第55話 課題

ぬーん


上から感じる威圧感⋯

腕を組んで仁王立ちした神様たちが並んで睨んでる?目が、赤く光ってませんか?神様じゃなくて魔王様ですか?


少し離れた所では

『う~ん⋯妾の、妾の庭がぁ』うぐぐ

〖天界樹しっかり~〗

『『『『あわわわっ』』』』おろおろっ


倒れてうなされてる天界樹の精様と、付き添う女神様。そして、周りでおろおろしてるエルフさん達。



な、なんだかよく分からないけど


『ご、ごめんなさい』

またまた土下座~


私、何をしたのかしら?


〖あはは、何をしたのかしら分からないまま謝ってもね~?〗にこにこ


『はい。ごもっともです』

主神様、にこにこしながら、グサッと


〖レイ、お前さんは目を閉じたまま何かするの禁止な〗

〖おや、武神、魔法を使うときではないのですか?〗

〖こいつは魔法に限らず何かやらかすだろ〗

〖たしかに。脳筋の武神が珍しく的を得たことを言ってますね〗

〖工芸神、喧嘩なら買うぞ〗ギロッ

〖遠慮しときますよ〗


だ、だから私は何をしたの?だらだら


〖はぁ、あなたは天界樹の庭を破壊するところだったのですよ〗


『ええっ!?』まさか!?


『本当ですよ。魔神と主神のおかげでなんとか事なきを得ましたが⋯』はぁ


『ええぇ⋯』そんな⋯


〖やっぱり似てるのね、必ずやらかす所は⋯〗ふぅ


『え?』何ですって?


〖愛し子もやらかしたのやよね。すごい速さで魔力循環をマスターしたり、何かを想像したらそれを具現化したり⋯だから、愛し子にも目を閉じて何かするのは禁止したのよ〗はぁ⋯


『あ、あらら?』

私ったら二歳児と同じことを?


〖あなたの場合はもっと気をつけないとね。さっきは魔力を回しながら、回りの魔力も取り込んだのよ。あげく、体から魔力が溢れ出して、二メートルも浮かび上がったのよ〗


『ええ?』

わ、私、飛んでた?


〖飛んでたというか、浮いてたね。飛行魔法とは違うから。まあ、とにかく、なんとか暴発しないようにしようとしたんだけど、地面まであと少しのところで〗ちろっ

〖コイツがクシャミして起きたのに反応して、魔力を放出したんだよ。な、このいたずら小僧〗こつん

『にゃああ』


『ええ⋯』クシャミ⋯


〖それで庭に当たりそうになった魔力を主神が消してくれたのよ〗


そ、それは

『重ね重ね、申し訳ございません』深々~


〖という訳で、今後あなたは目を閉じて何かするの禁止!〗ビシッ!


『は、はい。分かりました』


〖とはいえ、あなたもやっぱり魔法の才能があるということよね〗


『え?』才能?


〖魔法はイメージ。あなたも愛し子もイメージする力が強いのよ。やりすぎなくらいにね〗


『ま、まあ、日本人ですから』

アニメや本の世界のおかげでイメージならいくらでもできるものね。


〖だから、あなたは誰より魔力をコントロール出来ないといけないわ〗


『え⋯』


〖強すぎる力は一歩間違えば大変なことになるわ。仲間を守るどころか、傷つけかねない〗


『あ⋯』

そうだわ。今だって⋯

いまだにうなされてる天界樹の精様を見る


〖分かるわよね?レイ。あなたが今、何より覚えなければいけないことは、誰よりも繊細で正確な魔力操作〗


『⋯』

誰よりも⋯


〖それが出来れば、最大の武器にも防御にもなるわ〗


『⋯』

最大の武器、最大の防御

『分かりました。必ず、ものにしてみせるわ』


〖ふっ⋯いい覚悟ね。これを持ってきてよかったわ♪〗にぃっこり


『え?』

何かしら?その笑みは?


〖それじゃ、これ、全部に魔力を込めてね♪〗ざばざばざばざばーっ


『は?』

い、石?その石の山、魔神様の身長くらいあるわよ?


〖足りなくなったらまだまだあるから言ってちょうだい♪うふふ〗


『ええええっ』

そんな!?


〖わ~愛し子には優しいのに~〗

『レイには容赦ありませんね』


『あああっ』

いったいいくつあるのーっ


〖うふふふふ〗



☆。.:*・゜☆。.:*・゜

お読みいただきありがとうございます。昨日は更新出来ずすみません。

昨日『転生初日に~』は番外編投稿してますので、よろしくお願いします。

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