋯


失敗したかも⋯


と、ちょっぴり悔やんだりしつつ、組んだ手の中にある魔石に魔力を送っています。


カチッ


『満杯になったわ』


〖それじゃあ、ゆっくり石を切り離して、ゆっくり楽にして〗


『はい』

ゆっくりゆっくり⋯

『ふぅ⋯』

お、終わった⋯


『魔石、百個~!』ばたんっ

つ、疲れたわ~

思わず大の字になって倒れちゃうわ。あ~足の先に血が巡る~


〖お疲れ様〗

〖あら、まだ元気そうね。まだやる?〗

魔神様が片眉を上げて、からかってきた。


鬼が、鬼がいるわ~

『お、お願いですから休ませて~』

頭だけ持ち上げてお願いする。


〖分かってるわよ〗

よ、良かった⋯ぱたり


〖ふぅっ 疲れたのはこっちだぜ〗

〖いつ暴発するかと気が抜けませんでしたからね〗

〖よくここまで魔力を溜め込みましたわね〗

〖全くよ。これだけ魔力放出して、まだ魔力切れしないなんて〗はぁ~


『⋯そう言われましても』

結界を張っていた四人の神様が呆れ返ってます。

足下には新たに魔力を込められた魔石百個が山を作っている。

呆れ返るのも無理はない。


〖目を覚ましてから、体に慣れてからは、武神ちゃんとずっと体鍛えてたもんね~あはは〗

『強くなることはいい事だと思っていましたしね』

『起きた時はひょろひょろだったからな~』


『あはは⋯』

そう、魔法を覚えるためにもまずは体からと思ってしまったのよね。


〖みんなして脳筋になってどうするのよ〗

〖お父様たちまで⋯〗

〖あはは、面目ない〗

『申し訳ない』


『あはは⋯』

どうやら私は、知らない間に魔力を体に溜め込みすぎていたそうで、


〖もっと早くに気付いて、魔力を放出すべきだったわね〗


と、どうやらコントロール不能になるほど膨れ上がっていたらしい⋯


〖まあ、これでかなり放出したから、レイ、目を瞑ってもう一度魔力を循環させてみて。恐らくさっきのようにはならないと思うけど、くれぐれも気をつけてよ?それと、目を閉じてするのは私たちがいる時だけにしてよ?分かった?〗くどくど

〖お母様、そこまで言うならまたにした方が⋯〗

〖いいえ!魔力が空に近くなった今しかないわ!〗ギンッ!

〖そ、そうですわね⋯〗


『はい⋯』

な、なんか散々な言われようだけど、反論できないわ。とにかく、やってみましょう。

丹田の辺りに集中して、そこから体の隅々まで、髪の先にまで、溢れないように⋯


〖⋯はい。そこまで。目を開けて〗

魔神様の声に、目を開けてみると


『え?』

これは?


〖今、魔力をまた可視化したから分かるかしら?体を魔力の膜が覆ってるでしょう?常にその状態でいられるようになれば、攻撃を受ければそれが鎧の代わりになるし、いち早く気づくことも出来る。そして、魔法も素早く発動できるわ〗


『はい』

なるほど、でも常には慣れるまで大変かもしれないわね。でも、ものにしてみせるわ。


〖その調子よ。それにしても、この山⋯工芸神、何かに使える?〗

〖そうですね、色々出来そうですよ。これから一緒に行く子たちの装備品にも使えそうです〗

『ああ、真っ白は目立ちますしね。色を変える魔道具にも使えませんか?』

〖そうですね。やってみましょう〗ほくほく

工芸神様だけ、ほくほく。これだけあれば実験⋯けほっ、創作し放題!


あれ?天界樹の精様は?


『おかわいそうに⋯』

『うなされてますわね』

『起こして差上げた方が良いでしょうか?』

『すごい汗です』


『う~ん、妾の庭が~レイ、やめるのじゃ~』うぐぐ


まだ気絶していた⋯かわいそうに


☆。.:*・゜☆。.:*・゜

遅くなってすみません。お読みいただきありがとうございます。

もう日付変わってしまったので、一昨日に『転生初日~』昨日『小さな小さな花うさぎ~』更新してます。そちらもよろしくお願いします。

フォロー、感想、応援などもありがとうございます。

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